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げいび藤美連

(idea 2025年6月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 

げいび藤美連 「奥州前沢よさこいFesta17」での演舞(令和6年7月14日)

「奥州前沢よさこいFesta17」での演舞(令和6年7月14日)

 

基本情報

 平成21年発足のよさこい団体。地元を盛り上げるため市内外のイベントに積極的に参加し、他のよさこい団体との繋がりも大切にしている。現在は16名で活動し、若手の育成に力を入れている。

 

※問い合わせは同会が運営するXアカウントへ

◆表示名:げいび藤美連(geibi-fujimiren)

◆ユーザー名:@fujimiren1003

◆URL:https://x.com/fujimiren1003

 

 

東山町の歴史文化を演舞に乗せて

自分たちの誇り

 

 公の場での初演舞は平成21年の「唐梅館絵巻※1」。「げいび藤美連」は、よさこいで地域活性化・地域貢献をしたいという想いから、一関市や近隣各地で活動しています。「チーム独自の踊り(オリジナル)である『武獅天爛』『紫伝ノ譜』にも、東山町の歴史と文化が散りばめられているんです」と語るのは、現代表の母で、踊り子の那須野静江さん。「演舞中に振られる旗は当団体の自慢なんです。原案は私がデザインしましたが、発足当初の半纏の絵柄を基本に、猊鼻渓、砂鉄川、藤の花で構成しています」と続けます。

 

 発足のきっかけは、一関市東山公民館(当時)が企画した平成21年の公民館事業。よさこいが好きな東山町の住民30人程度と公民館職員によって立ち上げられました。当初は、現代表の親子3人のように、ほとんどが家族全員での入会でしたが、親世代の高齢化や子どもたちの進学、送迎の難しさ等の理由により、徐々に会員数は減少。一時期は、現代表とその父(故人)による旗士と、踊り子である静江さん1人の、会員3名のみで活動していたことも。

 

 「イベント主催者から声がかかるのを待つだけでなく、近隣のイベント情報も収集していました。大きいイベントでは、踊り子1人のみの参加を受け付けないところもあったので、げいび藤美連を知ってもらうために、父と2人で主催者に『旗だけでも振らせてもらえませんか』とお願いし参加したこともある」と、現代表の那須野歩さんは当時を振り返り、「会員数の減少により、活動休止を余儀なくされたよさこい団体も多いですが、私達は『げいび藤美連を続けていく』という気持ちだけでやってきました。『他の団体にはできないことをやってやろう』と思ったんです」と笑顔を見せます。

 

 

※1 天正18年(1590年)に東山町の「唐梅館(長坂城)」で行われた軍議(豊臣秀吉が通達した小田原参陣に従うか否か)の様子を再現したイベント。

 

 

「演の下」の力持ち

 

 よさこい団体の中には旗士がいない踊り子だけのチームもありますが、歩さんは旗士として中学2年生から活躍し、現在では「東北yosakoi旗振り連合 勇姿会※2」に加入、同会の岩手支部長も務めています。

 

 旗士は、旗がチームを「いかに映えさせるか」など、「踊り子を引き立たせる構成を考える」という重要な役割を担っており、歩さんとその父がげいび藤美連で初めて旗を振り始め、2人で試行錯誤してきた型が今に繋がっています。

 

 よさこいを始めた当初は踊り子をしていた歩さんが「旗は『どう見えるか』ということも大切ですが、『この時に振ると踊り子にぶつかっちゃう』とか、タイミングを合わせるのが難しいんです。踊り子への理解があると良いですね」と語るのに対し、静江さんは「お父さん(夫)は踊れなかったから、踊り子によく『邪魔だ』って怒られていたんです。我が家の語り草です!」と笑います。

 

 現在は歩さんと50代メンバーの2人で旗士を務め、同会の演舞を黒子として粋に引きたて、支えています。

 

※2 「東北yosakoi旗振り連合 勇姿会」は、秋田・岩手・山形・宮城の4つの支部で技術講習会を主催。街中でのイベントでは、電線・街灯・お店の看板等に旗をぶつけてしまう事故が多いため、旗士を守り旗士を理解してもらうために活動している。

 

 

「よさこい」を「楽しい時間」の選択肢に

 

 正会員16名のうち、12名は20代以下で、東山町外から練習に来ている会員は6名も。「仕事終わりの1時間くらいしか練習できないのに、それでも参加してくれる人もいます。嬉しかったのは、現在中学校2年生になる子たちが、当時小学校5年生のときに、唐梅舘絵巻での私たちの演舞を見て、会員になってくれたことです」と目を細める静江さん。

 

 20年前のよさこい団体は「スポ根」のような方針で活動するものが多くあったそうですが、だんだんと「楽しみたいからやる」という緩やかな形に切り替わってきているのだとか。

 

 「子どもたちの趣味嗜好も昔とは変わってきていて、ゲームなど楽しいことがいっぱいある中で、よさこいを選択してくれるかどうか(=今後存続できるかどうか)、どの団体も難しくなってくるのではと思っています。ですが、それでもよさこいをやりたいと当会を選択してくれた子たちにとって、楽しいと思える場所を作っていけたらいいな」と、これからを継いでいく若者を育てるため、その声に応えていきます。

 

 

Q. あなたにとって「よさこい」とは?

代表

げいび藤美連 那須野歩さん(代表)

なすの あゆむ

那須野 歩 さん 

発足当初から16年間所属し、令和6年4月から現職に。団体同士の連携も大事にしながら、現代に合わせて柔軟な活動に取り組んでいます。

 

 

A.絆

 

 

会員

げいび藤美連 菊池杏さん(会員)

きくち あん

菊池 杏  さん

中学校2年生の杏さんは11歳の頃から踊り子として活躍しています。げいび藤美連のみんなと過ごす時間は、大切な宝物です。

 

 

A.宝物

 

 


photo gallery

自慢の旗

団体紹介① 自慢の旗

現代表の母、静江さんが原案を描いた旗。手描きで制作した旗もあり、げいび藤美連としての色を演出しています。

 

一番は楽しむこと!

団体紹介③ 一番は楽しむこと!

1月から3月以外のシーズン中は、毎週火曜日に東山地域交流センターで、午後7時から練習に励んでいます。

 

 

近隣のイベントに参加

団体紹介② 近隣のイベントに参加

令和7年「奥州前沢春まつり(4月20日開催)」でも演舞を披露。イベント開催地のよさこい団体との交流も大切です。

 

旗士の腕の見せ所

団体紹介④ 旗士の腕の見せ所

旗の振り方には種類があり、げいび藤美連は「東北振り」で構成。旗にはアルミポールを使用しており、重量があります。

 

 


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