(idea 2025年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

二言三言 189・190/103,813

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目標は「死亡事故ゼロ」~地域を支える交通安全のネットワーク~

左:佐藤修蔵会長 右:三浦祐子事務局長

佐藤 修蔵(さとう しゅうぞう)

同協会副会長として4年、会長(現職)として10年務めている。一関市交通安全対策協議会副会長も兼務。

三浦 祐子(みうら ゆうこ)

令和3年4月から事務局長兼業務課長として務める。同協会の交通指導員も兼務する。


 

 

対談者 岩手県東磐井地区交通安全協会 会長 佐藤修蔵さん

    事務局長兼業務課長 三浦祐子さん

 

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

 

 


 

 交通事故を減少させ、安全で快適な交通社会の実現を目指し活動する「一般社団法人岩手県交通安全協会(以下、県安協)」は、交通安全運動・交通安全功労者等の表彰・優良運転者講習・自動車の保管場所調査など、私たちの身近なところで地域の安心安全を支えています。今号では県安協の東磐井支部「岩手県東磐井地区交通安全協会」にお話を伺いました(次号は「一関地区交通安全協会」)。

 

小野寺 貴協会の組織概要や関連機関について伺いたいです。

 

佐藤 上部組織に「(一財)全日本交通安全協会」があり、下部組織として各都道府県交通安全協会があり、その下に地区安全協会(以下、地区安協)がある形です。それぞれ組織構造や事業内容、関係等が異なりますが、どの組織も「交通安全の推進」がメインであることは変わらないですね。県安協の下には、16の地区安協があります。

 

三浦 私たちは地区安協(=支部)の一つである「東磐井支部」です。管轄地域は千厩町、大東町、東山町、川崎町、室根町、藤沢町です。地区安協は、警察署がある場所に配置されています。当支部管内6町合わせて22の分会があり、協力し合って活動しています。

 

小野寺 なるほど。警察署だけでなく行政とも連携しているんですね(下図参照)。

岩手県東磐井地区交通安全協会を中心とした、関連期間組織図

 

佐藤 はい。行政・警察署と連携して事業を行っています。例えば、「交通死亡事故多発警報」が発令されれば、当協会も行政・警察署と連携して交通安全活動を行います。

 

小野寺 黄色いジャンパーを着て街頭指導をされている様子をよく見かけます。交通安全運動以外の事業はどのようなものがありますか?

 

三浦 当協会が独自でやっている事業でいうと、「幼児の交通安全教室」がありますね。管内には幼保施設が19か所あり、1か所年3回ずつ、各駐在所の所長や警察署職員と一緒に訪問しています。もう50年以上続けている事業で、年長児最後の訪問で修了書を授与しながら「小学校1年生になっても交通事故に気をつけてくださいね」と伝えています。その他、交通安全に関連する受託業務※1も多いです。

※1 受託事業も含め、同協会の事業には、運転者対策の強化による交通事故防止、高齢者・子供の交通事故防止、二輪車・自動車利用者の交通事故防止、全国交通安全運動・交通安全整備の推進、推進機関の啓発活動、幼児の交通安全教室、通年運動(「3(サン)ライト」運動など)の推進、組織運営体制の強化推進(会議・研修/表彰の実施/受託事業)などがある。

 

小野寺 「岩手県交通安全母の会東磐井地区連合会(以下、母の会)」の事務も受託されているんですよね。地域から、母の会の存在意義を問う声などを聞いていることもあり、改めて発足当時の状況も伺いたいです。

 

三浦 「交通安全は家庭から」というスローガンで活動している母の会ですが、自分の家庭から交通事故の被害者や加害者を出さないために、「家庭で交通安全の教育をする」という目的があります。しかし、地域の人のボランティアなので、参加の無理強いはできません。

 

小野寺 母の会だけでなく、各分会でも「解散したい」という声があがっていますが、どう感じていますか?

 

三浦 そうですね、近くの小学校はみんなスクールバスなので「子どもも歩かないし道に立っていても無駄では?」という声も聞いています。ですが、交通安全運動は、歩行者だけでなくドライバーに対しての啓発にもなるんですよね。「なんで立ってるんだろう?交通安全運動期間なんだな、安全運転しなきゃ」と、視覚から訴える。普段何気なく運転してても「意識してもらう」ことがすごく大事だと思います。

 

佐藤 私たちの目標は「死亡事故ゼロ」なんです。確かに、昔よりは、交通事故も、死亡事故も減っています。だからといって、「交通安全運動をやらなくていい」という話にはならないと思います。毎年、交通事故で人が亡くなっているのが現状です。私は、地域の人たちが一体となって交通安全に取り組む「分会」「母の会」等の存在は必要だと考えています。

 

小野寺 誰しも、「事故を起こさない」という保証はないですからね。交通事故は、例え自分が十二分に気をつけていても、もらい事故がありますし……。

 

三浦 県警の広報チラシに「誰でも交通事故に遭う可能性はあります!他人事ではありません!」という内容もありますが、まさにその通りだと思います。大半の人は事故を起こしたことが無い、または遭ったことがない人だと思うのですが、例えばご家族が事故にあって、怪我をして、仕事ができなくなったりしたら……今まで通りの生活はできなくなってしまいますよね。

 

小野寺 事故は一瞬で生活を変えてしまいますからね。

 

三浦 子どもの場合、飛び出しによる事故も多いですが、幼児の大半は車両同乗中の事故で、亡くなったり怪我をしてしまう。そこで「チャイルドシート」が重要になってくるんです。

 

小野寺 なるほど、それでチャイルドシートの無料貸し出しサービス※2をしているんですね。利用者がとても多いと聞いています。

 ※2 チャイルドシートの無料貸出は会員へのサービス事業で、会員一人につき1台貸出可。在庫によって貸出期間が異なるため岩手県東磐井地区交通安全協会に要問合せ。

 

三浦 はい。会員一人につき1台貸し出し可能で、お盆や年末年始に新幹線で実家に帰省された方など、一時的に利用したい方に好評です。チャイルドシートは会費や協賛金で購入することができていますが、会費がどこにどう使われてるか分からない方もいらっしゃったり、免許を返納される方も多く、会員は年々減っている状況でもあります。

 

小野寺 地域の中で「役のなり手がいない」という声がよくあがっていますが、「何の役がどんなことやっているのか」をそもそも知らない人が多い。まずは取り組みついて知っていただきたいですね。

 


岩手県東磐井地区交通安全協会

  電話 0191-52-2343