(idea 2023年2月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

二言三言 143/115129

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子どもたちを「人間として教育する」

~次代のリーダーを育てるために【前編】~

スクリーニングの授業の様子

田河津地区教育振興運動実践協議会  会長  高橋 勝男さん  

高橋 勝男さん

 「田河津地区教育振興運動実践協議会」の会長であり「東山地域教育振興運動推進連絡協議会」の会長も担う。子どもの入学を機にUターンし(当初は単身赴任)、平成8年度に田河津小学校(当時)のPTA会長を、その後も旧東山町の教育委員を務めるなど、地域住民の立場で教育の現場に携わり続けてきた。昭和33年生まれ、東山町田河津出身・在住。

対談者 田河津地区教育振興運動実践協議会  会長  高橋 勝男さん  

   

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹

 

岩手県が誇る「地域の教育課題を解決するため」の活動が「教育振興運動」。学校区や公民館区などを「実践区」とし、子ども、家庭、学校、地域、行政の5者が一体となり、自主的な取り組みを行ってきました。当市においても、旧町村毎に違いはありつつも、現在まで続き、そして今、岐路に立っています。少子化の中で、地域における「子どもの教育」の「これから」とは?

(2回シリーズの前編)

 

小野寺 高橋さんは「田河津地区教育振興運動実践協議会(以下、田河津教振)」の会長を長年務めていらっしゃいますが、教振に関わり始めたきっかけは何ですか?

 

高橋 田河津小学校のPTA会長になったことですね。私がPTA会長として関わっている年に30周年を迎えました。

 

小野寺 教育振興運動(以下、教振)は岩手県が全国に先駆けて提唱したものですが、本格的に推進を始めたのが昭和40年頃、田河津教振が結成されたのが昭和42年なんですね。

 

高橋 岩手県が教振を提唱した背景には学力の向上が目的にあったそうです。当時、岩手県の子どもたちの学力は全国最下位に近く、学校だけの責任ではないという考え方ですよね。例えば学力向上のために学習机を与えましょうとか、本を買って読書をさせましょうとか。今思えば、私も幼少期に学習机をもらいましたよ。大工さんが手作りしたようなものを。

 

小野寺 確かにその当時は各家庭の差も大きかったでしょうし、学習環境を揃えてあげることが教振の原点だったんですね。

 

高橋 30周年誌※1によると、当時は茅葺屋根からトタン屋根への改築時期で、台所改善と併せて子ども部屋の設置を検討したり、学習机の必要性や、テレビ視聴のことなど、家庭生活と学力向上の関係性を情報交換するような活動もしていたようですよ。

 

 

※1 東山町田河津地区教育振興運動実践協議会(1977)『田河津地区教育振興運動実践協議会30周年記念誌 教育振興』

 

小野寺 今と住環境そのものが違いますもんね。

 

高橋 昭和51年には「寄生虫卵の保有率」と「結膜炎の罹患率」が他地域と比べて異常な高値であることが学校側から共有され、それ以降、教振の中で改善の取り組みを進めた経過もあるようです。家庭への意識啓発や治療・駆除の活動、衛生習慣の育成など……。

 

小野寺 地域の総力戦で取り組まなければいけない課題を、教振が音頭を取って向き合ってきたということですね。

 

高橋 結成から50年以上経っていますから、時代とともに課題も変化してきました。家庭での学習環境がある程度整ってからは、いわゆる「社会教育の中での子どもたち」ということで、子どもたちの健全育成のための「子ども会活動」に力が入れられていくわけです。

 

小野寺 なるほど。具体的にはどのような取り組みを?

 

高橋 子ども会を指導する立場の父母の会への研修です。田河津では、父母の会自体が昭和37年頃から行政区単位で結成されていったようで、昭和43年には全行政区に組織があり、その年から「父母の会リーダー研修会」が行われているようです。

 

小野寺 教振としては指導者を育てていき、その指導者が自分の行政区にある子ども会を育てていくという発想ですね。

 

高橋 ただ研修するだけでなく、各地区の父母の会による活動発表会も田河津教振単独でやっていたんですよ。ちゃんと様式も決めて、こういうことを埋めて発表してくださいね、って。

 

小野寺 活動発表は自分たちの振り返りの場として大事ですね。

 

高橋 今は東山地域の3市民センター主催で「子ども会指導者研修会」「子ども会等活動発表会」という形式で続いています。

 

小野寺 指導者研修会が今も続いているというのはすごい!

 

高橋 これは、子ども会の目的や活動、指導者の心構えなどを学ぶだけでなく、例えば科学実験だったり、制作活動だったり、毎年何かしらの「子どもたちとこんなことすると面白いですよ」っていう体験を、親に身をもって体験してもらうんです。

 

小野寺 そこだ!それが必要なんですよね。最近は子ども会の活動も親が企画立案してしまうことが多くなっているようですが、親にネタがないから、行事を考えようにも「どこかに行って〇〇をする」という企画になりがちなんですよね。

 

高橋 この研修会の時にいつも言うんですが、親が一緒に活動しても良いんだけど、「危ないから(材料等を)親が切ってあげる」とか、そういう活動になってしまったら本末転倒で。昔は「危なくない程度に怪我をしてもそれは仕方がない」という感覚だったはずなんです。それが「事故を起こしたらどうするんだ」「親にもついてきてもらわないと困る」となり……。そうすると、組織の中で子どもたちがリーダーの言う事を聞くっていうのはまずできないでしょう。

 

小野寺 子どもは親の様子を伺いますよね(笑)

 

高橋 そう。誰か先生がいて、その下に子ども会のリーダーがいて、その下に子どもたちがいるという構成であれば、ある程度統制が効くものの、親も一緒になると指示系統がね……。

 

小野寺 そういう考え方を、田河津教振では、父母の会と共有してきたわけですね。

 

高橋 ただね、今が本当に教振の変わり時だと思ってます。我々のように子どもが巣立ち、家に子どもがいない状態だと、子どもたちに対するニーズが把握できず、活動がタイムリーではなくなってしまう。なので、子どもと親が中心になって、親たちが考える子ども会、子どもたちが考える子ども会っていうのを実践できるような、タイムリーに回せるような仕組みの方が良いんだろうなと。

 

小野寺 今は時代の転換期で、変わる勇気が必要なのですが、気持ちはあれど一歩が踏み出せないという声も聞きます。「一歩踏み出すことは、過去を変えることではないよ」ということを伝えたいです。

 

 それから、実は本対談のきっかけは「子ども会の管轄領域は、どこなんだろう?」という疑問でした。行政に確認したところ、「直接担当する課はない」と言われたんです。そこから、「子ども会は、子ども版の自治会なのでは?」と気になったので、後半で聞かせてください。

       

(後編につづく)

 

 

 

 

 

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