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(idea 2025年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
現代表の父・東海林徳二郎さんは、兄と共にクリーニング店を開業するべく、「クリーニング士」資格取得のため山形県で修行し、一関市大町にて「鈴仲オートランドリー」を開業(現在は閉業)。その後、徳二郎さんは独立、現住所に「クリーニング あづまドライ」を開業(昭和54年)する。現代表の訓(さとし)さんは二代目で、単なる洗濯や染み抜きだけでない「付加価値」をつけた、新しいサービスも展開する。
「クリーニングあづまドライ」は、現代表の父・東海林徳二郎さんが創業したお店。創業当時小学3年生だった訓さん(現代表)にとって、家のそばにあった小さなお店から仕事の匂いが漂ってくるのは、「当たり前の日常」でした。しかし、訓さんはまっすぐ家業の道へと進んだわけではなく……。むしろ「クリーニング店を継ぎたくない」という思いが強くありました。
仙台の建築設備系専門学校で学んだ後、上京してビルやマンション管理を請け負う会社に就職。当時のバブル景気で活気ある社会を経験したものの、景気に陰りが見え始めると、次の就職先を考えざるを得ず、徳二郎さんも修行したクリーニング店(山形県)で、厳しい修行に耐えながらクリーニング士の資格を取得。「資格を取得したものの生活が厳しかったため、好きだった車整備の職に就いた(山形県内)のですが、なぜか7年間ずっと営業を担当しました。思い描いていた仕事とは違いましたが、山形全域を任されることになり、結果、土地勘や人脈を広げることにつながりました」と振り返る訓さん。
営業の仕事も順調の中、家業を継ぐかどうかについては迷いもありました。徳二郎さんからは「俺らの代で終わりでもいい」と言われましたが、訓さんにとっては「『やれ』と言われているようにも感じた」そうで、平成12年、正式に事業を継ぐことを決意しました。
「父の時代は、スーツやコートが高価で、日常的に家庭で洗えるものではなく、クリーニング店は人々の生活に欠かせない存在だった」と訓さんが語るように、当時は「服を洗う」という需要が高くビジネスが成り立っていましたが、平成10年をピーク※1に、クリーニング業界は縮小へと向かいます。
※1 厚生労働省(2018)『クリーニング業の実態と経営改善の方策』より。
ファストファッションの台頭や家庭用洗濯機の普及、スーツや衣料品の低価格化によって、かつてのような需要が低迷していきました。
平成26年、両親を相次いで亡くしてしまった訓さんですが、経営の自由度が増したことをきっかけに、組合※2へ加盟。
※2 岩手県クリーニング生活衛生同業組合。
組合では「衣類の色を補正する技術」「リペア(修繕)」「高級靴のクリーニング」といった新しいサービスを学ぶことができ、その技術の習得によって、売上単価の減少に歯止めをかけ、大きな転機となりました。また、同店では現代に合わせた新しい挑戦も。子ども靴は履き替えのペースが早いため、中古の靴を回収し、クリーニングした後に販売、その収益を寄付するという「くつくつプロジェクト」に賛同して活動しています。
「初めはやりたくなかった仕事」と笑いますが、今では「クリーニング士」としての誇りを胸にする訓さん。「衣類を長く大切に使うことは、ビジネスを超えて、これからの時代に求められる」と語り、新しい価値創造に挑み続けています。
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