合唱のまち一関と地域づくり

一関合唱連合会 会長 阿部興紀 さん

  • 対談者 一関合唱連合会 会長 阿部興起 さん
  • 聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

音楽との出会い それは交響曲「新世界」から始まった

【小野寺】このたびは一関合唱連合会(以下「連合会」)が今年度の一関文化賞を受賞されることになりおめでとうございます。阿部さんは駅弁のあべちうの社長さんで食品関係に関わりが深い方と認識していました。現在、連合会の会長を務められていますが、阿部さんと音楽との出会いについてお聞かせください。

一関合唱連合会 会長     阿部 興起 さん
一関合唱連合会 会長    阿部 興起 さん

【阿部】父がバイオリンを弾き室内楽をやっていた関係で、小さい頃から音楽に触れる機会は多かったと思います。私が中学校3年生、昭和28年頃かと思うのですが、父たち数人が企画した近衛秀磨指揮によるABC交響楽団の演奏会が旧一関小学校講堂(当時、現在の一関文化センターの敷地内にあった)で行われました。その時聴いたドボルザークの新世界の演奏に衝撃を受けました。昼と夜の2回聴いたのですが、世の中にこんなすごいものがあるのかと思いました。今から60年も前に、当時日本を代表する交響楽団がこの一関で演奏したんですね。この体験が音楽との出会いになり、音楽がますます好きになりました。

【小野寺】楽器は何かやられるのでしょうか。

【阿部】楽器はやりません。全日本合唱連盟を訪れた際、副理事長の辻正行先生に「阿部さん声楽家ですか」と問われ、「私は一ノ関駅の駅弁屋です」と答えたら「それで声が通るんだね」と言われたんです。以前からお前の声は通ると言われていたのが、日本を代表する大先生にいい声していると褒められたものだからますますその気になってしまいました。

【小野寺】面白いエピソードですね。ところで、連合会はどのような組織なのでしょうか。

【阿部】連合会は、昭和56年に創立され、今年で34年目になります。市内で個々に活動している合唱団やサークルを一つにまとめた組織を作り、お互いに連携し合い市内の合唱レベルを向上させることを目的に始まったものです。現在、連合会に加入しているのは、社会人団体だけで20団体で、およそ300人の団員が合唱活動を続けています。

【小野寺】20団体も加盟している連合会ですが、どのような活動をしているのでしょうか。

【阿部】古い話になりますが、平成5年に第8回「国民文化祭」の合唱部門が一関で開催され、その中心が連合会で盛会の内に終え使命を無事果たすことができました。また、平成9年に「世界青少年合唱団」の日本公演がありその運営に協力しましたが、公演は全国8カ所で東京以北では一関だけで、世界の歌声が一関に高らかに響きました。この頃から合唱の盛んなまちと言われるようになりました。しかし、一番大事にしているのは市民による合唱活動です。今年で41回目となる「一関合唱祭」は市民に親しまれ定着しています。29回目の「コーラスいわいフェスティバル」は合唱を通じて一関と東磐井地方の方々との交流を深めており、会場は一関と東磐井で交互に開催しています。さらに、26回目の「東日本合唱祭」の運営にも協力しています。そして、3年に1度の「いちのせき第九演奏会」の運営を行い、演奏会の合唱団は連合会の会員が中心となります。また、「社会福祉施設や被災地への合唱訪問」も行っています。各団が関係施設などに出向き、合唱慰問を行い共に歌い、合唱で触れ合い楽しいひと時を過ごしています。

合唱のまち一関 源流は第九演奏会

【小野寺】一関市が「合唱のまち一関」と言われています。このように言われるようになった由来については何かあるのでしょうか。

【阿部】私が30歳代の40数年前の頃、市内の同年代の仲間たちと年に一度文化事業をしようと「創友会(そうゆうかい)」という会を作って活動していました。そうしてだんだんと文化活動にのめり込んでいき、N響、都響、仙台フィルの公演を一関で開催してきました。その一つが第九演奏会の開催。今から41年前の昭和49年に県内初の第九演奏会を一関市で開催し、その第九の合唱団員を市民から募集したところなんと300人も集まりました。その後、参加した団員を中心として市内に多くの合唱団が生まれ広まっていきました。それが「合唱のまち一関」の始まりになっているのだと思っています。

【小野寺】「合唱のまち一関」のいわれが41年前の第九演奏会から始まったのでしたか。ところで、東日本合唱祭が10月に開催されますね。

【阿部】東日本合唱祭は平成2年に始まり今年で26回目になります。一関に全国トップレベルの合唱団を招へいして合唱祭を開催したいという声が高まり、当時の市社会教育課奈良井課長、大畑孝夫先生と私の3人で文化庁を訪問したのですが、あまり良い返事はもらえませんでした。その後、全日本合唱連盟を訪れたところ、理事長さん始め三役揃って迎えていただき、「行政と民間が一緒になって合唱祭を行うことは素晴らしいことで、日本ではないのでぜひ開催を応援しましょう」と話が進み、文化庁との間に入ってもらい開催が実現しました。当時の連盟副理事長の辻正行先生が東日本合唱祭の担当となり、以後毎年続けて開催しています。

【小野寺】東日本合唱祭が年々レベルアップして今年で26回目になり、一関の大きな文化事業になってきたと思います。合唱祭の特色をお聞かせください。

【阿部】行政と民間が一緒になってスタートして、それが市民とともに育ててきた合唱祭で、「合唱のまち一関」が定着するきっかけにもなっているでしょう。これには市内の合唱団も必ず出場し、全国トップレベルの合唱に触れる機会になります。最後の舞台では400名を超す壮大な合同合唱を行います。今までに日本を代表する200を超える合唱団、8000人の方々が市民と共に歌い、合唱の素晴らしさ、楽しさを共にしています。そしてもう一つ素晴らしいことは、演奏会の前日に市内の中学校1校に招へいの1団体が訪問して中学生との合唱交流を行っています。共に歌い楽しいひと時を過ごすことで合唱レベルの高揚につながっているものと思っています。これらの活動が評価され、平成7年(1995年)に全日本合唱連盟から表彰を受けています。

合唱を通して住み良いまちをつくりたい

【小野寺】市民と合唱との結びつきをどのように感じていられますか。

【阿部】市内に合唱活動が広がり、中学生、高校生、社会人ともに市内の様々な合唱活動を通じて合唱レベルが向上してきていることは確かです。「いちのせき第九演奏会」の合唱には高校生も参加できます。3年に1度の開催になりますが高校時代に一度は参加できる特典だと思います。また、日本では最高の権威と言われる「全日本合唱コンクール(全日本合唱連盟・朝日新聞社主催)」が毎年行われていますが、その地区予選会の中で最も難関と言われるのが東北大会です。福島県勢のレベルが高いのですが、その東北大会を突破し、全国大会に出場を果たし、金賞、銀賞を勝ち取る一関の中・高生や社会人も出てくるようになりました。大変喜ばしいことです。

【小野寺】私どものいちのせき市民活動センターでは若い世代を対象にしたワークショップも行っています。「一関はどんなまちですか」という問いに対して、「餅」はよく出てくるのですが、「合唱」はなじみが薄いように思います。合唱活動から見える一関の課題はどうお考えでしょうか。

【阿部】ステージで発表する以外の普段着の合唱があってもいいのではないかと思います。例えば、街角コンサートを駅前や大町通りで行うのはどうでしょう。道行く人たちが合唱に足を止めて聴き、そして一緒に口ずさむ。それこそ合唱のまちにふさわしい光景ではないのかと思います。さらに俗っぽくなりますが、夏の夕方家の風呂に入って歌を歌う。その時通りを歩いてきた人が一緒にハモってくれるようになる。そんな合唱のつながりができるのも楽しいのかなと思っています。

【小野寺】楽しい光景が目に浮かんできます。最後に、今後の抱負についてお聞かせください。

【阿部】一関は「合唱のまち一関」と言われるぐらい合唱活動の盛んなまちになりました。確かにたくさんの合唱団体があり、毎年レベルの高い合唱祭なども行われ定着してきました。これからは合唱愛好者だけでなくすべての市民が合唱を愛し、合唱のまちにふさわしいきれいなまち、心豊かな人々が集うまち、そして、住み良さで日本一のまちになることを願っています。

東日本合唱祭 合同合唱の様子(昨年)
東日本合唱祭 合同合唱の様子(昨年)

基本情報

【一関合唱連合会】

住所:〒021-0891 一関市桜木町4-5

TEL: 0191-23-7283(阿部会長自宅)

 

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