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社会福祉法人つくし会

(idea 2026年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

職員が生涯学習として調べているメダカ について、利用者に講義をする様子の写真

写真:職員が生涯学習として調べているメダカについて、利用者に講義をする様子。 

基本情報

 昭和51年11月5日設立認可。昭和52年4月に「特別養護老人ホーム関生園」を開設し、以後、各種高齢者福祉サービスを展開。現在は11の事業で、地域の福祉向上に努めている。役員は理事6名(うち理事長1名)、評議員7名、監事2名。職員は230名。

 

住所:一関市滝沢字寺下2-1(本部/明生園内)

TEL:0191-23-0478

FAX:0191-23-0260

 

常に「努力」「向上心※1」を胸に

※1「つくし」の花言葉

ミッション追及のためのフィロソフィー

 

 「個人の尊厳を保持しつつ、地域社会において自立した生活を営む」ことができるよう、多様で総合的な福祉サービスで高齢者の福祉事業を行う社会福祉法人つくし会。「ともに幸せを」の理念とともに、「地域貢献を忘れない」「強烈な願望を心に抱く」「次元の高い目標を持つ」「誰にも負けない努力をする」「常に創造的な仕事を行う」「思いやりの心で誠実に」「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」等、11項目のフィロソフィー(経営哲学)を掲げています。

 

 現理事長の熊谷茂さんは、大学卒業後、同法人が運営する特別養護老人ホームに就職。約20年間生活指導員として従事し、平成23年、理事長に就任します。同会の目的を追求すべく経営の勉強をする中で、京セラ株式会社の「アメーバ経営」※2に注目。 組織をアメーバと呼ばれる独立採算で運営する小集団に分け、その小集団にリーダーを任命し、共同経営のような形で会社を経営する仕組み。同法人では各事業所単位で目標管理と採算管理を行い、毎月リーダーが収支報告を行うことで、透明性と主体性を高めている。

京セラの職員から1年半にわたる直接指導(平成24年8月~)を受け、職員一人一人が経営者的な視点を持って事業に向き合う体制を築きました。

 

 熊谷さんは「当時も今も、社会福祉法人では珍しい取り組みであると思います。福祉事業で利益追求をすべきでないという固定観念を取り払いたかった」と振り返り、「利益の追求は、職員の待遇改善につながり、それが利用者の幸せにもつながる。利用者第一主義ではなく、職員第一主義にすることが、『ともに幸せを』の理念に通じる」と続けます。

 

海外から学んだ「職員主義」への転換

 

 「職員を大切にすることが、利用者や地域への貢献につながる」という考えのもと、同法人は仕事と家庭を両立できる環境の構築を模索し続けています。きっかけとなったのは、平成7年に熊谷さんが視察に赴いたデンマークの社会。福祉先進国と言われるデンマークと日本の価値観・仕組みの違いを目の当たりにします。「デンマークに行って初めてワークライフバランスが何なのかわかった気がする」と、熊谷さんは自身が受けた感銘を共有すべく、平成14年から、毎年、他法人も対象とした北欧の視察研修を実施しています。

 

 デンマークの福祉やワークライフバランスの考え方を参考に、職場環境改革を進めた同法人は、平成29年4月、「子育て応援宣言」を行い、残業ゼロの推進や、全事業所・全職員を対象とした有給での休暇(子の介護、家族の介護)制度を導入。そうした取組から、令和5年には厚生労働大臣認定の「くるみん認定※3」を受けます。 子育て支援に取り組む企業が、「次世代育成支援対策推進法」に基づく行動計画を策定し、その行動計画に定めた目標を達成するなど、一定の要件を満たした場合に取得できるもの。

令和6年には「不妊治療のための休暇」を導入し、翌年、社会福祉法人・医療法人では県内初めてとなる不妊治療と仕事の両立に基づいた「くるみんプラス認定」も受けました。

 

 「職員が一日の大半を過ごす職場の環境を変えるのは経営者。離職率も減り、『働くならつくし会で』という嬉しい声もいただけるようになった」と、改革の成果は着実に表れています。

 

 

創設理念を守りながら福祉業界の未来へ挑戦

 

 同法人では、「地域公益活動委員会」を法人内に組織し、認知症カフェの開催、就労準備ボランティア事業など、様々な地域貢献事業を実施しているほか、一関市社会福祉協議会と連携し、生活困窮者支援(食料、ガス・電気が止まった人への緊急的なつなぎ支援、公共交通を利用できない人への交通支援など)も行ってきました。

 

 また、情報発信にも力を入れており、ホームページでは法人概要や地域貢献活動の取組・成果などを詳細に載せているほか、外部メディアに掲載された記事も積極的に発信。各事業所には広報委員会が設置され、施設毎に広報誌を作成すると、利用者の家族が施設での様子を知ることができるよう、ホームページで随時公開しています。

 

 理事であり施設長でもある小野寺敏さんは「人口減少の波を身近に感じる今、自分たちにできることは何なのか、改めて考える時期なのだと思う」と語り、熊谷さんも「制度の狭間で困っている人が増えていく。そうした方々に手を差し伸べることが使命だと思う」と、今後の法人の在り方を見据えます。

 

 創設時の目的を追求し、経営改革にも尽力する同法人は、当地域における福祉業界の未来を切り拓く存在です。

 

Q.活動におけるこだわり、モットーは?

理事長

理事長:熊谷 茂(くまがい しげる)さん

くまがい しげる

熊谷 茂さん

東北福祉大学を卒業し、その後は福祉業界一筋。福祉業界全体の改革を目指し、毎年、福祉事業者向けの研修(海外視察含む)を企画。講演依頼にも対応します。

 

A.共に幸せを

 

理事

理事・小野寺 敏(おのでら さとし)さん

おのでら さとし

小野寺 敏さん

運転手から始まり、相談員や介護支援専門員など各種現場を経験後、前施設長退任に伴い、令和5年から関生園施設長として利用者・職員に寄り添います。 

 

A.困っている人に手を差し伸べる

 


photo gallery

デンマークで職員研修

団体紹介① 北欧の福祉施設視察研修に参加した時の様子の写真

北欧の福祉施設視察研修には、県内外の福祉事業所から毎年約20名が参加。熊谷さんが企画・呼びかけ・引率をしています。

 

くるみんプラス認定

団体紹介③ 不妊治療と仕事の両立に取り組んだ事で、くるみん認定にプラス認定を付加された様子

令和7年、不妊治療と仕事の両立に積極的に取り組んだことで、「くるみん認定」にプラス認定を付加されました。

 

 

働き方改革アワード

団体紹介② いわて働き方改革AWARD2023で優秀賞を受賞した写真

『いわて働き方改革AwARD2023』で、優秀賞を受賞。岩手県知事より表彰をいただきました。

 

3つの特養老人ホーム

団体紹介④ 関生園・明生園・真生園の施設の写真

関生園・明生園・真生園の3施設。そのほかに、デイサービスセンターやグループホームなど、11事業を展開中。

 


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