(idea 2026年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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自主・自立・協働・共助による社会貢献~シルバー人材センターの役割とは【後編】~

写真 令和6年 互助会によるボランティア作業の画像

互助会によるボランティア作業の様子(令和6年)

 

佐藤 拓平(さとう たくへい)

一般企業を定年退職後、旧千厩町のシルバー人材センター立ち上げに関わる。令和6年より理事長。千厩町小梨出身、在住。

 

宮田 敏夫(みやた としお)

元一関北消防署長。令和6年より事務局長。

 

公益社団法人一関市シルバー人材センターHP

https://webc.sjc.ne.jp/ichinoseki/index

 


 

 

対談者 公益社団法人一関市シルバー人材センター

       理事長  佐藤 拓平さん / 事務局長 宮田敏夫さん

 

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

 

 


 

 「豊富な知識・経験・技能を持つシルバー世代が仕事や社会奉仕活動等を通じて、生きがいのある生活を送り、高齢者の能力を生かした活力ある地域社会に貢献する」ことを目的に組織されているシルバー人材センター。社会の変化とともに、その役割や位置づけが変わりつつある今だからこそ、改めて本来の意味合い・目的を再確認していきます(2回シリーズの後編)。

 

小野寺 佐藤理事長は旧千厩町のシルバー人材センターの立ち上げに関わった※1そうですが、何がきっかけですか?※1 前編参照。

 

佐藤 旧千厩町は社会福祉協議会の傘下で設置したんですが、当時の支部長さんに声をかけられました。私はサラリーマンで地元を離れた期間も長かったので、退職して、何か社会に貢献することをしたいと思っていました。会員を増やすという使命を託されたので、仕事も開拓しながら、無我夢中で声がけをしましたね。会員が増え、仕事が増えていくのが楽しくて、本当にボランティア的に動きました。でもそれが本望で、お金が目的ではなかったので、逆に今の会員さんたちを見ていて、何でそんなに稼ぎたいのかなと思ってしまいます(笑)

 

小野寺 社会貢献のためというよりも、定年後も稼ぐための組織だと思われているんですね。ちなみに、今はどんな仕事依頼が多いんですか?

 

宮田 圧倒的に草刈です。草刈り、草取り、植木剪定、これらがメインで、70%以上ですね。

 

小野寺 肉体労働ばかりですが、大丈夫なんですか?

 

宮田 請負なので、一式で見積もりを出していて、会員さんたちは自分たちのペースで作業しています。例えば1万円の作業を請け負ったとして、2人でやれば5千円ずつ。1日でやってしまう時もあれば、体力と相談して、2~3日に分けることもある。夏場などは熱中症も怖いので、朝早くから2時間ずつだけ作業するなど、班長さんを中心に調整しています。

 

小野寺 なるほど。では女性の会員さんはどのような仕事を?

 

宮田 お掃除と草取りが多いですかね。一般住宅もあれば、公園のトイレ掃除とか、幼稚園のお掃除とか。あとは介護の仕事依頼もたくさん来るんですが、会員さんも高齢化が進み、対応が難しく、お断りすることが多いです。

 

小野寺 介護現場も人手不足ですからねぇ……。

 

宮田 今までそこの職員が残業や早出で対応してきたものを依頼されることも多いです。例えば駐車場の除雪とか。ただ、従業員の出社前にやって欲しいと言われるので、シルバー人材センターの性格上、引き受けにくく、8時~9時頃の対応で良い一般家庭の除雪だけを受けている現状です。会員さんは頼めば引き受けてくれるんでしょうが、判断が難しいんです。

 

小野寺 要は本当は自社で完結したいんだけど体力がないよっていう部分を、シルバー人材センターに隙間を埋めてもらいたい。でもシルバー人材センターでも人材不足なのと、そもそもの理念の問題で対応できず……、という現状ですね。

 

佐藤 社会的には、シルバー人材センターは今後ますますなくてはならない存在だと思うんです。なので令和7年度は「会員増強年度」として「一人一会員入会促進・一人一仕事紹介」を目標に掲げてきたんですが、難しいですね。

 

小野寺 隙間を埋める人材も必要ですが、今のメイン業務である植木の剪定なども、今後はできる人が減っていきますよね。

 

宮田 趣味で剪定をしている人などはいて、講習会などを行うことでカバーはできるんですが、上に立つ班長さんを引き受けてくれる人の確保が厳しいです。植木班は今「6人の班」「4人の班」「1人」の3つあって、本当は6人の班を2つに分けたいんですが、仕事の段取りを組む班長のなり手がいないんです。

 

佐藤 私は草刈り班の班長を20年以上務めましたが、やりがいがありました。でも今は嫌がる人が多い。やっぱり70歳を過ぎて、責任を持ちたくないのかな。

 

宮田 地域によっては、これまで職員が段取りを組んだり、サポートしすぎたところがあります。今後は組織体制を見直し、職員が主導していた部分を、本来のシルバーのあるべき姿である、会員さんの主導を尊重しつつ、改めて自主性を養っていかなければと思っています。

 

小野寺 本来の意味合いを知らず「お仕事」だけを求めて会員になる人が多いんでしょうね。

 

宮田 昔は会員同士のお付き合いがあったり、サークル活動を楽しんだりしていたんですがね。今は冬場の仕事がない時に、健康麻雀をする程度ですね。

 

佐藤 逆に私の年代の会員だと、仕事は受けないけど、互助会が主催するボランティア活動にだけ参加する人もいます。

 

宮田 そこがやっぱり大事だと思うんです。地域に貢献していくという気持ち。私は今の組織を変えていこうと思っていますが、地域貢献の気持ちだけは忘れないようにしたいな、と。

 

佐藤 ボランティア精神が根源になきゃダメなんですよ。

 

小野寺 集落内の草刈りが人手不足で限界だという声も増えていますが、それをシルバー人材センターに託せば良いという問題でもないですよね。

 

宮田 そうですね。ただ、今、一関・千厩・大東・東山の事務所※2それぞれに所属しているようになっている仕組みを、一本化しようと思っています。そうすると、今まで一関の会員ではできなかったものが、千厩の会員の力を借りてできるようになったり、柔軟性は増します。余力のある地域の人が、人手不足の地域を補うということはできるのではないかと。2 平成18年の統合後は、本部(一関事務所)が一関・花泉地域を、千厩事務所が千厩・室根・藤沢地域を、東山事務所が東山・川崎地域を、大東事務所 が大東地域を担当し、それぞれで会員及び仕事の管理をしている(令和7年度現在。令和8年度より変更の可能性あり)

 

小野寺 地域ごとだった共助を広域化し、お互い様の関係の再構築ということですね。

 

宮田 近年は地域のボランティアで手入れしていた公園が、地域でもうできないとなって、市から我々が依頼されています。市民の憩いの場を管理している、そういうことがシルバー人材センターのこれからの価値なのかな、と思いますね。

 

一関市シルバー人材センター

0191ー26ー3760