本郷子ども神楽『天の岩戸開き』

 今年も藤沢町の藤勢寺にて薬師祭典が行われ、稚児行列や神楽奉納が行われました。

薬師祭典は、お釈迦様が生まれたとされる4月8日にちなんだ法要で、藤勢寺では毎年4月第1日曜日に開催されています。

 藤勢寺は、藤沢町最古の寺院で、嘉暦2年(1327)時宗総本山遊行四代呑海上人が開山されたと伝えられ、藤沢町名の由来ともなっているお寺です。

 

 

 さて、今年の薬師祭典でも本郷子ども神楽では『天の岩戸開き』を演舞しました。

本郷子ども神楽は、毎年冬休み期間中に本郷地区の子どもたちが天の岩戸開きや鶏舞を本郷神楽保存会からご指導いただき、藤沢町で開催される『藤沢町子ども郷土芸能発表会』でその成果を発表しています。年々児童が少なくなり今年は13人の参加でしたが、初めて神楽に触れる子も楽しく舞を学びながら、地域の郷土芸能に触れることができたようです。

 

我が家の娘たちは、保育園のころから神楽に親しむことができる環境にあったので、太鼓や鐘の音色そして歌い手の口調(好きなフレーズは『ぼだんしゃぐやぐ~ぼだんしゃぐやぐ~やっほー』のところ)もある程度マスターし、小学1年生のころから太鼓の隣で鐘叩きをしてきました。

 

 昨年もこの時期のスタッフリレートークに、この様子をお伝えしましたが今年もみなさまに知っていただきたくまとめました。

 

【三番叟】(本郷神楽保存会)

式六番で三番目に舞われる演目で、身体を大きく反らせたり、片足で飛び跳ねながら袖を振り回したりと、その舞は躍動感にあふれ、また、道化師のように滑稽な動作が、他の舞いには無い独特の魅力があります。本郷神楽では、舞手と胴取(太鼓をたたく人)のかけ合い言葉があってその内容も状況に合わせているので面白いです。

例えば今回は、

舞手:「今日はどうしてこんなに子どもや若者が多いのですか?」

胴取:「今日は薬師祭典でみんなが集まっているのです」

舞手:「そうですか、それではみなさんに幸福が訪れますように舞って差し上げましょう」みたいな会話をしていました。

 

 

【天の岩戸開き】(本郷子ども神楽)

 岩戸開舞は日本の有名な神話「天岩戸」が元になっている舞で「天津児屋根之(アマツコヤネノ)尊(ミコト)」「天太玉之(アメフトダマノ)尊(ミコト)」「思兼之(オモイカネノ)尊(ミコト)」「天細女之(アメノウズメノ)尊(ミコト)」「太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)」「天(アマ)照(テラス)大神(オオミカミ)」が主な登場人物。お話の内容は、ある程度全国的の同じような物語ですが、地域毎の伝承によって若干の違いはあるようです。

 

 子どもたちが教わっている天の岩戸開きは、「天照大神が弟の素戔之鳴之(スサノオウノ)尊(ミコト)の乱暴な行いに困り、それを戒めるために天の岩屋にお隠れになり、世の中は暗闇となってしまいました。そこで神々は天照大神を岩屋から迎え出すために天津児屋根之(アマツコヤネノ)尊(ミコト)の声がけで集まり、相談し合います。思兼之(オモイカネノ)尊(ミコト)は大変頭の良い神様で、他の神様に指示を出し綿密な作戦を決行します。天細女之(アメノウズメノ)尊(ミコト)は作戦通り岩戸の前で天女とともに大変魅力的な舞を踊ります。その舞を見ながら神々は大いにはやしたて、どんちゃん騒ぎで盛り上がりました。天照大神は『私が岩屋に隠れている間にこの賑やかな声は何でしょう?』と少しだけ岩を開きました。隙間のあいた岩を見て、天津児屋根之(アマツコヤネノ)尊(ミコト)は『今、隙間があいた。太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)よ、あなたのその力を使って一気に岩をこじ開けなさい』と指示すると太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)は見事に岩を押し開け天照大神は岩からお迎えすることができました。鶏舞は、天照大神が岩屋より出られ、世の中が眩しいほどの白夜になり神々だけでなく動物・鳥類・小さな虫までが驚き(喜び)迷い狂ったことを表現しています。」という内容になっています。

 それでは、写真でその物語を振り返ってみましょう。

(画像がぼやけていてごめんなさい)

 

天津児屋根之(アマツコヤネノ)尊(ミコト)・・・我が家の次女

 

天太玉之(アメフトダマノ)尊(ミコト)

 

思兼之(オモイカネノ)尊(ミコト)

 

天細女之(アメノウズメノ)尊(ミコト)

 

太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)

 

天細女之(アメノウズメノ)尊(ミコト)と天女の舞

 

天津児屋根之(アマツコヤネノ)尊(ミコト)、天照大神からの問いに答える

 

太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)が岩屋を押し開ける

 

太刀柄男之(タチカラオノ)尊(ミコト)が岩屋を押し開ける

 

「さあ行きましょう」と天細女之尊が天照大神をサポート

 

天照大神が通るので神々は伏せる

 

神々が「世の中がまた平和になってよかった」と最後に踊る

 

 最後に、本郷神楽保存会による「玉取姫物語」。この物語は、藤勢寺本堂の欄間にある「玉取物語」の彫刻を題材に2012年同保存会が神楽化したものです。 

 一昨年は夫(藤原鎌足の子 不比等)のために龍神と戦う妻(海女さん)の話で夫婦愛について涙をそそられましたが、今年はその二人の子と(龍神と戦って)亡くなったお母さん(不比等の妻(海女さん))の話で親子愛・・・やっぱり泣いちゃいました。

 残念ながら見入っていたので、写真は撮れず・・・

 

 私たちが子どもの時には本郷地区も人数が多く、一つの役に2人をつけて前半と後半で役を分けて演じたり、鶏舞のみ踊る児童が十数人いたりと舞台からもはみ出る勢いでした。(実際に舞台がいっぱいになるので鶏舞は舞台下で踊ったことも)また「あたし絶対うずめ!」「オレ絶対タチカラ~」など役にも人気があり小学校5年生になると「自分は来年、何役がやりたい」と憧れることがあったものです。残念ながら現在はそもそも人がいないだけではなく、「送り迎えが大変なので参加しません」「興味がないのでやりません」などなどの家庭の都合もあるようで、結果、参加できる児童が年々減ってきているのが現状のようです。色んな準備物があって送迎の時間もあって面倒くさい、そもそも神楽に興味がない・・・「できない・しない」理由はいろいろあるかもしれまあせんが、参加している子どもたちは「練習を頑張ること、大人(指導者)たちに厳しく指導されること(いい意味での)、練習の成果を発表する緊張感、一緒に食べるおにぎりやミカン、プリンの味」を子どもたちは大人になっても忘れることはなでしょうね。私もそうですから。

 

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