(idea 2018年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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もっと深く地域を知りたい!移住を決意した若者

対談者 NPO法人北上川サポート協会・門崎ファーム 事務局員 中芝 浩美 さん

聞き手 いちのせき市民活動センター 支援員 千葉 歩

 平成29年4月から平成30年3月までの1年間、第24期緑のふるさと協力隊員(以下協力隊)として川崎地域の門崎地区に赴任してきた中芝浩美さんは、その期間終了後も「もっと地域に深く関わりたい」という思いから移住を決意。市内での同隊員の受け入れは中芝さんが7人目とのことですが、任期を終えてから地域に移住した方は初めてのことなのだとか。そんな中芝さんに、協力隊時代を振り返りながら移住を決めたきっかけとヨソモノ目線での川崎町の魅力についてお話を伺いました。

 

お金じゃない価値を見つけたい

【千葉】昨年、中芝さんは協力隊として川崎町に赴任されたわけですが、赴任先というのは自分で希望を出して選べるものなのですか?

 

三浦魚店

事務局員 中芝浩美さん

 

【中芝】協力隊は、NPO法人地球緑化センターが主催している事業の一つで、農山村に興味をもつ若者が、地域再生に取り組む地方自治体に1年間住民として暮らしながら、地域密着型の活動に携わるプログラムで、派遣地の中から第1希望から第3希望まで選ぶことができます。面接などを経て最終的な派遣地が決まるのですが、必ずしも希望地に派遣されるわけではないようです。

 

【千葉】一関市川崎町は希望地だったのですか?

 

【中芝】はい。第2希望でした。ちなみに、第1希望は山形県の“飛島”。島暮らしに憧れていたんですよ。

 

【千葉】第1希望、第2希望とも東北ですが、東北へのこだわりでもあったんですか?

 

【中芝】とくにそういったわけではないんですが、大学時代にヒッチハイクで被災地を訪れた時に、お世話になった方々がいて、「東北って(心が)温かいところだな」という印象を持っていたくらいですね。

 

【千葉】なるほど、そうでしたか。震災が協力隊に応募したきっかけの一つに?

 

【中芝】いえ。そうではないですね。大学3年生のころに知り合った女性が協力隊経験者で話を聞く機会があったんですけど、その頃はほかにやりたいことがあったので「面白そうだな」とは思ってはいましたが、頭の隅にだけ置いていました。

 その後、海外へ渡ったり就職したりしましたが、なんだかすべてが中途半端な気がしてモヤモヤしていたんですよね。そんなとき私の姉の、「そういえば前に田舎に行って農業がしたいって言ってたよね?」という一言で「あっ!そうだ!」と協力隊のことを思い出したんです。そこから、改めて調べて「お金じゃない価値観を見つけよう」そんな思いから協力隊に応募したんです。

 

お客さんから住民へ

【千葉】色々と経験されてから、改めて考えたことなのですね。初めての川崎町、印象はどうでしたか?

 

三浦魚店

 

【中芝】私の実家は4万人程度が住む、岡山県の田舎町なんですが、その中でも商業の町と言われているところが出身なので一関市に着いたときには都会という感じがしました。でもそれから車に乗って川崎町に移動したんですけど、だんだんと田舎の風景に変わってきて、懐かしく感じましたね。もちろん私の田舎にも田んぼや畑はありましたが、川崎町は規模が違うという印象でした。それから1年間、門崎ファームさんにお世話になりながら、農業体験をしたり牛のお世話をしたり、神楽の体験やもちろん門崎集落のみなさんとの交流して、だんだんと「お客さん」の中芝から「住民」の中芝として受け入れてもらったんです。

 

 

第二のふるさと“いちのせき 門崎”

【千葉】協力隊任期1年を経て、改めて川崎で暮らそうと思ったきっかけは何だったのでしょう?

 

【中芝】そうですね。まずは私が学生ではないというところもポイントかな。協力隊には学生の方もいるのですが、1年の任期を終えると復学する方も多いようです。その点私は任期を終えても必ず戻らなければいけない場所はなかったので。それからやはり“人”との出会いでしょうか。農業体験や牛の飼育、伝統芸能の神楽どれをとっても人との結びつきがあって成し得ることですからね。1年きりじゃ全然さわりの部分。「もうお客さんじゃない。もっと深く関わりたい」そんな気持ちが徐々に芽生えてきていたんですね。

 

 

神楽の音色のなつかしさ

【千葉】今年の一関夏祭りの神楽発表会で、中芝さん出演していましたね。

三浦魚店

御神楽(鶏舞)を踊る中芝さん

 

【中芝】はい。布佐神楽保存会さんにお世話になり、鶏舞を演舞しました。これまで神楽の経験はなかったのですが、協力隊時代に初めて体験したとき、私の地元、久世祭りの音色に似ていて、自然に体が動き懐かしく思ったんですよね。一関市内にも神楽を継承している地域がありますが、川崎町の布佐神楽も集落全体で継承していこうという思いが伝わり、どんどん神楽にはまっていきますね。以前、天の岩戸開きで天細女命(あまのうずめ)役を経験させていただいたんですが、今度は他の役にも挑戦してみたいです。

 

どうぞ気軽に!“まちあいしつ”

【千葉】協力隊時代は市からの補助などで生計を立てていたようですが、現在のお仕事は?

三浦魚店

NPO法人北上川サポート協会での活動の様子

 

【中芝】はい。今は、NPO法人北上川サポート協会さん(月14日)と門崎ファームさん(月10日)2か所の臨時事務局員として雇っていただいています。なにせ、市でも協力隊員が移住するという経験がなかったということで、その後のサポートが未計画だったわけなんですけれど、地元の方々が協力して下さって、継続して借家(協力隊時代は補助あり、現在は全額個人負担)に住まわせていただくことにもなって本当にありがたいです。

 

【千葉】中芝さんが川崎町に移住を決めて、みなさん嬉しかったことでしょうね。これからは、何か挑戦してみたいことなどあるのですか?

 

【中芝】実はすでに実行に移しているんですけど…。私が借りている家は門崎駅前なんですが、もともと商店をしていたそうなんです。だから、現在もその名残があって、漠然と「ここにお店を開きたいな」なんて考えていました。駅前なのに周りが暗くて、親を待っている高校生も不安じゃないかな?って思っていたんですよね。今回移住したことで、思い切って借家のお店部分を大掃除し、7月に2回ほどシャッターを開けてみました。まだ、お店とまではいきませんが、駅を利用する人たちや地域の方々が気軽に寄れるような交流のスペースにできればいいなと考えています。少し賑やかで安全な場所、“まちあいしつ”と名付けてみました。ぜひ、シャッターが開いている日には自由に“まちあいしつ”をご利用ください。

 

【千葉】これから、賑わいのある門崎駅前になりそうですね。楽しみです。

 

┃ NPO法人北上川サポート協会

  電話:0191-36-5666

  住所:〒021-0202 一関市川崎町門崎字如来地100-1

┃ まちあいしつ

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