毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第38話(idea 2022年5月号掲載)

今月のテーマ

地域運営の落とし穴㉒

担当者の個性が見える!? 「自治会広報」

 

 昨年、藤沢町の地域協働体・藤沢町住民自治協議会で「自治会広報コンクール」が初めて催され、当センターも審査員としてお誘いをいただきました。審査員は広報いちのせき『I-style』編集部、岩手日報社一関支社、岩手日日新聞社と錚々たる顔ぶれの中、僭越ながら参加させていただき、応募があった藤沢町内の自治会広報を拝見しました。ただ拝見するだけならいいのですが、コンクールとなると賞をつけなければならず……。

 

 主催である同協議会の目的は、自治会活動強化のために広報という手段を高めたいというものであり、今後の自治会広報の発展のために、申し訳なさを感じながらも審査させていただきました。先に述べておきますが、自治会で広報を出していること自体が、素晴らしい取り組みです。出したいと思いながらも出せずにいる自治会もあれば、過去には出していたものの、従事する人が確保できないことから廃止した自治会もあったり、地域によって様々な事情がありますので、必ず広報紙を出せというものではありません。

 

 当センターでも毎月、情報誌『idea(この冊子)』を発行していますので、入稿までは一字一句間違いがないか、記事に誤解を与える表現はないかなど事実確認に必死です。とは言え、我々は業務の一環で制作しているので、ある程度の時間や手間を費やせるのであって、自治会広報に携わる事務局や総務部の方は、地域の一役(無償)なのです。なかなかできる仕事ではないので、担当者の交代が難しいのも頷けます(前号参照)

 

 さて、実際の自治会広報を見てみると、手書きで手作り感があるもの、写真がメインなもの、元行政職員が関わっているのかもしれないと推測してしまうような書式のものなど、従事している方の人となりが垣間見えて楽しいものです。中には、回覧板に挟み込むような連絡文書タイプもありましたが、それも立派な広報紙であり、どれも‘いかに住民のみなさんに関心を持ってもらうか?’という視点で各種工夫が凝らされていました。

 

地域づくり活動や市民活動は、「広報」に苦戦する傾向あり

 私(いちのせき市民活動センター長・小野寺)自身、地域づくり活動や市民活動に携わって17年が経ちました。この間、テーマ型の事業や地域づくりに関する講座など、多岐に渡り主催してきましたが、ずっと困っていたことがあります。それは、‘我々の業界は、伝えるためには文字量が必要になる!’ということです。

 

 誰もがすぐにイメージできる商業施設等の「○○フェア」やバーゲン、各種音楽イベントなどは、少ない文字量と写真でも表現がしやすい。だから、オシャレな感じだったり、インパクト重視の広報物が通用しますが、地域づくりに関することは、イメージしにくいことが多いため、いちいち解説注釈をつけないと伝わらない……。

 

 「広報」というと、華やかなキラキラしたもの、デザイン性を重視して作りたいと思う人も少なくないのですが、キラキラしたデザインは、地域づくり活動には、実は不向きだったりします。

当センタースタッフ作成の過去のチラシ
当センター佐々木作成の過去のチラシ。「ひらめ」と「板」で「ひらめいた」となっているもので、伝えにくいものを連想ゲーム仕立てにした傑作チラシ(笑)

 

 

 見出しやキャッチコピーも同様で、「○○%OFF!」「一関に○○が初上陸!」と、文字量が少なくても通じる業種・事業がある一方、地域づくり系になると、「参加で気づく地域づくり」とか「見て・聞いて・体験して」のような、インパクトに欠ける言葉を選ばざる得ない。我々は、というより個人的には、「キラキラ系は諦めよ」というお告げを聞きました(笑)その代わり、‘しっかり説明して、趣旨を理解してもらうために伝える努力(工夫)が大事である’と考えています。

 

 そもそも、自治会広報紙をはじめ、情報を発信する目的は「周知」ですから、知ってもらうことが目的で、インパクトを与えることが目的ではないのです。地味で、文字要素が多くなってしまったとしても、分かりやすく表現することが大事です。せめて見出しやレイアウトくらいは頑張りたいですね。

 

 

 

  また、自治会情報の周知のためにせっかく発行している広報紙ですから、「開催報告」の記事だけではなく、「予告記事(何の目的で、どんなことをやるのか?)」や、地域の役を知ってもらうために「○○役の解説(役員さんのお仕事風景を取材する等)」などのコーナーを設けてみるのも良いのではないでしょうか。

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