(idea 2026年1月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

二言三言 191・192/103,662

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地道な積み重ねが「命」を守る~高齢化・人口減でも、安心を手放さない~

左:佐藤智明会長 右:小岩広美事務局長

佐藤 智明(さとう としあき)

花泉町永井出身で、平成14年から永井分会長を務めており、令和元年から同協会の会長も兼務。約25年間、地域の交通安全に携わっている。

 

小岩 広美(こいわ ひろみ)

同協会事務局長。令和3年から務めており、協会運営を統括する傍ら、交通安全運動の現場の最前線で精力的に活動している。

 


 

 

対談者 一般社団法人岩手県交通安全協会一関支部 一関地区交通安全協会

       会長 佐藤智明さん/事務局長 小岩広美さん

 

 

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

 

 


 

前号では、交通事故を減少させ、安全で快適な交通社会の実現を目指し活動する「一般社団法人岩手県交通安全協会(以下、県安協)」の東磐井支部「岩手県東磐井地区交通安全協会」にお話を伺い、組織体制や活動内容、各分会の役割などについてご紹介しました。今回は、県安協の一関支部「一関地区交通安全協会」に、管内の分会が直面している「担い手不足」の実情などについて伺いました。

 

 

小野寺 前号にて、貴協会と同じく地区安全協会(以下、地区安協)の、「岩手県東磐井地区交通安全協会」にお話を伺いました。地区安協の一関支部である貴協会の管轄地域はどこでしょうか?

 

佐藤 岩手県一関警察署の管轄地域と同様に、一関市(千厩町、大東町、東山町、川崎町、室根町、藤沢町を除く)と、平泉町です。当支部管内は、活動休止の10分会も含めて、53の分会が現存しています。ここ10年ほどで解散した分会もありますね(下図参照)。

一関地区交通安全協会を中心とした、関連期間組織図

 ※1 主な活動は、一関地区交通安全協会の業務(分会交通安全コンクール/共助会費・助成金の集約・配分業務 等)、(一社)岩手県交通安全協会一関支部の業務(チャイルドシートの無料貸出(会員へのサービス事業)/交通安全功労者・優良運転者等表彰上申事務 等)、岩手県一関警察署からの委託業務(自動車保管場所調査 等)、(一社)岩手県自家用自動車協会一関支部の業務(自動車登録業務等/自動車共済事務)。

  

※2 旧小学校区(≒市民センターや協働体エリア)の規模で構成された分会や、行政区レベルで構成された分会など、様々ある。分会の上に支会(山目支会、花泉支会)がある地域も。

 

小野寺 なるほど。予想以上に解散や活動休止の分会が多いですね……。

 

佐藤 はい、厳しい現状にありますね。一度「解散」の形になると、復活させるのが難しくなってしまうため、今活動していない地域のほとんどは「活動休止」という状態にし、有志が現れた場合、いつでも再開できるようにしているようです。

  

小野寺 分会が解散や活動休止に至った、主な理由は何でしょうか?

 

小岩 「次に役を受けてくれる人がいない」という理由が多いですね。ある分会では、やる気がある会長さんがいて活発に活動されていたけれど、その会長さんが辞める時、次に受けてくれる方が見つからず、やむを得ずその分会は活動休止に……というケースもありました。会計業務が発生したり、会費を集めなきゃいけなかったり、段々としんどくなってくるのだと思います。

 

小野寺 なるほど。いくつかの地域では、解散等の手段をとらず、交通安全協会の役割と防犯協会の役割を1つの団体に集約して運営していくことにした分会もあるようですが、それは特に問題はないのでしょうか?

 

小岩 はい、規約上問題ないです。団体の名称や業務も、各地域それぞれで決めて活動されているようですね。

 

小野寺 活動休止してしまうよりは、なるべく機能を残す方向に動けると理想的ですよね。ところで、分会では、春や秋などに交通安全運動を行っている地域もあるかと思うのですが、活動休止している地域では、そのような運動が行われていない状況ですか?

 

小岩 そうですね、毎朝街頭で交通安全運動がされている地域もあれば、そうではない地域もあります。やはり、交通安全運動が活発な地域では、事故が少ない傾向にありますね。

 

小野寺 やはりそうなんですね。活動休止している分会に、また再開して欲しいという気持ちはありますか?

 

小岩 十分にあるんですが、活動はボランティアのため、こちらから働きかけや強制はできません。役員だった方の高齢化もあって活動が休止しているところもありますし、難しいと感じます。

 

小野寺 残念ですが、そうですよね。役のなり手がいない背景に、「交通安全の大切さ」を軽く考えている人が多いという要因もあるのではと思います。車の性能も上がっており、車がある生活も当たり前な社会になり、「慣れ」が生じてしまっているように感じますね。

 

小岩 岩手県一関警察署の署長から「交通安全に特効薬はない。地道に少しずつ積み重ねていくしかない」というお話をいつも伺っています。

 

小野寺 車の運転に対する安心安全を皆が常に意識していられたら良いのですが、実際はそうではないので、貴協会のように交通安全を推進する組織が必要になるんですよね。会長さんは特に、「乗り物の歴史」を見て来られたかと思いますが、会長さんから見て、いつの時代が一番危なかったと感じますか?

 

佐藤 ずっと危ないですね。いつの時代も変わらず、交通安全の推進が必要です。車の運転は、不確かな「人の判断」に任せられている部分ですから。

 

小野寺 もし、貴協会の存在が無くなってしまったら、地域はどうなると思いますか?

 

佐藤 地域によっては無くなったことに気づかない人も多いでしょうし、私たちの活動が無くなることによって、交通事故が増えるのか減るのかは、分かりません。しかし、交通安全への意識が徐々に薄れていくのは間違いないと思います。

 

小野寺 そうですね。解散または活動休止する分会があることを考えると、交通安全に対する優先順位が低く、地域住民の関心が薄いのではないでしょうか。

 

小岩 「自分が事故を起こすかもしれない」と思って運転してる人は、そう多くはいないと思います。当事者になってみないとその重大さは分からないものです。地味な活動ですが、積み重ねで意識してもらいたい。

 

小野寺 行きつくところは「一人一人の交通安全の意識」ですよね。ただ、その意識の推進を行う分会も、高齢化や人口減少が進む現在、スムーズに活動することが難しくなっています。地域協働体などと協力し合って、機能を包括する動きにし、地域全体で交通安全に取り組めるようになっていければと思います。

  


 

 一関地区交通安全協会

  電話 0191-23-5264