(idea 2025年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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~地域に根ざした組織と仕組み【後編】 ~

「防犯対策」の「旗振り役」として

二言三言_トップ 藤沢町 一関地域防犯協会赤萩支部(赤萩防犯交通安全協議会)による「夏の地域安全運動」にて、自転車の防犯登録呼びかけや、施錠の確認等を行っている様子

畠山洋一

 農業を営む中、平成8年に前任者からの指名で地元・藤沢町の防犯隊(藤沢地域防犯協会防犯隊)になり、少年補導員の委嘱も受ける。

 令和5年より藤沢地域防犯協会の会長となり、令和7年より一関市防犯協会連絡協議会の会長に就任。一関東地区防犯協会連合会では副会長。

 昭和34年生まれ、藤沢町保呂羽出身(在住)。

 


 

 

対談者 一関市防犯協会連絡協議会 会長 畠山洋一さん 

 

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

 

 


 

 市内には旧町村単位に8つの「防犯協会」があり、その連絡調整を行う「一関市防犯協会連絡協議会(市管轄)」と、警察署が管轄する2つの「防犯協会連合会」があります。

 市と警察のそれぞれの管轄がある中で、地域に根差した活動を展開する各防犯協会ですが、時代が変わっていく中、我々市民はどのように関わっていけばより良い防犯対策につながっていくのでしょうか(2回シリーズの後編)。

 

 

小野寺 前回、特殊詐欺被害防止の活動にも防犯協会が取り組んでいるとお聞きしましたが、畠山さんが防犯隊に入った頃は特殊詐欺なんて身近なものではなかったと思います。やはり今と当時とでは、防犯と言っても熱を入れる内容が違いますか。

 

畠山 そうですね。当時は青少年の非行防止活動や子どもの見守り等に力が入っていたように思います。今は特殊詐欺なども加わりましたし、防犯灯設置の需要も高まっています。

 

小野寺 防犯灯設置の要望はよく地域から聞こえてきますね。

 

畠山 藤沢地域防犯協会の場合、各世帯からいただく会費(1戸300円)を財源に、防犯灯の設置補助を行っています。

 

市役所 防犯灯には防犯協会所有、自治会所有、市所有の3種類がありますが、市では新規設置は行わないという方向性です。ですので、防犯灯を新設したいという時には、自治会や防犯協会で設置していただくことになります。その代わり、設置時の補助金を出したり、電気代は市が全額負担しています。

 

小野寺 防犯協会所有の防犯灯があるというのは知りませんでした。

 

市役所 防犯協会所有の防犯灯があるのは、花泉、千厩、室根、川崎地域だけです。それ以外の地域ですと、自治会での新設しかできません。

支部単位を除く

 

小野寺 例えば藤沢だと、自治会で防犯灯を設置し、防犯協会から補助を出す、ということですね。市の補助と防犯協会の補助をもらえればあまり自治会の負担なく建てられそうですね。

 

畠山 藤沢は手厚いようです(笑)

 

小野寺 先ほど藤沢では各戸から会費をもらっているという話がありましたが、つまりは地域住民みんなが防犯協会の会員ですよ、ということですよね。

 

畠山 そういうことになります。理事には消防や駐在所、商工会や交通指導隊、防犯連絡委員、校長会やPTA、老人クラブ、保護司なども入っていますね。

 

小野寺 地域の各種団体や機関が入ってるんですね。

 

市役所 これにも地域性があり、各種団体は入らない地域もあります。

 

小野寺 そうなんですね。余談ですが、最近「総会などが多すぎる」という声が地域から聞かれますし、確かに藤沢地域防犯協会の組織構成を聞けば、地域協働体(藤沢町住民自治協議会)とほぼ同等なので、機能集約しても良いのではという声が出るのもうなずけます。ただ、藤沢がこうした組織にしているのは、「人を育てる」という意味があると思うんです。PTAなども、防犯協会の総会に出ることで、地域の実情や役を知ることができますし、単純に「総会が多いからスリム化しよう」という問題でもない気がします。

 

市役所 確かに、一関市防犯協会連絡協議会の総会では、総会後に警察署から管内の治安情勢の報告をいただいたりしますね。

 

小野寺 そうですよね。たぶん、これを協働体の中に集約して1つの総会にしてしまうと、ボリュームが多すぎるので、報告や事業計画など、大事な部分を割愛することになりかねないですし。ちなみに、子どもの安心安全に関する活動もされていると思いますが、どんな活動を?

 

畠山 藤沢では毎月第4金曜日に小中学校の校門前でのあいさつ運動をやっていますね。

 

市役所 あいさつ運動をしている地域は多いですし、新入学児童に防犯ブザーを贈ったり、児童への「声かけ事案」の未然防止活動をしている地域もあります。

 

小野寺 子どもたちの登下校の見守りもしてくれてるんですね。各防犯協会の事業報告書を見ると、地域のイベントなどにも警備やパトロールで参加しているようですが、声がかかるんですか?

 

畠山 はい、藤沢だと野焼祭やふじの実学園さんの盆踊り大会に毎年防犯隊が出動要請をもらいますね。制服を着用して会場内でパトロールをします。

 

市役所 花火大会やマラソン大会など、規模の大きなイベントには出動要請をもらうことが多いです。

 

小野寺 たしかにイベント会場で制服を着た方を見かけますが、そういうことだったんですね。そういう時は、交通安全の支援もしたりするのですか?

 

市役所 直接的な交通安全支援というよりは、子どもなどの安全確保という視点も持ち合わせてのパトロールですね。日常の活動で言うと、一関地域防犯協会の赤荻、中里、滝沢、真柴、東中田支部は、防犯と交通安全を一つの組織に集約して一体的に活動していますので、交通安全の取組もしています。

小野寺 こうやって聞いていくと、防犯って、子どもからお年寄りまで、範囲が広いですし、向き合う課題も多様化していますが、最終的には一人一人の危機意識の問題ですよね。一人一人が意識を高めてくれないと、空き巣も詐欺も防げない。そのために、防犯協会は防犯意識を高めるための旗を振ってますよ、ということですね。

 

畠山 はい。パトロールや声がけをしていても、やっぱり無施錠が原因の空き巣は最近でも発生してます。家にいても鍵をかけている人もいれば、出かける時も無施錠の人もいる。声をかけ続けるしかないんですが……。

 

小野寺 地域住民みんなが防犯協会会員という位置づけなのであればなおさら、我々市民が改めて意識していかなければいけないですし、防犯協会の活動や役割にも興味関心を持つべきですね。警察署との連携があることや、防犯連絡委員さんが651人もいること、防犯隊や少年補導員など、改めて知ることがたくさんありました。

 


 

一関市防犯協会連絡協議会(一関市役所市民環境部生活環境課)

電話 0191-21-8344

 

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