株式会社 デクノボンズ

代表取締役 小野寺 伸吾さん

 

基本情報

(idea 平成28年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

◆代表取締役:小野寺 伸吾さん

◆連絡先:〒029-0521

一関市大東町渋民字和田沢117-1

◆電 話:0191-75-3096

◆FAX:0191-75-2113

◆URL:http://koubouziabura.jp

ふるさとの昔ながらの食文化を後世につなぐ

姿を消した油屋と復活させたナタネの生産

 大東町は昔から畑で栽培したナタネで自家製油を作る家が多く、集落ごとに歩いて行ける範囲で油屋があったのだとか。ナタネ(菜種)はアブラナ科アブラナ属に属する数種類の植物の総称で、日本では江戸時代から貴重な燃料源として使用され、その後、採油用を中心に栽培が行われてきました。

 最盛期の昭和32年には286,200tの生産があり、絞った油粕は良質な肥料となるため捨てるところがなく、ナタネが成長すると私たちに春の訪れを知らせてくれる菜の花となり鮮やかな黄色の花を咲かせます。

 現在は、観賞用や旬食材としての菜の花が目立ちますが、株式会社デクノボンズでは昔ながらの工程で純地元産のナタネ油を製造・販売しているのです。

 「ずいぶん前の話になりますが、大東町で一時期ナタネの生産がゼロになったことがあるんですよ。せっかく地域に資源はあるのに残念なことです。何とかナタネ油を復活させ地元を盛り上げたい。そんなことを地域の人たちと考え、まずは菜種の生産から始めました」と語る小野寺さん。ピーク時は100名を超える方々がその生産に携わり、地域の活性化を目指しました。「現在は生産者が少なくなりましたが、今年も約10tのナタネが地元生産されています」と続けます。

 

出会いが生んだ工房地あぶら

 同社取締役の小野寺さんは、県外の大学を卒業後、「いつかは地元に帰ろう」そんな思いを募らせながらもそのまま県外で就職し、平成16年、父親の農業を継ぐためUターン。「すでに家庭もあったので、農業だけでの収入に不安がありました」と語る小野寺さん。その頃、旧大東町で“四季成り”という品種のイチゴ栽培研修があり「これは需要がありそうだ」と着目。さっそくその研修に参加し、北部農業技術開発センターに足を運ぶようになったのが運命の出会いとなります。

 「いろいろな方が出入りする開発センターなので、ナタネ油の現状や地域の課題など学びや刺激がたくさんありました」と振り返る小野寺さん。「当時ナタネ生産の復活はできましたが、油絞りは県外に委託。『地元のものは地元で仕上げたい』そんな思いの有志で油搾りの工房をつくろうという話が持ち上がり『若いんだから、やってみないか?』と言われ、当初は農閑期の作業として油搾りを引き受けました」と続けます。

 平成15年、有志5名で任意団体「工房地あぶら」を立ち上げたのは、小野寺さん25歳の時でした。

 その後、需要が高まり、ナタネの生産数も増えたため、年中の専属作業となり、平成21年4月に法人化し株式会社デクノボンズを設立しました。

 

消費者も生産者も地域のみんなを笑顔に

「ナタネの栽培で難しいところは『連作できない』こと。なので、一度ナタネを栽培したところでは翌年からは麦などアブラナ科以外の作物を植えて4年輪作します。そうすることでナタネは病気にかからなくなり品質の良いものとなります。でも、それでは生産する農家さんが大変ですよね。ナタネの収穫ができないわけですから。そこで、今私が挑戦しているのが『ヒマワリ』です」少年のように小野寺さんの笑顔が弾けます。「ヒマワリはアブラナ科ではありませんし、油の原料にも適します。そして、菜の花のように色鮮やかな黄色の花を咲かせます。同じ畑を利用することで生産者の苦労も減りますし、いたるところで花を楽しむことができます」と続けます。

「今はまだ試験段階ですが、近未来的にヒマワリ油を実現し誰もが笑顔になれるようにしたい」と最後に力強く語って頂きました。

室根山に映える黄色の菜の花は、古き時代から私たちに食材の恵みを与えてくれています。

 

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