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有限会社二興

(idea 2025年8月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 

基本情報

 「鉄・非鉄スクラップ」の収集・加工処理・販売を中核事業とし、事故車や中古車を適正に解体後、再利用可能な部品の選別から、リサイクル部品パーツの販売までを一貫して行う。海外向け自動車部品(農機具部品等を含む)の収集・販売も展開し、グローバルな視点での資源循環を促進。全国規模で中古パーツの在庫を共有するため、平成元年、同業社20社と「自動車中古部品販売システムオートパーツ」を発足(本部を一関市内に設置)。平成4年にはオンライン化を実現し、平成8年、「株式会社システムオートパーツ」を設立。約70社が参加する全国組織へと成長させる(現在の本社は仙台市)。

 

 

限りある資源を未来へ繋ぐ、挑戦と革新の軌跡

「限りある資源」への目覚めと独立

 

 一関市花泉町に拠点を置く有限会社二興は、創業から半世紀近くにわたり、「限りある資源」の有効活用と循環型社会の実現に貢献し続けている総合リサイクル企業です。

 

 創業者であり現代表取締役の二瓶達夫さんは、神奈川県横浜市に両親がいたものの、学童期を宮城県で過ごしました。中学卒業後は、養育先であった同県内の土建業で1年間奉公し、日本鋼管株式会社(現JFEスチールの一部門)に入社。ここでの経験を機に「限りある資源」の重要性を痛感。戦後の高度経済成長期に「再生資源が将来的に求められる」と予見し、昭和51年、21歳の時、父方の伯父を頼りに花泉町で創業しました。

 

 「創業当時は、鉄・非鉄くずのほか古紙など、一人で営業から集荷まで奔走しました。鉄くず相場の変動による経営危機も経験しましたが、周囲の支えで乗り越え、事業を拡大してきました」と二瓶さん。

 

 現在の事業は、「鉄・非鉄スクラップの収集、加工処理、販売」「自動車(事故車・中古車)の解体と部品パーツの販売」「海外向け車部品の収集・販売」の3本柱で展開しています。

 

 

革新的な中古パーツ在庫共有システムの構築

 

 鉄くず(鉄スクラップ)事業の相場変動リスクを軽減するため、昭和60年に自動車リサイクル事業に着目した二瓶さん。しかし、地方での自動車部品販売の限界を感じ、インターネットが普及していなかった昭和60年代後半という、その時代としては画期的な「全国規模での中古パーツ在庫共有システム(オンライン)」の構築を決意。関係機関への粘り強い交渉、自社の拠点設置、そして全国の同業者への直接の呼びかけを重ね、株式会社システムオートパーツ(現代表 村上統治氏)を立ち上げました。このシステムは、まさに現代の自動車リサイクル業界における流通の礎を築いた革新的な取り組みとなったのです。

 

 二瓶さんが一人で始めたリサイクル業は、現在38名の雇用を生み出し、地域経済に大きく貢献しています。

 

 「21歳の若造を受け入れ、事業を理解し協力してくれた地域への深い感謝を忘れず、今後も安心安全な事業運営を行うとともに、雇用の場として花泉で頑張っていきたい」と二瓶さん。

 

 同社は、事業拡大と信頼のため、各種許認可を積極的に取得。平成12年に宮城県、平成13年に岩手県で「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得し、平成16年には「自動車リサイクル法関連許可」を取得。平成17年には自動車解体・破砕工場(岩手ニコーカーリサイクルセンター)を稼働させるなど、法規制対応と設備投資を着実に進めています。

 

 全世界で環境問題が喫緊の課題となる中、同社は3R※を強力に推進。高品質なリサイクルパーツ提供を通じ、持続可能な社会実現に貢献し続けています。

※ 資源を無駄に使わず廃棄物を少なくする「Reduce(リデュース)」、繰り返し使用する「Reuse(リユース)」、廃棄物を原材料やエネルギー源として有効に使う「Recycle(リサイクル)」の、3つの「R」のこと。

 

 

企業紹介① 代表取締役の二瓶達夫さん

代表取締役の二瓶達夫さん。

 

企業紹介② 有限会社二興の事務所外観

有限会社二興の事務所外観。

 

企業紹介③ 部品パーツ等を保管する倉庫

部品パーツ等を保管する倉庫。

 


DATA

 

有限会社二興

〒029-3101 一関市花泉町林の沢27-56

TEL 0191-82-1818

FAX 0191-36-1010

 

岩手ニコーカーリサイクルセンター

TEL 0191-82-0020

FAX 0191-82-5633

HP http://www.kuruma-recycle.com/kaisha.html

 

 

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