(idea 2015年10月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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花泉中央振興商店街協同組合 理事長 伊藤満明 さん

 

  対談者 花泉中央振興商店街協同組合 理事長 伊藤満明 さん
  聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

商店街組合が続ける伝統の互市

【小野寺】伊藤さんは現在、花泉中央振興商店街協同組合(以下「組合」)の理事長を務められています。組合の目的や組織についてお聞かせください。

 

【伊藤】この組合は、主に花泉駅前通りに店舗を構える商工業者達の集まりで13年前にできました。組合員のために必要な共同事業を行うこと、地区内の環境の整備改善を図るための事業を行うことにより組合員の事業の健全な発展に寄与すること、あわせて公共の福祉の増進に取り組むことなどを目的としています。商店だけではなく、自動車整備業、旅館業を営む組合員もいますが、以前は40名を超えていた会員数は現在31名です。

花泉中央振興商店街協同組合 理事長  伊藤 満明 さん
花泉中央振興商店街協同組合 理事長 伊藤 満明 さん

【小野寺】時代の流れで店を閉めざるを得なくて退会されたのかと思います。組合ではどのような事業を行っていますか。

 

【伊藤】販売促進に関する事業として春・秋の互市開催、共同駐車場の維持管理事業として商店街の駐車場管理、ふれあい商店街づくり事業として商店街スタンプラリー事業、福利厚生事業として花泉夏祭り「日本一の餅つき大会」参加などの事業を行っています。また、商店街の振興を図るための研修会に組合員が参加しています。またその逆で、こちらに視察に来られて対応することもあります。一昨年には花巻市の亀ケ森振興センターから来られ、互市を例に農産物や特産品の販売方法について話しました。

 

【小野寺】組合の事業として互市を開催しているわけですね。互市の始まりについてお聞かせください。

 

【伊藤】花泉互市は現在、花泉駅前で行っていますが、ここで行われるようになったのは30年位前からです。互市の始まりは藩政時代からと言われ約250年の歴史があります。花泉町は海と陸との中間に位置し、それぞれの物品が交換しやすい場所だったのだろうと思います。そのために涌津や日形などで海の物と陸の物とをお互いに交換する形の市が発生したようです。それが「互市」で、海の物がこちらに持ち込まれ、こちらで取れた陸の物と物々交換する形から始まったと言われています。それがしだいにお金での売り買いに変わってきました。また、交通事情の変化に伴い道路使用も制限されるようになり、町1カ所で開催する今の形になりました。駅前通りで開催する前には役場通りで開催していたこともあります。

 

【小野寺】このような互市はよそでも行われているのでしょうか。

 

【伊藤】岩手県ではここ花泉だけです。宮城県では北部の地区で何カ所かあり、鹿島台(大崎市鹿島台)や田尻(大崎市田尻)が有名です。隣の栗原市でも、若柳や高清水などで行われています。

安全・安心な互市でお客を楽しませる

【小野寺】互市を開催するために組合としてはどのような準備を行うのでしょうか。

 

【伊藤】互市は毎年春と秋の2回開催し、春は4月1~3日、秋は11月1~3日のそれぞれ3日間です。これは曜日に関係なく、毎年期日固定で行っています。開催に当たっては、組合の中に花泉互市実行委員会(以下「実行委員会」)を作り、6人の委員で準備を行います。開催2か月前には出店者の募集を始めます。出店する場合は、申請手数料や広告宣伝費として8,600円納めてもらいます。毎回出店する人には優遇措置があり、納入額は2,000円少なくしています。締め切り後に出店許可申請受付を行います。これは、道路使用許可の申請で、実行委員会一括申請ではなく、出店者個々が警察に申請します。この場合、警察署から出張してもらい、私の店の倉庫を会場に行っています。警察が出店者個々を面接することで、犯罪などとのつながりなどをチェックしているようです。

 

互市を通じて地域を元気にしたい

【小野寺】組合の悩みや課題にはどのようなことがありますか。

 

【伊藤】どこでもそうでしょうが、組合員の高齢化が進んでいます。後継者がいなくて店をやめる所も出てきて組合員も減ってきています。商店街の活性化が進まないのが正直な話です。

 

【小野寺】伝統ある花泉互市は伊藤さんにとってはどんな存在ですか。

 

【伊藤】生きがいですね。商店街に店が並び沢山のお客さんが行き来する姿を見ると毎回やって良かったと思います。互市の良い所はお客さんとの会話で、話のやり取りで値段が決まるなど普段の買い物と違った楽しみがあります。そして、互市を楽しみにして遠くの方から毎年来るお客さんもいます。また、お客さんに教わることもあります。「年取って大きな束の野菜苗を持ち帰るのが大変だ」と言われ、小分けにして販売するようにして喜ばれました。

 

【小野寺】これからの花泉互市をどのようにしたいと考えていますか。

 

【伊藤】長く続いてきた互市を絶やさないようにしたいと思います。互市期間中に花泉駅前が賑わうことで地域も元気になってくれていると思います。お客さんが多い方が良いのでしょうが、正直これ以上増えても困ることがあります。それは駐車場がいっぱいになってしまうことで、駐車場以外の周辺の道路に止めることで苦情が来ることもあります。

 

【小野寺】互市にかける伊藤さんの思いを強く感じました。課題を解決するために私どもも一緒にお手伝いをさせていだければと思います。

 

花泉互市の様子
花泉互市の様子

【小野寺】互市を安全・安心に運営するために、実行委員会ではどのような取り組みをしていますか。

 

【伊藤】出店場所は実行委員会で決めます。様々な出店品目があるので隣り合わないように工夫します。継続する店は毎年同じ場所に固定します。毎回来るお客さんが分かるようにするためです。出店者には実際に開催場所を見てもらい、実行委員会が細かな注意事項を説明します。例えば、開店・閉店時間は実行委員会の指示に従う、閉店後の屋台や販売台は道路の側帯線から出さない、ゴミは出店者が持ち帰るなど。また、ガスやガソリンなどの燃料を使用する場合は、業務用消火器の準備や届出書の提出を義務付けています。

 

【小野寺】お客さんや出店者が安心・安全に互市を行えるように組合が配慮していることが分かりました。互市の3日間、まち中の様子はどうですか。

 

【伊藤】駅前商店街にこんなに人が集まるかと思うほど、まずは人が集まります。盆や正月に実家に来る代わりに、互市に合わせて足を運ぶ人もいます。また、お嫁さん方は里帰りする口実にもなっています。年2回の開催で人出の合計はおよそ5万人で、一つのお祭りですね。春の方が野菜苗や花苗、植木などの出店数も多くて100店ほど、人出も多いようです。人出をもっと多くするためには行政に入ってもらい、手伝ってもらう方法もあるでしょうが、入っておらず組合の6人で準備や運営をしています。

 

【小野寺】長い歴史のある互市に行政が入らず、一組合だけで続けて来られていることを初めて知りました。凄い事ですね。

 

【伊藤】商工会議所も入っていません。今年春の互市のチラシがここにありますが、主催は当組合、後援に仙北街商協同組合となっています。3年ほど前に、花泉互市の名前を書いたのぼり旗を市の方から買ってもらいました。花泉の町中に立てて宣伝できるようになり大変助かっています。

 

基本情報

【花泉中央振興商店街協同組合】

事務局:〒029-3101 

一関市花泉町花泉袋5-10イトウストアー内

TEL:0191-82-2437

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