(idea 2014年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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対談者

対談者 ニッコーファインメック(株) 代表取締役社長 小野寺 真澄さん

    クリーンセンター花泉(有)  取締役営業部長 菅原 健二さん

聞き手 いちのせき市民活動センター   センター長    小野寺浩樹

  

 

お互いの弱み強みを共有する時代

ニッコー・ファインメック(株)  代表取締役社長 小野寺 真澄さん
ニッコー・ファインメック(株)  代表取締役社長 小野寺 真澄さん

顔の見える企業として

【小野寺(浩)】以前、本誌の中で企業取材させていただいた両社から、地域との関わりについて企業としてどうお考えか、お話ししていただきたいと思います。ニッコー・ファインメック株式会社社長の小野寺さんからお伺いしますが、地域との関係を改めてどのように考えていらっしゃいますか?

 

【小野寺(真)】そうですね。創業から39年、私どもの会社がここまで成長させて頂けたのも、地域住民みなさまのご理解があったからこそだと心から思っておりますし、感謝しております。当社がある千厩町の奥玉地域は自然豊かな土地で、市民の水道の源になっている川も流れています。その川を汚してしまえば、市民の方すべてにご迷惑がかかるわけです。住民と同じ立場になって考えてみると住み慣れている土地のすぐ側に、産廃処理工場があるというのは不安・不満もあることと思います。ですから、「危険はありませんよ。このような処理をしていますよ。このように対策をしていますよ」という企業からの情報発信とアピールをとても大切だと感じております。現在は廃棄物処理施設を持っていると、住民説明や工場公開が岩手県条例や法律で義務となっていますが、我社は、平成18年より一般公開し、住民との意見交換をしてきました。

実際、創業当初は騒音・煙突から出る煙(蒸気)等々不安の声も寄せられましたが、説明できる機会・意見を聞ける機会を設けることにより、関係も相互改善が出来るのです。逆に「何も言われないこと」というのが一番怖いですね。工場公開の日は、丸一日かけ工場見学のほかに歌手を呼ぶなどのイベントも兼ねて、できるだけ多くの近隣住民に興味を持って来社してもらえるように工夫しています。私どもにとっては、地域住民との大切なコミュニケーションの日と考えています。

【小野寺(浩)】地域の皆さんに実態を理解してもらうため、企業として説明責任をしっかり果たしていくことが、地域と企業が共存するために一番必要なことですよね。では、菅原さんはクリーンセンター花泉有限会社として、地域との関わり方をどのようにお考えでしょうか?

 

【菅原】小野寺社長がお話ししたとおりとだと思います。産業・一般廃棄物処理業で取り扱っている物は、市民にとっての不要物。どうしても一般の方が考えたら、「汚いもの」「危険なもの」という認識が強いですからね。私どもは、一般屎尿を取り扱うことから始まった会社ですので、創業当初は業務内容について、民家を一軒一軒挨拶回りしたものです。理解を深めてもらう中で、「家庭内の不要なものを処分したい」とか、「建設業が周りに多くなってきて資材ゴミの廃棄に困っている」という声が多くなり、地域に求められている産業廃棄物の許認可を取得しました。

 

【小野寺(浩)】菅原さんのお話の中にあった産業廃棄物は市民にとっては不要な物という言葉、すごく響きますが、もともとは、私たち市民が出しているんですけどね(笑)

 

【菅原】そうですね(笑)でも、地域の方からのニーズを拾い、取り組む姿勢を大事にしています。先ほど、小野寺社長がおっしゃっていた工場公開ですが、私どもでは見学・説明会と合わせて当社所有諸機械のデモンストレーションを行い、実際の作業状況を再現し住民に公開しています。

クリーンセンター花泉(有)  取締役営業部長 菅原 健二さん
クリーンセンター花泉(有)  取締役営業部長 菅原 健二さん

【小野寺(浩)】ニーズを拾って取り組んでいることも含めて、皆さんに公開することを大事にしているんですね。

 

【菅原】そうです。我々のような一般・産業廃棄物処理業者は、特に住民への公開を大事にしていると思います。なぜならば、地域住民がいなければ成り立たないからなんですよね。実際、理解を得られないとやっていけない職業なんだと感じますね。

 

企業・地域・行政の連携

【小野寺(浩)】まさに、両社の取り組みは、企業活動の地域課題解決型であり、市民が生活をしていく上で、絶対切っては切り離せない分野の職業ですよね。実際、不法投棄の問題もありますが、そういったところに気づき、安全対策を考えながら処理の方法を企業として考えていく、まさに環境活動も兼ねている企業活動だと思います。

さて、これからの企業活動を継続し、発展させていくためには、地域・行政とどのような関係が必要だとお考えですか?

 

【小野寺(真)】今までも私たちに地域に対して何ができるのか悩んできました。クリーンセンター花泉さんのように高圧吸引車やダンプ車があれば、災害時の緊急な対応も可能ですが、我が社のような、工場や医療系廃棄物を取り扱う小口回収型となると、車両設備的にも災害時等の緊急対応ができず、正直もどかしさもありました。今、市内の公民館にリサイクルBOXが設置されていますよね?昨年4月に小型家電リサイクル法が施行され、一般家庭で不要になった小型家電のリサイクルできる許認可を国(環境省)から頂き当社でリサイクルしています。不要物となった小型家電の中にも有用な金属が含まれています。地元一関で使われたものが私たちの手でリサイクルすることができるのですから、こんなに誇りに思えることはありません。この活動が市民に広く伝われば、よりリサイクルに興味を持ってもらえると思いますし、市全体のリサイクル意識も変わってくると思います

【菅原】ニッコーさんは、リサイクル業に関して岩手でも先駆けですし、私どもにはないものを持っていますから、お互い無いものを協力するというのが一番強い「連携」だと思いますね 。企業協力することにより市内でできることの範囲が益々大きくなると思います。

 

【小野寺(浩)】なるほど。そうですよね。

 

【菅原】ただ、実際には今までなかなか踏み出せなかった部分があるんですよ。

 

【小野寺(真)】地元にありながら、横の連携、特に県南の産廃に関しては「連携が薄いのでは?」と他支部から言われていました。実現出来るようになれば、もっと地元に還元できることや実現できることもたくさんあるかと思います。

 

【小野寺(浩)】お話を伺って、自社が持っている強みは強みで伸ばし、弱みは同業者もしくは他企業や行政などと連携することによって、地域の経済力が高まったり、環境力が高まることを感じました。やはり、お互いの強みを掛け合わせていくことが、これからの在り方なんでしょうね。また、時代の変化に迅速対応できるところも企業の強みの一つですよね。地域も柔軟性を持ち合わせ時代の変化に対応することを常に意識することが大切だと感じているので、今日、伺ったお話しをたくさんの方に共有できればいいなと思います。

基本情報

【ニッコー・ファインメック株式会社】

住所:〒029-1111

一関市千厩町奥玉字天ケ森75-6

TEL 0191-56-2601 FAX 0191-56-2619

WEB  http://www.nikkofm.co.jp

 

【クリーンセンター花泉有限会社】

住所:〒029-3104

一関市花泉町日形字日形山2番地1

TEL 0191-82-5393 FAX 0191-82-5391

WEB  http://www.kurin-hanaizumi.com

 

紙面で紹介しきれなかった部分は、「こぼれ話」としてブログに掲載します。気になる方はチェック!

URL:blog.canpan.info/ichinoseki/category_15/1

 

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