(idea 2019年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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女性視点での猟の魅力 ~生き物の「命」と「食」~

西磐井猟友会 一関 加藤忍 狩りガール 女性ハンター 鉄砲

狩りガール 加藤忍さん

 山目地区在住。平成28年から猟を始め、現在は鉄砲の免許を所持。「西磐猟友会」所属。

 県全体の猟友会が行う「安全狩猟射撃大会」には、西磐井地区の女性代表として出場。先輩ハンターの方々に技術を教わりながら、仲間と共に趣味で猟を楽しんでいます。

対談者 狩りガール 加藤忍さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

 前回は猪狩り名人の小岩広昭さんとの対談をご紹介しましたが、今回は、小岩さんにご紹介いただいた市内でもまだ人数が少ない女性ハンターの加藤忍さんに、ハンターになった理由や、猟の楽しみ、現場に出て感じたことなどを伺いました。

 

 

小野寺 加藤さんは何をきっかけに狩りを始められたのでしょうか?

 

加藤 前の職場の上司が鉄砲の免許を持っていて、その方にクレー射撃の動画を見せてもらったり、野生動物の肉の話を聞くうちに「おもしろそうだな」と興味が湧いたんです。これを一つの趣味にしてみようかなと。

 

小野寺 では「趣味を持とう」と思ったことが始まりだったんですね。でも狩猟を趣味にする女性はなかなか珍しいですよね。

 

加藤 もろもろの刺激が欲しかったんだと思います。「楽しそうだな」とか「気持ち良さそうだな」とか、本当に単純な理由でした。

始めてすぐ、まずは狩りの現場を見てみたいと思い、舞川地区で行った「巻き狩り」というグループ猟に同行させてもらいました。先輩達と一緒に山や崖を歩いてポイントに向かい「耳で聞くよりその身で体験した方がわかりやすい」と、皆さんに教わりながら猟にも参加しました。巻き狩りは、獲物を追い込む「せこ(勢子)」と、追い込まれてきた獲物を囲い、鉄砲で撃って仕留める「たち」という役割に分かれて行います。

 

小野寺 一人ではなくチームで行う猟なんですね。

 

加藤 はい。この猟を体験した時に自分の中で達成感があったんですよね。巻き狩りは、鉄砲を扱えなくても「せこ」と「たち」両方の役割ができるので、その後も何度も猟に参加させてもらいました。

 

小野寺 そうして経験を積んでいったんですね。鉄砲の免許はいつ取得したんですか?

 

加藤 鉄砲の免許は、巻き狩りに参加する間に取りました。教習射撃で撃ち方は教わったのですが、いざ山に入ると誰がどこにいるのかわかりにくく危険もあり、最初は「怖い!」という気持ちが大きく、撃てませんでした。山中で自分の10~15m先に鹿を見つけて目が合った時も、どうしたら良いかわからず何もできなかったり…。

 

小野寺 やはり、目が合ってから命を奪うのは心苦しいですか?

 

加藤 ええ。皆そう言います。

 

小野寺 加藤さんはもう獲物を仕留める体験をされたんですか?

 

加藤 はい。大物はまだありませんが、カモはあります。鉄砲を撃ってから「自分の弾がヒットした」という感触はまだよくわかりませんが、当たった時は嬉しいですね。

 

小野寺 慣れてくると段々と感触を掴んでくるものなのでしょうか。ちなみに、獲物を撃って仕留めたら、その後どうするのですか?

 

加藤 私の場合、その場で食べてしまうこともあります。釣った魚をその場で焼いて食べるような感覚ですね。

 

小野寺 そうなんですね!血抜きに時間がかかったりしませんか?

 

加藤 大きい獲物は血抜きが必要ですが、鳥などの小さい獲物だと血抜きしませんね。ただ獲物の毛をむしって、捌いて、食べます。私はそうしますが他のハンターは肉を食べずに焼却したり、肉が欲しいという方に譲ることが多いようです。肉を食べるより、捕るのが好きというハンターの方が多いですから。

 

小野寺 その場で食べる時はどう調理するんですか?

 

加藤 かしこまった物は作れないので、本当にシンプルです。野生動物の肉は臭みが強いので、それを消す方法をインターネットで調べたりしながら。「クセがあるけど美味しいね」「○○の肉に似てるね」など比べながら食べたり。

 

小野寺 野生動物の肉は、独特でクセがありますよね。鳥・豚・牛・羊肉はスーパーで売られているので一般の方も食べ慣れていますが、それ以外は食べることが少ないですし、比較を楽しんでいる感じがありますよね。加藤さんのように「食べることが好き」という気持ちは大切なことだと思います。猟は生物の命をいただくことをリアルに経験できる場でもありますから。加藤さんの他にも女性ハンターはいるのでしょうか?

 

加藤 東磐井の方はわかりませんが、西磐井では罠猟をしている女性が1名います。県職員の方で、仕事の繋がりで罠の免許を取ったそうですが、知識がすごく豊富で。男性より女性の方が話が合いやすいので、もっと女性の狩り仲間が増えれば嬉しいなと思っています。

 

小野寺 今後女性ハンターの仲間が増えると良いですね。男性と比べた時、女性が猟で苦労する点は何でしょうか?

 

加藤 以前、厳美で猪を捕ったのですが、体重が80kgもあったので持ち上げるのに苦労しました。その時は私ともう一人の男性で持ち上げましたが、女性の力だけでは難しかったでしょう。それにトイレも大変ですね。どこにでもあるわけではありませんので。

 

小野寺 なるほど。やはり女性の視点だと違いますね。猟は有害動物駆除の目的もありますが、加藤さんのように自然の生き物と向き合いながら猟を楽しむ方もいますし、捕った獲物を食べ比べるなど、リアリティのあるお話を聞くことができました。ハンターを急に増やすのは難しいですが、女性ハンターとして活動する加藤さんのことを知り、猟に興味関心を持ってくれる方が少しでも増えればと思います。

猟に参加する加藤さん(手前)

山林の中でも人が目立つよう、オレンジ色のベストを着て猟に出ています。

 

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