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弥栄3区(一関)

(idea 2026年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 

写真:令和7年のバッケの会、日向サロンの日帰り旅行の写真

写真:「バッケの会」と「日向サロン」の日帰り旅行

(令和7年11月)

 

基本情報

 運南田、蕎麦沢、鶴巻の一部の小字からなる弥栄3区(行政区と同名)は、県道48号(弥栄金成線)沿いに位置し、民区内には北上川支流の中江川が流れている。32世帯、約100人が暮らす(7班体制)。

住民の「和」を大切に、これからも

川と共に生きる地域

 

 明治8年に富沢村と楊生村が合併して誕生した弥栄村。その一角である弥栄3区(以下「民区」)は、旧富沢村側に位置しています。北上川の水源に恵まれ、古くから農業に適した地域として知られていますが、一方で住民からは、「この辺りは大雨になると内水の被害が出たため、家を高台に建て、どの家にも舟を置いていたんですよ」という、水害の常襲地帯であったことがうかがえるような話も……。現在では治水対策が進み、かつて各家庭に置かれていた舟も姿を消しつつあります。しかし、整備が進んだ今も、同民区のエリアは北上川水系中江川の洪水浸水想定区域※1に指定されています。

※1 平成27年5月の水防法改正により、「想定し得る最大規模の降雨」で河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域を「洪水浸水想定区域」として指定している。

 

 区長の小野寺直さんは、「治水対策のおかげで水害の頻度は減りましたが、高齢者や一人暮らし世帯が増えているため、『もしも』の備えを真剣に考えていかなければなりません」と、川の脅威と隣り合わせで暮らす現状に、改めて危機感を持ち始めています。

 

 同民区では、民区独自で置いている役員は会計と班長以外にはなく、区長・会計に加え、保健推進委員、農政推進員といった民区選出の各種委員の方々が中心となって民区運営を行っています。

 

 「地域の先輩が後輩をサポートする親密な関係性にあるため、どんな事業も円滑に進む」と、小野寺さんは語り、保健推進委員の岩渕悦子さんは、「会議や事業で強い意見を主張する人はいません。みんなが協力的で、和気あいあいとしているのが、この3区の自慢なんです」と、地域の協力体制について誇らしげに続けます。

 

住民の意識が生む住み良い環境

 

 秋の一斉清掃の様子を取材した際、住民の方から「拾うゴミが少ないから、清掃というよりも世間話をしながら散歩しているようなもの。これだけゴミが少ないのは、毎日の散歩のついでにゴミを拾ってくださる方がいるから。そのおかげで、このキレイな環境が保たれているんです」という印象的なお話を伺いました。春・秋の一斉清掃のほか、市道の草刈りや花壇整備、そして班ごとの集会所清掃(隔月で年6回)など、住民が気持ちよく過ごせるよう、同民区では地道な取り組みを続けており、それが住民一人ひとりの「自分たちの地域を大切にする」という意識へと、つながっています。

 

 また、同民区では、これまで年祝いを兼ねた「新年会」や、焼き肉、カラオケなどを楽しむ「夏祭り」を実施していましたが、コロナ禍を機に、現在も休止が続いています。一方で、新年会と合わせて開催していた「どんと祭」は3年前に復活させました。小野寺さんは「一度休止してしまうと、再開させるにはやはり相当の力が必要。住民の高齢化も進み、かつてのような大規模な開催は難しい。しかし、住民一人ひとりと十分な議論を重ね、地域に見合った新たな形で実現できるよう検討していきたいと考えている」と語り、区長として、一住民として、時代の課題と向き合っています。

 

地域を笑顔にする「交流の場」

 

 コロナ禍でも続けていたのが「ふれあいサロン『バッケの会』」。民生児童委員と保健推進委員が中心となり、住民同士の交流を深めています(毎月第3水曜日)。七夕には短冊作りをするなど、季節の行事を盛り込むほか、「いやさか祭り(実行委員会主催)」に展示する作品作り、「日向サロン(弥栄4区)」との日帰り旅行など、様々な活動を楽しんでいます。

 

 また、弥栄3・4区合同の「介護予防教室『笑福の会』」も同委員らを中心に、健康づくりに焦点を当てた活動を行っており、毎週土曜日には、いきいき百歳体操や健康に関する研修など、参加者が心身ともに元気に過ごせるようサポートしています。 

 

 「バッケの会は、農閑期には曜日に関係なく頻繁に集まって編み物をしたり、PPバンド(ポリプロピレン素材のバンド)でバッグ作りなどを楽しんでいます。『〇〇をしたい』というアイデアは、いつも住民のみなさんから出てくるんです。私は、みなさんが集まれる場所をつくって、一緒に楽しく参加しているだけですよ」と、岩渕さん。住民の「やってみたい」という意欲を後押ししています。 

 

 高齢化の進む小規模集落(民区)だからこそ、地域の元気と健康を支える源として交流の機会創出に力を注ぎ、住民同士の温かい「和」を何よりも大切にしながら、地域のペースを尊重した運営を続けていきます。

 

Q.集落の自慢は何ですか?

民区運営の中心となるみなさん

弥栄3区 右から 保健推進委員・岩渕 悦子(いわぶち えつこ)さん 区長・小野寺 直(おのでら なおし)さん 民生児童委員・須藤 直子(すとう なおこ)さん 

右から

保健推進委員・岩渕 悦子(いわぶち えつこ)さん

3期5年目。お世話人側でありつつ、ご自身もサロン活動等を楽しみにしています。

区長・小野寺 直(おのでら なおし)さん 

3期5年目。市広報は直さんが1軒1軒に配布しています。

民生児童委員・須藤 直子(すとう なおこ)さん 

2期4年目。3区・4区の「ふれあいサロン」や「介護予防教室」に携わっています。

 

 

A.和気あいあい


photo gallery

清掃を通した交流

住民が拾ったゴミを区長が回収する様子。

令和7年10月の「秋の一斉清掃」は、熊の出没に注意しながら実施。写真は住民が拾ったゴミを区長が回収する様子。

 

住民の健康をサポート

いきいき百歳体操の様子

いきいき百歳体操の様子(令和7年11月)。取材時は239回目の介護予防教室で、節目の250回目まであと少し…!

 

 

創作意欲に火がつく

「いやさか祭り」で「こんなにたくさん作るの大変だったで賞」を受賞した作品の写真

令和7年度「いやさか祭り」で、バッケの会が「こんなにたくさん作るの大変だったで賞」を受賞。来年も賞を狙います。

 

3区ふれあい花壇

見頃は終えていますが、令和4年度「一関市花いっぱいコンクール」で奨励賞を受賞した花壇の様子

写真は10月撮影のため、見頃は終えていますが、令和4年度の「一関市花いっぱいコンクール」では奨励賞を受賞しました。

 


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