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リバークラブ川崎

(idea 2025年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 

リバークラブ川崎 「令和6年に寄贈した際の記念写真」

令和6年に寄贈した際の記念写真(左が代表の小山さん)。

 

基本情報

 水害の復旧支援を機に、チャリティーバザーの収益で一関市川崎図書館に児童書などの寄贈を行う。結成から20年以上経ち、会員は減少、現在は代表の小山麻紀さんを中心に活動を継続している。

 

◆TEL:090-2364-3586(代表・小山)

 

 

子どもたちの笑顔のために

水害からの復旧支援をきっかけに

 

 平成14年7月、台風6号が岩手県内全域に大雨をもたらしました。当市域でもカスリン台風、アイオン台風に次ぐ水害が発生。砂鉄川流域の旧東山町、旧川崎町でも甚大な被害をもたらし、川崎における743戸の床上浸水、222戸の床下浸水という被害の中には、開館してわずか5年の図書館(現市立川崎図書館)も含まれていました。 

 

 被害を受け、翌年「いわて生活協同組合」の川崎在住組合員が、水害の復旧ボランティアとして活動しようとチームを結成。チャリティーバザーを行い、当時の川崎村に支援金を寄付したことが「リバークラブ川崎」に発展しました。

 

 図書館の復旧支援に貢献したことが縁となり、平成16年からは児童書などの寄贈を始めます。川崎地域の住民を中心に、4名前後の会員で活動してきましたが、家のことや子育て、仕事の忙しさなどを理由に会員が減少し、現在は代表の小山麻紀さんを中心に活動しています。「当初はメンバー同士で遊休品をもちより、バザーを行っていました」と複数人で活動していた当時を懐かしみます。

 

 

時代の変化も感じながら

 

 チャリティーバザーは、川崎公民館(現一関市川崎市民センター)が開催する「川崎文化祭」に出展する形で実施。バザーの収益を予算とし、「川崎図書館に予算内で寄贈希望リストを作成していただき、それを寄贈する流れで現在まで続いています」と、図書館との連携体制が構築されています。

 

 コロナ禍などで活動できない年もありましたが、令和元年からの6年間だけでも、202冊57万円相当の図書と、おもちゃやテント等の備品約14万円相当を寄贈。多くの子どもたちに笑顔を届けてきた同会ですが、最近になり新たな悩みが……。

 

 「いただいたけれども家では使用しないモノなどを持ち寄るのがバザーだと思うのですが、昔と違い、お引き出物文化が少なくなってきたことで、モノをもらう機会が減りました」と、出品物が集まりにくくなったのだとか。それでも知人や活動の賛同者などから遊休品を提供してもらい、バザーの開催を続けています。

 

 時代の移り変わりを感じながら活動している同会ですが、令和5年は初めて「せんまや夜市」にてバザーを開催しました。会場としたのは、小山さんの父の実家である「村権商店」。同店は数年前に閉店しましたが、長年店を守ってきた小山さんの叔母から「お店を定期的に開けたい」という思いを聞いたことがきっかけでした。せんまや夜市の際に店を開けることができないかと考えた小山さんは、夜市の実行委員会に相談し、リバークラブ川崎として、同店を会場にバザーを開催したのです。 

 

 「せんまや夜市のにぎやかな雰囲気もあり、当日は様々な人に利用していただいた。叔母もお店を開けることができて喜んでいた」と、笑顔を見せる小山さん。「普段やっている川崎でのバザーとは雰囲気も異なり、刺激になりました。この経験を次に活かしたい」と続けます。

 

 この時の収入では、大型絵本と紙芝居の計7冊(約6万円相当)を購入し、翌年7月に同館に寄贈。特に大型紙芝居は、子どもだけでなく、高齢者のお話会などでも喜ばれているそうです。

 

 

末永く続く活動を目指して

 

 川崎図書館では「木製おもちゃ」にも力を入れており、同会も積み木などの木製おもちゃを寄贈してきました。「子どもたちが楽しく図書館を利用するため、足を運んでもらうきっかけになれば」と、寄贈の背景を語る小山さんは「活字離れと言われている中で、図書館で子どもたちが喜び、楽しんでもらえることが活動のやりがいにつながっています」と続けます。

 

 バザーに訪れた人には、同会の活動を知り、共感を得られるよう丁寧に説明を行っており、「会員は減ってしまいましたが、活動を継続していきたい。一緒に活動してくれる仲間を募集しています」と、会員の募集も忘れません。

 

 今年度で発足から22年を数える同会。小山さんは「活動当初はこんなに長く続くなんて考えてもいなかった」と、感慨深そうに語ります。水害からの復旧支援が縁で生まれた活動は、本の寄贈を行うたびに当時の水害を語り継ぐことにもつながり、多方面で子どもたちの健全育成活動に寄与しています。

 

 

Q. 活動を続けていくための秘訣は?

代表

リバークラブ川崎 小山麻紀さん(代表)

おやま まき

小山 麻紀 さん 

同会結成時から代表を務めており、川崎在住の知人たちに小山さんが声をかけ、活動をスタートさせました。

 

 

A.ゆる~くやる

 

 

会員

リバークラブ川崎 菅原由美さん(会員)

すがわら ゆみ

菅原 由美  さん

川崎図書館ができた時から、子どもたちの図書館利用促進に貢献したいと思っており、会の結成当初から参加。千厩町在住。

 

 

A.みんなと楽しく!

 

 


photo gallery

寄贈したおもちゃ

団体紹介① 寄贈したおもちゃ

木製おもちゃに力を入れる川崎図書館では、おもちゃを目当てに来館する子どもも多く、同会も寄贈で貢献しています。

 

リクエストを反映して

団体紹介③ リクエストを反映して

令和6年に寄贈した本。川崎図書館に寄せられたリクエストもふまえ、図書館がリスト化し、寄贈しています。

 

 

交流も楽しみながら

団体紹介② 交流も楽しみながら

川崎文化祭でのバザーの様子(令和元年)。タオルや洋服、アクセサリーなど、様々なモノが並びます。掘り出し物もあるかも?

 

バザー前の準備

団体紹介④ バザー前の準備

バザーに出品する品物は通年を通して集めており、大事に保管。バザーの前には値札をつけたり、細かな作業があります。

 

 


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