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(idea 2025年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
左の写真:ラジオ体操後の集合写真(令和7年9月)
背後の建物が「なんだべや」
県道18号本吉室根線沿いに、上川原、本宿、下川原、中磯、向平と、山間部にかけても広がるエリア(行政区は室根18区)。53戸128人が暮らし(自治会未加入世帯含め)、5班体制(小字毎ではない)・5部会制で地域運営を行う。
砂金で栄えた津谷川村は、砂金が取れなくなると、烔屋経営(製鉄)が明治まで続けられます。製鉄原料は沿岸・内陸から運搬され、現在の室根地域内には物資集散の要地が複数形成されますが、津谷川地区の中心地「本宿」もその一つです。宿場として栄え、旅館や商店が立ち並ぶ時代がありました。
そんな本宿を含む中津谷川自治会は、室根地域で最も高齢化率が高い現実がありつつ、毎年冬になると「中津谷川イルミネーション街道」として、多くの人を迎え入れます。平成21年に2世帯で始めたものが、「中津谷川イルミネーション同好会」へと発展し、今では約40棟の建物に電飾が施されるほどに。通り沿いの家々がメインになる活動なので、自治会とは別組織のまま事業を続けています。
今回はあえてイルミネーション事業には触れず、中津谷川自治会の「いま」にスポットをあてます。
朝6時半、「なんだべや」と名づけられた建物の前(通称「体操広場」)に人の輪ができています。時間になると特に前触れもなくラジオ体操の音楽が流れ、体操を始める住民たち。終了後には自然と拍手が起こり、「じゃあ」と、仕事に向かう人もいれば、そのまま世間話をする人も。「なんだべや」の中では、2代目の「コーヒーマスター」がコーヒーを注ぎます。
自治会として朝のラジオ体操を始めたのは令和5年7月。コロナ禍で各種事業を中止し、再開の機運がないままに約3年が経過。花壇整備や道路愛護など、必要最低限の事業は行いますが、住民が交流する機会や子どもたちとの接点はなくなっていました。
流れを変えたのは、令和4年度に自治会長に就任した小野寺正吉さんの妻・京子さんの想いでした。「数少ない子どもたちのために、地域としてやるべきことがもっとあるんじゃないの?子どもたちを地域で育てていくことが、今こそ必要なんじゃないの?」と、子どもたちとの接点を持つことを提案します。
そこで、夏休みに合わせて朝のラジオ体操を開始。出席カードを作り、シールを貼るなど、交流要素を膨らませます。「最初は子どもたちや散歩している人など、数人で始めて、今は10人を超すことも。『なんだべや』を管理している方が、初代コーヒーマスターとして体操後にお茶飲みができるようにしてくれたこともあり、体操だけでなく、情報交換の場になった」と、正吉さんは手ごたえを語ります。
取材日の最年少はなんと0歳。5歳の姉が当初から参加していたこともあり、生後2か月頃から、祖父・母と3世代で時々参加しているとか。
交流の大切さを再認識した同自治会は、同年、夏祭りも再開。かつては屋台を出したり、ステージがあったり、大掛かりに開催していましたが、再開後のメインは「来場者総参加のゲーム」です。一見、夏祭りとは思えない、ささやかなゲームたちですが、いざやってみると、大の大人と未就学児とが本気で勝負をするなど、白熱の展開に!「人の多い時代は、個々が楽しむ要素を用意しましたが、人が少ない今、『いかに時間を共有するか』が大事。参加型のイベントであるべき」と、京子さんが笑顔で語ります。
こうした想いと行動が伝染し、今年の「どんと祭」には子ども連れの参加者もあり、終了後には新年会も再開。来年の新年会を心待ちにする声もあったそうで、交流機会が拡大しています。
そんな中、同自治会が目下取り組んでいるのが「支え合いマップ」です。普段から声掛けや支え合いはしているものの、それらが共通認識にはなっていないことから、有事の際の動きを可視化するための取組です。全体説明会を経て、班ごとに話し合いを行いましたが、普段はあまり参加しない人が来てくれるなど、関心度は高かったとか。
その一方で、「考え方の深さが班によって異なり、可視化することが苦しい班もあった。支え合いを重荷に感じてしまっては意味がないので、共通認識を持つことが難しい」と、正吉さんは課題を感じつつ「班に任せ、班で向き合ったこと自体が成果。意識するきっかけになったはず」と微笑み、マップの配布(自班の分だけ全戸配布)に向けて準備を進めています。
朝のラジオ体操が歯車となり、自治会の意義を考え、再出発した同自治会。老若男女が同じ時を過ごし、経験や想いをつないでいく、そんな機会を模索し続けます。
開館時間
9時~18時
休館日
祝祭日
年末年始
(12月28日から翌年1月4日まで)
いちのせき市民活動センター
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せんまやサテライト
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