毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。
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第84話(idea 2026年3月号掲載)
今月のテーマ
先日、「総合的な学習の時間」の一環で、中学生が当センターへヒアリングにやってきました。私は出張のため立ち会えなかったのですが、「地域課題や支援について話を聞きたい」というオーダーは、今の教育現場の流行りでもありますね。スタッフが対応しましたが、「地域コミュニティの仕組みを中学生にどう伝えるか」という課題に、改めて向き合う機会となりました。
驚いたのは、その中学生たちが「一関市が合併して誕生した市であること」を知らなかったという事実です。確かに、彼らが生まれた時にはすでに「新・一関市」でした。旧町村単位にこだわる感覚がないのも、ある意味では当然のことです。自分たちが「合併市」であることを前提に話をしていた固定観念を、少し反省させられました。
とはいえ、一関市の面積は岩手県内で第2位。なぜこれほど広いのかを説明するには、やはり合併の経緯は欠かせません。市の成り立ちとしての「合併」という歴史は、子どもたちにもしっかりと伝えていきたいものです。
一関市は2005年(平成17年)に7市町村で合併し、2011年(平成23年)に藤沢町が加わりました。最初の合併を基準にすれば、令和7年でちょうど20年という節目を迎えます。「昭和100年」や「JR大船渡線の開業100周年記念(摺沢駅など)」、「猊鼻渓の名勝指定100周年」といった大きな節目と重なるのは、何とも不思議な縁を感じます。当センターも、設立から20年となりました。
さて、合併からしばらくの間は、「合併には反対だ」「合併しなければよかった」という声も多く聞かれましたが、最近ではそうした言葉を耳にすることも少なくなりました。時間が経過し、‘時薬(ときぐすり)’が効いてきたのでしょう。
合併協議が進んでいたあの頃、皆さんはどんな想いでいましたか?「平泉市になるかもしれないワクワク感」「広域化への不安」「道州制も見据えたダイナミックな期待」「あるいは無関心」……。人それぞれ、何かしら揺れ動くものがあったはずです。当時、新市の未来に向けて議論を重ねた人々のエネルギーは、並大抵のものではありませんでした。だからこそ、その熱量まで時間の経過と共に失ってはいけないと思うのです。
当センターは合併と同じ2005年7月にオープンしました。私たちのまちづくりは、新市の施策である「協働のまちづくり」と共に歩んできた20年でもあります。当時、協働を推進するための下地作りには多大なエネルギーを要しました。不特定多数の市民の皆さんと議論し、研鑽を積み、3年ほどの歳月をかけて施策を練り上げたのです。しかし、その当時のエピソードを語れる人も、今では少なくなってしまいました。
そもそも、なぜ「協働」が必要だったのか。それは、広域化した一関市において、どの地域の小さな声も取り残さず、住民の声を確実に行政に届けるためです。声が届かなくなれば、「合併しない方が良かった」という後悔に繋がってしまいます。そうならないよう、‘行政と市民が共に課題に向き合う姿’を目指し、「合併を‘幸せな結婚’にするために‘協働’していこう」と夢を語り合いながら議論を重ねてきたのです。
地域協働体が存在する本来の意義は、地域の声や課題を集約し、行政と対等に話し合うことにあります。決して「市民センターの指定管理を引き受けるため」に作られた組織ではありません。しかし最近では、「指定管理のために組織を作らされた」という声を聞くこともあります。当時の住民が抱いていた熱い想いとは少し違う形で伝わってしまっているのは、非常に残念なことです。
「時薬」が解決してくれることもありますが、時間が経過しても、決して見失ってはいけない「目的」があります。歴史を曲げずに語り継ぐこと。それもまた、私たちの世代に課せられた大切な役割ではないでしょうか。
開館時間
9時~18時
休館日
祝祭日
年末年始
(12月28日から翌年1月4日まで)
いちのせき市民活動センター
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FAX:0191-26-6415
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せんまやサテライト
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