株式会社 及川左官

 コテという道具を使って建物内外の壁に建材を塗る専門職「左官」。奈良時代の宮中の建築仕事を司る「属(さかん)」が語源と言われるほど、歴史の古い職業です。

 室根町津谷川の株式会社及川左官は、現代表の及川晃一さんが、昭和54年に左官職人として独立開業、平成24年に法人化しました。

 近年、左官業者は高齢化と後継者不足で減少しつつあるそうですが、同社では後継者の息子さんとともに、一般住宅のほか、蔵や文化財などの修復・復元工事を行いながら、左官業の魅力を伝え、その継承にも取り組んでいます。

 

(idea 2020年11月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

「壁に命を吹き込む」職人技を後世へ

温故知新 化粧で蘇る職人技

 「我々は人で言えば化粧を施す役割」と左官業について例えるのは同社代表の及川晃一さん。中学2年生の時に父親が他界した晃一さんは「一家の大黒柱として自立するため手に職をつけよう」と決心し、昭和46年に仙台市の左官職人に弟子入りします。気仙沼市の左官工事会社での勤務を経て、昭和54年に独立、現在に至ります。

 

 「当時地元では左官業をしている人がいないと思っていたが、修業を終えて地元に戻ってくるとあちこちに職人がいて驚いた」と当時を振り返りますが、現在は後継者がいないために止む無く生業を閉じる同業者が増加し、晃一さんの周りにも職人は少なくなったと言います。

 

 かつての日本家屋は土に藁や砂を練り込んだ土壁が用いられ、漆喰などで仕上げた壁が主流だったのに対し、近年の新築住宅の壁はクロス仕上げが主流。塗り壁は減少傾向ではあるものの、漆喰や珪藻土などの自然素材の効能(空気の浄化など)から、左官業の昔ながらの調合工程・壁塗り技法が再注目されつつあるのだとか。また、店舗・住宅やビルなどのRC造(コンクリート)の現代建設現場でも活躍しています。

 

 東日本大震災後は、一関市や気仙沼市の文化財のほか、民家の蔵や酒蔵などの修復・復元工事依頼が増加。修復にあたっては、良い粘土質の土(赤土・黄土)が素材で使われている場合には、それらを再利用し、新しい壁土として生まれ変わらせます。 

 

 そうした長年の経験が培った職人技が口コミで広がり、インターネット等による情報発信を行わずとも依頼が絶えず、「化粧(技術)」によって歴史ある建物を多数蘇らせています。

土に触れ、漆喰の良さを後世へ

 後継者不足が深刻な課題となりつつある左官業ですが、同社では息子の貴史さんが左官技術を継承。きっかけは「幼少期から見ていた父の背中だった」と貴史さんは語ります。「小さい頃から父親の仕事場を見て、子ども心にかっこいいと感じていた」という貴史さんは、高校卒業後、京都府左官技能専修学院に進学し、一級左官技能士の資格を取得。その後は父とともに文化財等の修復・復元工事などに携わると同時に、日本左官業組合連合会岩手県支部の青年部にも所属し、左官業界そのものも支えています。

 

 また、 11月に厳美地域で開催される「厳美地域文化祭」の中で、左官職人の技体験として「光る泥だんご作り」や「漆喰プレート作り」のワークショップを開催するという同社。厳美地域にある「旧鈴木家」の土壁修繕がきっかけで発展した企画なのだとか。

 

 「文化財などを末永く保存していくための技術を継承するには、技や土に触れる機会を提供し、少しでも昔ながらの技法に興味をもってもらうことが必要」という及川親子の想いは着実に実現し始めています。

及川左官 土蔵の修復例 室根

修復例:室根町・小山様宅の土蔵(平成17年)

及川左官 室根

晃一さん(右)と貴史さん(左)

及川左官 漆喰のミニかまどと漆喰玉

漆喰で再現したミニかまどと、11月のワークショップに使用する漆喰玉(=泥だんご)


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