(idea 2017年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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力を合わせて地元名物を復活!

対談者 猿沢羊羹づくりに取り組む「まごころ弁当」会員の皆さんと

    「猿沢地区振興会」まちづくり委員会の皆さん(以下「会員」)

聞き手 いちのせき市民活動センター 支援員 千葉歩

猿沢の“名物羊羹”復活にむけて

【千葉】皆さんが今取り組んでいる「猿沢羊羹」づくりは、猿沢地区振興会(以下「振興会」)で開催した猿沢まちづくり計画を策定するための話し合いの中で「猿沢羊羹を復活させたい」という声がきっかけでしたね。でもまさかこんなに早く羊羹の取り組みが始まるとは、さすが猿沢のお母さん方のパワーだなと改めて思っています。今回は、実際に羊羹を作っている皆さんに、羊羹復活までの経緯や取り組んでみての感想などをお聞きしていきたいと思います。

猿沢羊羹づくりをしているまごころ弁当の皆さんと振興会の皆さん 

 

【会員】計画策定の話し合いの時にもそういう声が出ましたが、地区住民を対象に行ったまちづくりに関するアンケートの回答にも「猿沢羊羹の復活」という声が多かったようですね。猿沢の手土産と言えば団子と羊羹だったんですが、それがいつでも手に入るのが地区では当たり前になっていて。猿沢羊羹は、いざ無くなってからその大切さに気付いたんです。

 

【千葉】猿沢羊羹を販売していた千葉羊羹屋さんはいつ閉店されたんですか?

 

【会員】4年前にやめてしまいましたね。ご年配の夫婦で経営していて、体調を悪くされたとかで…。本当の商品名は「猿沢羊羹」ではなく「明治羊羹」だったそうですよ。地区では「猿沢羊羹」の愛称で呼んでいましたけどね。

 

【千葉】では、羊羹が4年前から食べられなくなり、「やっぱり食べたいな」と皆さん思ったんですね。

 

【会員】そうですね。猿沢の手土産がなくなり、皆寂しい気持ちがあったんだよね。もともと「猿沢地区のために何かしたい」とか、「ここら辺(市民センター周辺)は道路整備されて交通量が増えたのに止まる車が少ないから何かしたい」と言う人は沢山いたんだけど、何をどうしたらいいかわからないし、きっかけもなかったんですよね。その中で、地区の名物づくりというのは話題性があって人が集まりやすかったです。

 

【千葉】「地区のために何かしたいけど、何をしたらいいかわからない」という方が多くいる中、振興会主催の「みんなで地区の課題を話し合い解決するためにどうしたらいいのか?」という話し合いの場が、羊羹づくりを始めるきっかけになったんですね。一人ではできないけど、協力してくれる仲間や相談できる人が地区にいることも、大きな財産ですよね。

 

 

味や食感の研究と加工場の整備

【千葉】では実際に皆さんが猿沢羊羹づくりに携わるようになったきっかけを教えてください。

 

【会員】私たちは、10月の文化祭でお弁当を作っている「まごころ弁当」のメンバー12名と、振興会のまちづくり委員会(計画策定委員)の2名でやってます。振興会事務局の千田久美子さんから「羊羹づくりをやってみませんか」と声がかかったのが最初でしたね。

 

【会員】羊羹は今までに6回試作したんですが、「猿沢羊羹の味を知っている人から感想が聞きたい」と、市民センターで各団体等の会議があるたびにお茶菓子として出していました。試食という形で食べていただきましたが、「この味懐かしいね」って言ってもらえたり、婦人会の皆さんからは作り方のアドバイスをいただいたり。試食の機会を多くしたからか、猿沢羊羹が少しずつ地区に浸透してきているように感じます。「早く買って食べられるようになりたいね」と言う方もいますよ。

 

【千葉】なるほど。会議の機会に味見してもらい、感想を聞いていたんですね。

 

【会員】何回も作るうちにだんだん味がよくなってきてますよ。最初は水羊羹みたいな味だったんだけどね。

 

【千葉】それを、地区の方のアドバイスや皆さんの試行錯誤で、猿沢羊羹の味に近づけていったんですか?

 

【会員】そうですね。千葉羊羹屋さんからレジピを全部教わったわけじゃないから色々と苦労しました。最初は手探り状態から始めて、試作を千葉羊羹屋さんに食べてもらい「砂糖が足りない」とか指導を受けたりして。6回目にしてやっと明治羊羹に近いところにきたかなって感じです。

 

羊羹は長さを測りながら慎重に切り分けます

 

【千葉】6回目にしてやっとという感じなんですね。

ところで、猿沢市民センターの近くに空き家をリフォームして羊羹の加工場を造っていると聞いたのですが、いつ頃完成ですか?

 

【会員】加工場はだいたいもうできていますよ。

 

【千葉】もうですか!?早っ!

 

【会員】猿沢市民センターで作ったものは、練習はできるけど販売はできないんだって。だから近くの空き店舗を借りて製造することにしたんですが、改装が必要だったんですよね。でも改装の予算は最低限しかないから、地元のガス屋さん、水道屋さんとかがボランティアで協力してくれて本当にありがたかったです。

 

【千葉】すごい地域力!では、そこが羊羹づくりの拠点になるんですね。

 

羊羹づくりの拠点になる加工場(中央)

 

 

販売開始と活動継続のために

【千葉】羊羹はできあがったので、「猿沢羊羹を復活させる」という目標自体は達成したわけですよね。で、やっぱり大事なのはそれを継続させていくことだと思うんです。せっかく復活させたのに一時的というのはもったいないことですし、これからちゃんと継続的にやっていくためにはどうしていきたいか皆さんの考えをお聞きしたいです。

 

【会員】羊羹づくりはほぼ一日かかるけど、私たちは全部ボランティアでやってます。でも猿沢羊羹が商品化して、売り上げの一部をお小遣いとしてもらえればそれが活動の励みにもなるよね。お金がほしいわけじゃないけど、そうなればやる気もアップしますよね。

 

【千葉】そうですよね!

 

【会員】私たちは「猿沢を何とか活性化させたい」というそれだけの気持ちでやっているし、そして皆が色々な所で「猿沢羊羹美味しかったよ」って言ってくれれば嬉しいですよね。

 

【千葉】羊羹を復活させるぞ!皆でやってみよう!という純粋な想いが原点だったんですもんね。ちなみに、販売開始はいつ頃を予定しているんですか?

 

【会員】それはまだわかりませんね。今年の秋祭りでデビューという話もありましたが、それよりも早く進んでいるし。実はもう注文を受けているんですよ。

 

【千葉】早いですねー!!

 

 

【千葉】皆さんのお話を聞いていて、「売り上げ」という目に見える成果も大事ですけども、猿沢の方々が関心ごとに向き合って、試食して感想を言ってくれたとか、「美味しい」と言ってくれたということもすごく大事なことだと思いました。最後になりますが、一部の人だけじゃなくて、地区全体で地区を支える仕組みというのが大切だと思います。これからも必要になってくると思うのですが、羊羹を売るだけではなく、復活するまでのストーリもまとめていきながらファンをたくさん獲得していけたらいいのかなと、お話を聞いていて感じました。

 

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