毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。
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第81話(idea 2025年12月号掲載)
今月のテーマ
「一関スポーツ推進計画(令和3年度~令和7年度)」は、「『誰もがスポーツを楽しみ 健康でいきいきとした生活の実現』を基本理念とし、市民一人ひとりがスポーツを日常の生活に取り入れ、地域と関わりを持ちながらいきいきとした毎日を送ることを目指して展開する各種スポーツ施策を示すもの(市HPより引用)」として、定められています。
5年前、計画の見直しで携わった際の市民ワークショップでは、「市民スポーツの競技レベルを高めるのか?健康増進のためのスポーツ人口を増やすのか?」という旨の話し合いが白熱していた記憶があるのですが、コロナ禍を挟んだ今年度、状況は一変。学校統合、部活動の地域移行、少子化や高齢化による競技人口の減少、地域レベルのスポーツ行事の休止、スポーツ施設の老朽化……など、課題が山積する分野となりました。
そのような状況のなか開催した、今年度の市民ワークショップ(6月・7月、市内3か所で開催)では、「①生涯通じてのスポーツ活動をどうしていくか?」「②スポーツ団体の育成・支援」「③スポーツ施設」の3つのテーマで話し合いを行いました。どの会場でも「部活動の地域移行と参加」に関する話題が中心になったため、その内容について紐解いていきます。
※部活動の地域移行については、本誌2024年4月号「二言三言(「『学校』と『地域』の『これから』)」参照。
部活動の地域移行により、スポーツクラブが立ち上がったり、競技種目が増えたり、文化活動のクラブも多くなってきているのですが、その運営は、大変厳しいものがあります。「クラブ」を運営するためには、会場の確保、指導者の確保、保険などの経費がかかるからです。ピアノや英会話、塾、スイミングには月謝を払ってでも行かせるのに対して、「学校の部活動ではなく、月謝を払ってスポーツクラブに行かせるのは抵抗がある」という親の声が。それに対して、「スイミングなどと運営にかかる費用は同じなのに、なぜスポーツクラブへの支出は渋るのか?」というクラブチームの声も。
状況から推測するに、‘固定観念が影響している’のではないでしょうか?昭和の代表的な習い事には、そろばん、習字、ピアノ、スイミングがあり、令和でも人気なほど定着しており、いつの間にか、‘お金をかけて習いに行く’認識になっています。しかし、サッカーやバスケなどのスポーツは、放課後や休日に子どもたちが集まって自由にやっていたり、習うにしても地域内のスポ少(非営利の社会教育団体)程度なので、‘お金をかけて習いに行く‘という認識は薄かったように思います。クラブチームも少し前の時代からありましたが、当時はプロ志向の子どもたちが行く傾向が強く、本人の意思もありますが、多くは親が熱心なパターン。どこにも所属していない子どもたちは、中学生になると何かしらの部活動に所属し、技術を高め合って楽しんでいました。
それが、学校が担う部活動ではなくなり、地域移行というかたちで学校の外に出されると、「お金を払ってまでは……」となってしまう家庭が少なからずあるようです。部活動を学校が担っていた際も、それなりに経費負担はあったはずですが、会場や指導者は学校内で用意されていたため、用具や備品が実費負担であっても安価であったことは間違いありません。
また、従来の部活動は学校の看板を背負って大会等に出場するため、学校や地域への所属意識や愛着が湧く機会であったと考えられます。その時代の者からすると、「クラブチームで大会に出るということは、競技に勝つか負けるかのこだわりだけになってしまうのでは?」と思ってしまい、切ないものです。
少子化が、様々なところに時代の転換を強いている状況ですが、子どもたちの数が少ないという理由で、経験や挑戦する機会を諦めさせるよりは、何かしらの工夫を凝らしてあげることの方が有効なのではないでしょうか。
上述の金銭的負担だけでなく、地域移行によって「学校から練習場所までどうやって移動するのか」という、送迎の課題も発生しています。実際、部活動を選ぶ際に「親の負担の少なさ」を重視する家庭も少なくないと聞きます。今は家族の協力で何とかできている状況でも、地域移行がさらに進むと、どれほどの家庭が対応できるものなのか……。未だに解決策が見えないままです。
これまでの当たり前が通用しない時代です。当事者世代だけでなく、子育てを卒業した世代にも、今の状況を知っていただき、経験からなる固定観念を切り替え、柔軟に対応する力が求められています。
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休館日
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