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NSエンジニアリング株式会社

(idea 2025年7月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 

基本情報

 大手自動車メーカー部品の一貫生産体制を担う同社は、株式会社長島製作所(本社:岩手県一関市。以下、長島製作所)とサンキ工業株式会社(本社:愛知県名古屋市。以下、サンキ工業)の合弁会社として平成26年8月に長島製作所のグループ企業として設立。両社の頭文字を取って「NSエンジニアリング」と名付けられた。設立当初、サンキ工業において高精度の3DCAM(3軸加工)、金属プレス金型の設計・製造等技術を学び、東北ではあまり生産されていない部品も取り扱う。約20年前から作業用(産業)ロボットの生産ラインの製作から設備調整まで自社対応しており、省人化開発事業(自社設備の販売)にも力を入れている。

 

※長島製作所は平成30年発行の本誌1月号にて掲載。

 

 

自動車部品大手の技術を学び、東北唯一の製造に活かす

学びを継承し新たな事業展開へ

  平成26年に設立された「NSエンジニアリング株式会社」は、岩手県と宮城県で生産されているトヨタ自動車東日本株式会社(以下、トヨタ東日本)等が販売する自動車のマフラーやそれに付随する部品及び車体構造部品のプレス金型設計製作から加工・溶接まで一貫生産を行っています。

 

 現住所の敷地及び工場は、元々別企業が所有していましたが、企業撤退を機に長島製作所の先代代表取締役が買受けし、平成24年から倉庫として使用。同時期、トヨタ東日本ではヤリス(車種名)の生産準備を開始し、東北圏内においてその部品等の一貫生産技術を保持するサンキ工業の誘致検討も始まり、企業交流のあった長島製作所と共同出資をする形で現在に至ります。

 

 同社は、「自動車向け部品等一貫生産」のほか、「その他精密部品(半導体装置部品)の加工」、「省人化設備開発」の3本柱で事業を展開。特に、マフラーのエキゾーストマニホールド部品のような複雑な絞り形状にも対応する技術は、東北では唯一です。

※ マフラー部品で、内燃機関の排気管において、複数の排気流路を1つにまとめる多岐管部品のこと。

 

 「弊社では、名古屋(トヨタ本社販売)向けの高級車マフラー部品も製造しているので、その車種名を伝えるとかなり驚かれます」と語るのは、工場長の金田勇さん。「設立当時の従業員が、5年ほどサンキ工業で高精度な一貫生産技術を学び、それを持ち帰って内部で継承しています。その技術は、3Dを用いて設計する産業ロボット開発にも繋がっており、生産ラインの製作から設備調整を行うことができるので、人口減少を見越した各企業でも産業ロボットの需要が多く、東北圏内の異業種からの問い合わせにも対応しています」と続けます。

 

 

様々な場面でも協力し合える職場環境

  現在の従業員は30名で、40代の勤務者が多く、時には「子育て世代ならではの課題」を語り合うこともあるのだとか。

 

 「近年では、スポーツ少年団に関する話題もあり、運営費に困っていることを知りました。ちょうど弊社でも敷地内の草刈りを有償委託していた近隣の方々が高齢で継続できないという申し入れもあり、どうしようかと悩んでいたので『スポ少への企業協賛』という形で草刈りをお願いし、互いの課題を改善する方向性を見出して2年経ちました。何気ない会話をしやすい雰囲気も、長島グループが掲げる『働きやすい現場づくり』が基です」と金田さん。

 

 同社では、長島製作所と同様に全従業員が加入する委員会活動(緑化委員会、5S委員会、親睦委員会の3つで、希望する委員会に所属)があり、業務以外にも話しやすい環境への体制が整えられているそう。今後について、「事業としては、技術を活かしながら新たな挑戦を継続しつつ、個々の余暇活動や地域との支え合いも大切にしていきたい」とのことで、事業の成長と繋がりを大切にする同社のこれからの歩みに期待が膨らみます。

 

 

企業紹介① 工場長の金田勇さん

工場長の金田勇さん。

 

企業紹介② 作業用ロボットで生産性をUP

作業用ロボットで生産性をUP。

 

企業紹介③ 企業花壇は地元「はなくらぶ」に委託

企業花壇は地元「はなくらぶ」に委託し交流機会を創出。

 


DATA

 

〒029-3311 一関市藤沢町黄海字天堤158

TEL:0191-48-4490

FAX:0191-48-4491

HP:https://nse-engineering.com

 

 

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