(idea 2017年4月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

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居場所と交流の場づくりが地域を変える

対談者 一関地区まちづくり推進協議会 コミュニティ検討部会 会長 若山義典さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

で子育てができる地域へ

【小野寺】今回は、一関地区まちづくり推進協議会のコミュニティ検討部会長の若山義典さんに、地域協働体として初めての事業で、地域づくり計画の数ある事業の中から「こどもしょくどう」に絞って事業を行った狙いについて伺っていきます。

一関地区まちづくり推進協議会 コミュニティ検討部会 会長 若山義典さん

 

【若 山】私は、「こどもしょくどう」を行うにあたり、子ども達へ「君たちは思った通りにできるんだから、前を向いて夢に向かって生きてほしい」というメッセージを送りたかったんですよ。私は20代の頃に生活苦でどん底を経験したことがあったんですが、そこから「マイナスの考え方でいるからマイナスの人生になる。考え方を変えれば人生が変わるし、過去は関係ないんだ」ということを学んだんですよね。今回の「こどもしょくどう」は、色々とマスコミに取り上げられて「成功だ、成

功だ」って言われるけど、私の中では一切成功なんていう気持ちはないんですよ。 

 

【小野寺】まだ始まったばかりですからね。あとはこれをどう広げていくかということでしょうし。

 

【若 山】「こどもしょくどう」を行ってみて、子ども達の親が場所を必要としていたことがわかりましたね。今回は色々な人が関わってくれて、その人達のつながりがパワーを大きくすることを実感しました。そのため、地域のボランティアや高校生さんへ協力をお願いし、人をよりよくしていけば、「こどもしょくどう」の本当の目的である「地域をつくる」に行きつくのかな。私は10年後、一関市がどう変わっているかを想像します。人口は減ってるけど世帯数は増えているし、人のつながりがないからどんどん孤立していってる。横のつながりができて初めて地域だと思うんですよ。私たちの活動は、人のため地域のためと言うけど、最終的にはいずれ自分に返ってくるんだよね。

 

【小野寺】地域づくりって、結局は、住んでいる自分に返ってきますからね。

 

【若 山】そうそう。人がよい地域には人が集まってくるので、人口減少にもストップがかけられるし。地域がしっかりしていれば、家族も子ども達もしっかりできて「じゃあ子どもを育てようか」と出生率が上がってきますし。地域にある色々な問題を一つひとつ解決していき、住民が一緒になって地域に関わるようになれば、一関は変わると思うんですよね。

 

【小野寺】一関地区は、JRの一ノ関駅があり商店街があり、住民も多く恵まれた環境です。商店街があるので、人の往来はあるけど、生活のためのコミュニティの希薄化が課題に挙げられます。「こどもしょくどう」という地域で子育てしようという舞台をつくることで、日頃関わりのない方が「こどもしょくどう」を通して、人のつながりや分野のつながりができていくだろうし、この考えが、部会をいくつも作らず、「こどもしょくどう」一つに絞ったのは、地域づくりは縦割りではできないという背景があったのだと思います。また、一般的な概念の子供食堂は、対象者を絞ったりしていますが、今回は、絞らず誰でも参加できるように広げたのもポイントだと感じています。

 

こどもしょくどうはたくさんの親子で賑わいました

 

【若 山】なのでこれからもっと色々な人を巻き込みながら続けていきたいと思っています。これを継続していくにあたり、大事なのは場所ではなくやはり人なんですよ。協力してくれるボランティアも必要になってきますし、その人と人を線で結び、色々な線を張り巡らせていきたい。そして、こどもしょくどうのようなものを一関地区以外の地域にも広げ、まちづくりにしていきたいですね。

 

 

一関の10年後を見据えて

【若 山】もう一つ、私が重視している視点は学校関係なんですよ。私の中で学校と地域は同じ目線で同じ問題を共有できる関係にならないとダメだと思っていて。私は学校評議員をやっている中で、学校の現状とか様子とか、大変な思いをしている話を聞いていますが、学校ではそういうことに対応する余裕がなくなってきているようです。そうなると、どこが関わればいいのかというと、地域なんですよね。

 

【小野寺】学校だけではできない分を地域で補完してあげるんですね。

 

【若 山】大変だからやらないんじゃなく、大変だからこそやらなきゃなって。地域で子どもを育てれば大人になってから地域に戻ってくるし、地域も変えていけると思うんですよ。

 

【小野寺】そういう風に関わってきた子ども達というのは、おのずとそういう人材になっていきますからね。

 

【若 山】そういう意味では、今は地域は地域であるけど地域じゃないというか・・・。

 

【小野寺】居住地であってコミュニティじゃないということですよね。

 

【若 山】これから求められるのは、コミュニティですね。

 

【小野寺】そうですね。だから、ご近所の底力とか、「つながっている力」が試されるようになっていくと思います。

 

【若 山】そうそう、それがきちんと機能していけば「ここの地域すごくいいよね」って思いますよね。

 

【小野寺】人が出てくれば「あれやろう」「これやろう」と色々なことができるわけですからね。その色々な取り組みが課題を少なくして、住みやすいし住みたい地域になりますよね。「こどもしょくどう」は、時代の流れにちょうど合ったものができたと思います。よく言うじゃないですか、「昔やってダメだった」とか「前に失敗したから」とか。でも、昔やってダメだったかもしれないけど、今の時代なら合うかもしれないし、昔やってダメだったというのは通用しないんですよ。

 

【若 山】過去は過去でしょう。昔を振り返ってどうするの?って。大切なのは「今どうしたいのか」ですよ。今は6人に1人が貧困で、食事をとってない子もいるみたいだという話から「こどもしょくどう」になったんですが、居場所ができれば、色々な人が集まることで様々な化学反応が起きて、人とのつながりができて。「地域づくりは居場所づくり」かなと思います。あちこちに居場所があれば寂しい思いもしないし、心も救われるし。だから「こどもしょくどう」は、居場所と交流の場であり、食事を通してのコミュニケーションの場ですよ。

 それを継続するには仕組みづくり・人づくりが重要ですよね。しっかり仕組みを作って、事業が定着して、若者も一緒にやっていけば、10年後、一関は変わっているかもしれない。そして、やるならば、高齢者にとっても子どもにとっても皆が笑顔になるまちづくりだよね。皆が住みやすい地域をつくっていきたいし、やるにあたっては自分が楽しまなきゃね。

 

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【一関地区まちづくり推進協議会】

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