NPO法人わかば会

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NPO法人わかば会 下宿 集合写真

基本情報

(idea2019年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

平成21年に設立。「保健・医療・福祉の増進を図る活動」と、「保護観察委託(更生保護の自立準備ホームの運営)」という2本柱を中心に、福祉充実の社会に寄与することを目指しています。

◆住所:〒021-0041 一関市赤萩字清水110-4

◆TEL: 0191-25-4117

写真:下宿の利用者さんと集合写真

 

辛抱の木に花が咲く

わかば会の取り組み

 障がい者・高齢者の住みやすい暮らし支援と、農業などを通じた就業訓練支援、更生保護の一環である自立準備ホームの運営を行ってきたNPO法人わかば会(以下「同会」)は、この4月から新たな事業として、障がい者や高齢者を受け入れる下宿を開設し、その運営を行っています。今回は理事長の佐藤良明さんに、同会の取り組みやその背景、想いなどを伺いました。

佐藤さんは「会を立ち上げた背景には農福連携の考えがあった」といいます。金ヶ崎町の農業大学校を卒業した経歴を持つ佐藤さんは、農業を通じ障がい者などの就労や訓練に繋げようと、米や野菜作りを開始。

 

 また、「人間にとって衣食住の中でも、特に『食』と『住』は大事」と語る佐藤さんは、常にアンテナを高く張る中で、岩手県のホームページから自立準備ホーム(刑務所や少年院を出所し(刑務所や少年院を出所した人が自立できるまで一時的に住むことのできる民間の施設)の募集情報を見つけ、これに着目。更生保護という視点から受託を決意し、再犯防止や更生支援で社会貢献に取り組むことに。

 

 こうして2本柱で活動していた同会ですが、ほどなく待ち受けていたのは東日本大震災でした。風評被害などもあり、農福連携事業はわずかな期間で佐藤さん曰く「アウト」になったのだとか。

以降、自立準備ホーム事業のみを細々と(約10年で7人を受け入れ)継続する形の同会でしたが、知人からの「障がいを持つ高齢者の下宿先を引き受けてほしい」という依頼をきっかけに、今年の4月から一関で下宿を開設。調理師免許を持つ佐藤さんが朝夕の食事作りも担当し、現在5人の下宿人の『食』と『住』を支援しています。同会は他にも成年後見人制度やLGBT(性的少数者の総称)、納骨に困っている人など多様な『相談支援』という動きも見せ始めています。

 

立場を置き換えてみる

 同会の、障がい者、保護観察対象者への支援について佐藤さんは「誰だって好きで障がいを持っている訳ではないのに、世間の障がい者への見方は決してポジティブとは言えない。人間誰しも完全ではなく、強いところ、弱いところがあって当たり前で、障がいはその現れ方の1つにすぎない。もし自分が障がい者だったら、自分の家族が障がいを抱えていたら、と考えることができれば、障がい者がもっと住みやすい社会になるのではないか」「保護観察対象者にしても、多くの場合自ら罪を犯そうとした訳ではないし、1回(刑務所や少年院に)入って中の辛さが身に染み、もう戻りたくないと思っている。自立を支援することは本人の更生、社会復帰だけでなく、再犯防止という形で社会貢献にも繋がる。ハンドルを握るだけで加害者にも被害者にもなり得る時代だからこそ、更生につきまとう既存概念(漠然とした不安感など)の壁を乗り越えなければ」と、想像力を働かせて立場を置き換えて考える大切さを訴えます。

革靴を履いて現れた人物

 同会は、福祉をはじめとした様々な既存の制度の網から漏れ、制度の隙間で生きている人の相談支援の場でありたい、そして「辛抱の木に花が咲く(辛抱してやり続けるときっと実を結び綺麗な花を咲かせる)」という思いで、時に事業に、時に制度を含め多様な問題について『学ぶ』という形の活動に、取り組み続けています。

 取材の際、「子どもの頃鉄腕アトムを見て想像した未来がもう現実になっている」という佐藤さんが、誰もいないテーブルに声をかけると音楽が流れ始めました。「こうしたAIアシスタントを部屋に設置すれば、単に音楽だけではなく、独居老人などの安否確認などにも活用できる。AIアパートのような形に今の下宿もしていきたい。これからはAIの時代」と、ここでもアンテナの感度の高さを感じさせられます。

 そしてこんなエピソードも。ある日身なりを整え革靴を履き「お陰様で正社員として就職が決まりました」と報告に来た方がいたそうです。その時ビニールの靴を履いていた佐藤さんは「俺より良い靴履いてんじゃねーよ」と突っ込みながら笑顔で迎えました。そう、革靴を履いて現れたこの人物こそ、7人の中で最初に自立できた方に他なりません。

 

 

 

あなたの大事にしている言葉は?

理事長

佐藤良明 一関 わかば会

さとうよしあき

佐藤良明さん

 

「基本的」の「基」が「期」になっているのは、月(→ツキ→ラッキー)を付けて、「良い運がつく基本的人権」というニュアンスを込めているからだそうです。

職員

やまぐちひろこ

山口宏子さん

 

陰に日向に佐藤さんを支え、共に下宿を切り盛りする山口さん。なくてはならない存在です。


photo gallery

下宿

空き部屋の1室。テレビや照明器具をAIアシスタントで管理したり安否確認にも活用できるAI化も見据えています。

みんなで夕食

下宿では朝晩決まった時間にみんなで食事をいただきます。この日はテレビで高校野球を見ながら盛り上がっていました。

「まかないじいさん」

自らそう名乗る佐藤さんは調理師免許も持っており、下宿の下宿の朝晩の食事は佐藤さん自ら腕を振るいます。

様々な人の助けに

壁には「LGBT」「心理療法カウンセリング」「ハンディキャップ・高齢者」など、様々な対象者を受け入れるPOPが。


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