毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。
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第86話(idea 2026年5月号掲載)
今月のテーマ
‘地域づくり界隈’では、様々な事例を紹介しあいながら、誰しもが模索を続けている毎日。そして、AIの普及拡大のほか、最新テクノロジーの導入に期待している人も多い。10年前は、地域をどうするか、夢を語っていても良かった時代。しかし今は、夢を語る余裕はない。だって、人がいない。ここ数年で急激な人口減少を感じるようになったのです。
特に「地域協働体(RMO)」が策定している「地域づくり計画」は、おおむね5年サイクルで見直しをかけていますが、次の5年を考えると、急ブレーキをかけざるを得ないことになるのです。だって、人がいないのです。
人がいないのに、これ以上何をしろと言うのか。いや、言えるのか。私は、何も言えません。だからこそ、立ち止まる勇気を持ち、見直しをしつつ、新たな取り組みを考えることが必要なのです。
最近では、「協働」よりも「総動」という言葉が出てきていますが、これは、人口減少や一部の人に負担が集中していることが背景になっており、‘みんなで参加し、みんなでやっていこうというものです。地域によっては、‘動ける人’の分母に問題がある場合も。だって、人がいないのです。
定年年齢の延長をはじめ、高齢者人材の積極活用も様々な場面で展開されていますが、どれほどの人材活用になるのか考えてみます。一関市の65歳以上人口は41.016人(令和7年10月1日現在)で、高齢化率は39.47%です。「4万人もいるから、戦力として大丈夫!」とは、簡単に言えないのが現状です。4万人のうち、動ける年代は65歳~79歳と仮定すると、25,666人であり、戦力となるのは62.5%の人と言えます。これだけ人口減少が進むと、26,000人が活躍してくれるだけでカバーされる部分は大きいのですが、地域によっては、そうともいかない状況に……。団塊の世代の後半世代とその直後の世代が頑張っている現在ですが、その世代が引退する10年後は、本当に担う人が減ります。単純に人口数字だけで追うのではなく、‘地域運営ができるか’という視点で考えると、そこには大きなギャップが存在するのです。
「定年退職後に地域デビュー」という慣例は通用せず、働きながら地域活動に関わる意識を持ってもらうように働きかけをしていく必要があります。かつて青年部や婦人会などがあった時代のように、その年代ごとの集まる場や参加が求められ、ちょっと前の時代の仕組みに戻っていくようなイメージでしょうか。
各地域で開催されている「介護予防教室」や「サロン活動(ふれあいサロン※)」についても、「継続がそろそろ限界だ」という声を聞く機会が増えました。地域から報告される実績を見ると、月数回の開催があり、参加人数も減ってはいるものの、参加者があるように見えます。しかし、実際は、事故の不安を抱えながら送迎をしたり、人数確保に奔走しているのです。集まりが悪いのは企画内容のせいではないかと嘆く世話人もいますが、決して企画のせいではないと思うのです。
※介護予防が主目的の「介護予防教室」に対し、「ふれあいサロン」は、概ね65歳以上を対象に、高齢者の閉じこもり予防や生きがいづくり活動、世代間交流活動を行うことで、引きこもり防止や高齢者の生きがいづくりにつなげるとともに、安否確認の一助とするようなもの。
平成18年の介護保険法改正で「予防重視型システムへの転換」が図られ、できる限り要介護状態にならないようにする、たとえ要介護状態になってもそれ以上悪化しないようにする取り組みとして「介護予防事業」が推進され、その一環として始まった「介護予防教室」。始まった当初に元気に通ってきていた人たちも、どんなに介護予防に取り組んでいても、歳を重ねれば、介護される年代になります。対して、新しく介護予防に取り組まなければいけない年代の人たちは、定年延長で働いたり、個人の楽しみを重視する傾向の人たちが多くなり、新しい参加者につながっていないのが現実です。今は、‘介護予防のため’の集まりではなく‘、介護予防教室を開催する’こと自体が目的になっているため、苦しいんだと思います。送迎をしてまで介護予防教室に来るというのは、もはや介護予防ではなく、介護が必要な人が集まっていると考えることもできます。介護予防教室の一時代は、終わりを迎え、新たな展開を模索しなければいけない時代になったのです。
一見、実績や数字を見るだけでは、なんとかなっているように見えても、実際は、なんともなっていないことや、目的を達成し、新たな局面を迎えていることが多々あるのです。だから、立ち止まって、振り返ってみないといけないんです。
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