毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第9話(idea2019年12月号掲載)

今月のテーマ

円卓会議の意義

「補完」は、「話し合い」から

 一関市の協働の定義は「話し合いと合意形成」です。この定義の背景については、第6話でお伝えしていますが、この定義は「行政と市民の間で目指すべき協働の姿」と誤解されがちです。決して行政との協働に限った話ではなく、「地域を支える主体それぞれが協働する」ために「話し合い」は必要です。

 地域にはたくさんの「役割(役職)」があり、それによって地域を支えていますが、「ご近所付き合いのコミュニケーション」はとっていながらも、「役割としてのコミュニケーション」は少なく、情報の共有がされていない状況がしばしば見受けられます。それぞれの役割で抱えている課題や事業が、それぞれの世界で止まっていて、どこかで一緒に議論しない限り、永遠に交わることのない状況になってしまいます。

 それぞれの「役割」の元を辿ると、行政や各種団体につながっていきますが、「縦割り社会」の構図が地域コミュニティにも起きているのが現状です。一緒に話し合い、課題の共有をすることによって「共通課題」や「個別課題」に気づき、気づきの中から「連携」や「見直し」に発展することもあるはず。このことを「補完」といい、補完するためには地域内に「円卓会議」のような話し合いの場が必要です。市民センター単位で地域協働体を設立した目的はそこにあるのです。

 しかし、地域協働体の設立から時間が経過すると共に、地域協働体の姿は「事業主体」になりつつあるのが現実です。地域づくり計画を策定したことで、「計画の実行」が求められるために「事業」に至る訳ですが、闇雲に事業を立案・実行するよりも、じっくりと円卓会議で地域のことを話し合い、地域の将来像に向かってみんなで取り組んでいかないと、「一部の人の集まりの出来事」になっ

てしまい、地域住民の参加意識は低くなってしまいます。

 地域づくり活動に対し「前のめり」になりすぎてしまうと、気合が入り、やること(=事業)が多くなってしまいます。これからの地域づくり活動は、まずは「後ろ向き」なり、過去から現在までを振り返り、これまで築き上げてきた地域活動の中から、「将来へつなぐバトン」を「整理」することが必要です。まずは整理整頓。その上で必要な事業を考え、「みんなで実行する」という順番を意識したいところです。

円卓会議 イメージ

「話し合い」は「金の駒」

 一関市における「協働のまちづくり」は、行政だけで考えたものではありません。「新市のまちづくりは市民と行政が一緒になって考えなければいけない」というのが当時の協働推進課(現まちづくり推進課)にとっての大きなテーマ。市民にも参加してもらい、「共に創り上げていく」というプロセスを大事にしてきました。

 当初から協働のまちづくりに関わり、現在「一関市協働推進会議」の会長を務める三浦幹夫さんと当時を振り返ってみました(2019年6月2日に開催された「森は海の恋人植樹祭」会場にて)。

 

三浦さん:協働の議論を始めた頃は、何が協働で、何をすることがベストなのかも手探り。常に不安しかなかったが、「話し合いをする」ということが「協働」に決まった時に、少し肩の荷が下りたような気がしました。地域の課題は、昔に比べて多くなるし、深刻化するため、これ以上、地域で何かをやるというのは無理だと思っていた。でも「話し合い」なら何とかできる。ところが「話し合い」も簡単なようで難しく、思うようにいかないもの。室根まちづくり協議会でも、手探りの時間は長かったけど、時間の経過とともに話し合いができるようになってきたと感じています。話し合いという「金の駒」は生まれはじめてるんじゃないかな。

 

「金の駒」とは、協働の定義を議論していた平成22年に『ガバナンス』という雑誌で地方自治ジャーナリストからの取材を受けた三浦さんが、実験的な試みとも言える「話し合いによる協働」という定義を「瓢箪から駒のような展開」とした記者に対し「もしかしたら金の駒がでるかもしれませんよ」と語ったものです。

 

※ 葉上太郎(2010).「協働」への着地点はいまだ見えず~地域自治区が消える・岩手県一関市の場合~『月刊ガバナンス3月号』78-81

 

三浦幹夫 小野寺浩樹 森は海の恋人植樹祭会場でのツーショット画像

「二言三言」でも三浦幹夫さんに協働のまちづくりに関してお話しをうかがいました!

コチラからご覧ください!

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