※2023年12月末をもって、惜しまれつつも閉店されました。長い間本当にありがとうございました!

千葉本店

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  明治4年創業(今年で創業150年)。室根山の残雪の美しさにあやかって作られ、昭和43年に「第17回全国菓子大博覧会」で金賞を受賞した「元祖白あんぱん」が看板商品(同商品のみを製造)。その後も同大会で2度受賞(昭和59年に「名誉大賞」、平成10年に「審査総長賞」)し、最盛期には1日2,000個~3,000個を製造(販売には時期的な波あり)するほどの需要が。現在は店頭販売のほか、道の駅(川崎、室根)、地元スーパー(すずまーと)に卸しています。

※小麦粉・薄力粉・砂糖・水を混ぜ合わせた生地で白あんを包み、焼いたあと、表面にグラニュー糖をまぶした真っ白な焼菓子。「白あんぱん」という名前の由来は不明だが、当時は「白あんぱん」と称する菓子を製造・販売する店舗が他にもあり、室根の中の元祖が同店であったため、3代目が「元祖」を名称に付け加えた。

(idea 2022年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

変わらない味を守り継承する難しさ

村の賑わいと共に「白あんぱん」の今昔

 「今、私は製造も卸しも、店頭販売もすべて一人でやっているんです」と話すのは、今年で89歳となる4代目店主の千葉利有さん。「昔は沿岸と内陸を結ぶ商店街として賑わい、従業員も雇っていたんですがね」と、店内に飾ってある良き時代の写真を眺めながら「この通り(室根商店街)も、バイパスができたことで交通量が減り、お客様もめっきり減りましたからね」と続けます。

 

 宮城県気仙沼市で菓子製造業を営む家庭に生まれた千葉さんは、自身も菓子職人の道へ進むべく、学校卒業後、和洋菓子の修業で仙台へ。その後、気仙沼市や陸前高田市などで菓子職人として勤務すると、後継者不在となった「千葉本店」の3代目から縁あって声がかかり、昭和32年、24歳で千葉家の養子となります。

 

 「当時は本当の手作りでね。夜が明ける前から餡練りをはじめて、手包みして約千個作る。だけど苦に思ったことはないね。この味をどう継承して次に繋げていくか。どんなに辛くても『継承していく』ということが私には大事だった」と当時を振り返る千葉さん。継承当初は包装紙も無かったため、手作業で包み紙を制作し、1個1個手包みしていたのだとか。

 

 砂糖などが配給制となった戦時中は製造を中止したものの、戦後の復興期には非日常の「特別な手土産」として人気に。「この量の砂糖がまぶされていますから、よっぽど『特別感』はあったでしょうね」と千葉さん。高度経済成長期以降は「地元の銘菓」として冠婚葬祭時の手持ち菓子や、「ちょっとしたお使い物菓子」として、普段菓子用ではないものの、日常的な流通も増加しました。

「元気で頑張って」の声に応えたい

 そんな需要最盛期に4代目へと就任した千葉さんがまず行った改革が「製造工程の一部機械化」。先代が守ってきた味を崩さぬよう、餡や生地づくりは手作業のままで、包餡や包装を機械化したことにより、一日の生産数も大幅にアップしました。

 

 現在も白餡の製造以外は一人で行っており、「継承の難しさ」を実感しているという千葉さんの、何よりの励ましが、お客様からの「元気で頑張ってほしい」という声。「以前は息子に菓子職人として継いでもらいたいという気持ちがあったが、息子から『足腰が弱まる前に店をたたんで、こっち(仙台)で暮らさないか?』と言われている。足腰が丈夫ならずっと白あんぱんを作り続け、お客様の『頑張って』に応えたいというのが私の本音」と、心の内を明かします。

 

 菓子職人となって70年以上、今も変わらず明け方前には作業を始め、6時半には製造を終えます。7時過ぎには卸先への配達に出かけ、戻り次第店頭販売というハードな業務を一人でこなす日々。

 

 今後の「継承」の可能性は模索中ですが、「皆さんの声が励みです」と、生涯現役で「白あんぱん」を作り続ける意志と覚悟を感じます。

千葉本店四代目店主千葉利有さん

四代目店主千葉利有さん。

 

 

 

 

元祖白あんぱん

千葉本店で製造する唯一のお菓子「元祖白あんぱん」。

 

 

 

 

 

千葉本店外観

周辺の千葉の本家であり、分家は商店などを営んでいたことから「千葉本店」という名称に。

 

 


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