毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。
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第79話(idea 2025年10月号掲載)
今月のテーマ
私たちの日常生活において、水道の蛇口をひねれば水が出るのは当たり前。このことは、世界的に珍しいことなのですが、その‘当たり前’が通用しない時代になりつつあることをご存知でしょうか?
市の水道事業は、一関市が「地方公営企業※1」として「独立採算制※2」で運営(経営)しています。水道水は、‘人の体を通る唯一のインフラ’であり、公衆衛生の向上と生活環境の改善のため、「一関市水道事業ビジョン」を策定(10年計画)して取り組んでいるのですが、今年度は見直しの時期となっています。
※1 水の供給や公共輸送の確保、医療の提供、下水道の処理など地域住民の生活や地域の発展に不可欠なサービスを提供する、地方公共団体が経営する企業活動を総称して地方公営企業という。
※2 事業の経費は、料金収入をもって充てなければならず、適正な経費負担区分を前提とした独立採算の原則が定められている。
※は、横手市HP「水道事業用語集」(https://www.city.yokote.lg.jp/suido/1001591/1010313/1010318.html)より引用。
そのため、6月から7月にかけて「一関市水道事業ビジョン・経営戦略(以下、水道ビジョン)の策定のためのワークショップ」が市内8会場で開催されましたが、地域協働体から推薦された市民ワークショップであり、参加者が限定的でした。ですが、もっと多くの市民のみなさんに知ってほしい内容なので紹介します。
■拡張から維持の時代へ
国土交通省が公表している「水道普及率の推移」によると、全国的な水道普及率は昭和25年には26.2%でしたが、昭和55年に90%を超え、令和5年度には98.2%まで向上しています。一方で、人口減少等により有収水量(水道料金徴収の対象となった水の量)は、平成10年をピークに減少していることから、全国的に「拡張」から「維持」の時代へと変化しています。
■一関市の水道
一関市の水道事業は、昭和10年に旧一関市で給水を開始したのが始まりで、その後、昭和29年に旧花泉町、旧大東町、旧千厩町、旧川崎村、昭和31年に旧藤沢町、昭和35年に旧東山町、昭和56年に旧室根村と続いています。面積が広い一関市は、水道管の総延長が長く、驚くことに、直線距離にすると一関市から沖縄県宮古島までの距離に相当します。
一関市は、42か所の水源(水を取る)に32か所の浄水場(水をつくる)を設置し、93か所の配水池(水を貯える)から各家庭に水が届けられています。起伏に富んだ市内各地に配水するため、水道管の水に圧力をかけて送水するポンプ場を114か所整備しており、事業規模が類似している自治体に比べると施設数が多くなっています。給水区域が広く、大規模な水源に恵まれていない一関市ならではの特徴であり、課題でもあります。
■水が出ることが当たり前ではない?
今後、‘人口減少に伴う水道需要の減少’や‘老朽化する水道施設の更新需要の増加’について、私たち市民も考える必要があるのです。水道を使う人が少なくなると、水道料金の徴収額が減り、お金がないと水道管の維持が困難になってくる、すなわち‘蛇口をひねっても水が出ない’という将来が……。
市の水道ビジョンは、「安全」「強靭」「持続」を将来像に掲げているのですが、「安全」とは、‘市民がいつでもどこでもおいしく飲める水道’を意味します。「強靭」は、‘自然災害等で被災しても迅速に復旧できる水道’、「持続」は、‘人口減少が進んでも健全かつ安定的な事業運営が可能な水道’のことです。この3つの視点は、市民の安心安全な生活に直結しているのです。
今夏の少雨による渇水は、生活に支障をきたすだけでなく、産業においても打撃を与え、雨が降ることを切に願った経験は、水があることが当たり前ではないことを実感する機会でした。
水道を維持していくためには、‘水道料金の値上げ’も、対策としてはあるかもしれません。物価高騰が続くなか、水道料金まで上がってしまうと不満が出ることも予想されますが、水道から水が出ないことを想像してみてください。ワークショップでは、「単なる値上げではなく、‘使用水量の料金’と‘水道管等の維持管理費’を可視化し、『水道を維持するための市民負担である』という理解を促すのはどうか?」との意見も出ました。
市の水道事業も頑張って動いているので、私たち市民も、正しい情報を知り、安心安全な生活のためにしっかり考えていきましょう。
開館時間
9時~18時
休館日
祝祭日
年末年始
(12月28日から翌年1月4日まで)
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せんまやサテライト
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