(idea 2020年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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第2の人生への切り替えが決め手~肩書を捨てて踏み出そう~

なのはな健康長寿シニアーズ 代表 伊藤明さん

なのはな健康長寿シニアーズ 代表 伊藤明さん

 旧東山町出身、一関市赤萩在住。昭和25年生まれ。高校卒業後、郵便局に就職し、大船渡市の吉浜郵便局局長で定年退職。定年後の現在はアルバイトと趣味の両立で多忙な日々を送る。平成29年に「シニアの健康長寿サポーター育成講座(※)」の修了生に呼びかけ「なのはな健康長寿シニアーズ」を結成。要請に応じてシニアの健康づくり活動のサポートも行う。

 

一関市シニア活動プラザが平成28年度より開講している講座。「健康寿命」の概念を学ぶとともに、健康寿命を延ばす具体的な習慣や運動も学習し、地域の中で活動ができる「健康長寿サポーター」を育成することを目的に開催。

対談者 なのはな健康長寿シニアーズ 代表 伊藤明さん

    

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

 平均寿命が延びる中、注目されるのが「健康寿命(※)」。要介護状態を少しでも短くするため、健康寿命を延ばす取り組みが推奨され、実際に当市でもそうした取り組みが。「シニアの健康長寿サポーター育成講座」修了生で結成した「なのはな健康長寿シニアーズ」代表の伊藤さんに、健康寿命の考え方や、その実践において必要な視点を伺いました。

 

※健康上のトラブルによって、日常生活が制限されずに暮らせる期間。日常的に介護などを必要とすることなく、自立した生活を送れている年数。 

小野寺 陶芸、料理、ウォーキング、歴史……と趣味に忙しい伊藤さんですが、何がきっかけで現在のような生活に?

 

伊藤 定年退職後、妻と2人で2年間は遊び歩いたんです。日帰りではありますが、近隣市町村のあちこちに行って。でもいつからか「遊んで歩いててもしょうがないな」という気になってきて。お金も無駄使いしている気がしてきましたし(笑)

そんな時に萩荘野焼まつりの作品募集が目に留まり、思い切って電話したんです。さらに関連する陶芸クラブにも入会を希望してみたら、快く入会させてくれて。案外あっさり入れるものなんだと思ったことで、それを機に次々と講座などに応募するようになっていました。

 

小野寺 最初の一歩が大事なんですね。何から情報は得ているんですか?

 

伊藤 市の広報の「お知らせ」ページですね。あとは新聞と口コミです。スマホは持ってますが、シニア層には使いこなせないですよ(笑)

 

小野寺 市の広報はシニア世代にとっては重要な情報源なんですね。新たな講座や団体に参加するのに躊躇はないですか。

 

伊藤 1つ参加する毎に知り合いが増えるのでだんだん躊躇はなくなりますね。男性は自分一人だけということも多く、最初は失敗したなーと思いますが、始まってしまえばワイワイガヤガヤと楽しいです。何かに参加すれば絶対に視野も人脈も広がりますよ。

 

小野寺 男性は特にそうした活動に出てこないという声を耳にしますが、やはり少ないですか。

 

伊藤 20~30人の集まりで男性2~3人という割合が普通です。麻雀、囲碁、吹き矢などは比較的男性も多いようですが、それ以外はなかなか……。例えば「健康ウォーキング」なら来ても、そこに食事などを抱き合わせると来なくなったり。現職の頃の肩書などが邪魔をしているんじゃないでしょうか。

 

小野寺 それは社会の構図としてあるかもしれませんね。男は肩書をいつまでもひきずる(笑)

 

伊藤 私も最後は局長でしたが、地元で終わったわけではないので、スパッと切り替えることができました。ある意味でヨソモノですから。地元で、かつ、ある程度の肩書で終わった人は切り替えが難しいかもしれません。

 

小野寺 民間企業で縦社会のボスだった人とか、役場職員とかは出て来にくいかもしれませんね。そうすると定年退職前から「第2の人生講座」のようなものが必要なのかも。定年後に鬱のようになる人を減らすために。

 

伊藤 退職するとガラッと世の中が変わるんですよ。現役の時は金曜日の夜になればお誘いの電話が来たものだけど、退職すると一切なくなる。仕事がなくなれば共通の話題もないし、自分としてもわざわざ連絡はしない。1年に1回OB会のようなものはあっても、その場限りの盛り上がりで次にはつながらない。結局第2の人生に切り替えるしかないですよね。

 

小野寺 仕事の切れ目が縁の切れ目ということですよね。仕事で半ば強制的に結びついていただけで、退職すればそのつながりは残らない。そうなると身近なコミュニティの方がやはり大事ですよね。仕事の関係性を過信しすぎてはいけない、と。

 

伊藤 現役時代に固い仕事をしていると退職後はよけいに社会参加が難しいと思いますよ。

 

小野寺 現役時代からの生き方が大事なんですね。やはりそこに社会的なサポートが必要で、シニア活動プラザも55歳から対象にはなっていますが、周知が足りていない状況です。

 

伊藤 なぜか定年後に蕎麦打ちを始める人が多いですが、男心をくすぐるんでしょうね。あとは「男の〇〇講座」となっていると安心して参加できたり。男は女性と違って交流よりも満足感を求めているので、他の人と交わらずにできるものの方が良いのかもしれませんね。

 

小野寺 バーテンダー教室とか良いかもしれませんね(笑)和気あいあいとすることを考えなくて良いなら、市民センター等で考える講座も変わってきますよね。男性向けの講座は自分が満足できるだけのもので良い、と。

 

伊藤 寿命が延びていますが、ただ生きていれば良いというものではないですからね。限られた人生、楽しく生きたい、楽しく生きるためにはどうすれば良いかを私はいつも考えています。

 

小野寺 伊藤さんの活動する会の名称にも「健康長寿」と入っていますが、伊藤さんは「健康長寿・健康寿命」をどのように考えていますか。

 

伊藤 一言で言えば「精神的に健康で生きていく」ことです。体の健康だけでなく、頭や気持ちの健康も大事で。なのでウォーキングの集まりを持つときも、途中で頭を使うために道中で施設見学を挟み、気持ちの栄養のために料理の得意な人が食事を担当する。冬場は無理に運動せずに、食事や交流の要素を増やし、全体として精神的な健康を維持することが大事だと思っています。

 

小野寺 各地で開催されている100歳体操も、どちらかというと機能訓練であり、身体機能の維持が主目的。心の充実を同時に図らないと健康長寿とは言えないわけですよね。

 

伊藤 趣味を続けるにはお金もかかるので私はアルバイトもしてますが、それも交流や情報を得るための大事な要素。何でも良いから外に出てみることです。

 

小野寺 人と会っているうちは若々しいですよね。会社にいれば嫌でもコミュニケーションがあり、刺激があった。それが無くなると男は特に弱ってしまうのかもしれませんね。肩書が人を作るとも言いますが、肩書を捨てて一歩踏み出す勇気と、社会的な一助が必要ですね。

 

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