川崎まちづくり協議会と地域支援のあり方

対談者 川崎まちづくり協議会 議員/ファシリテーターもどき 金野和則 さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

協議会から地域にファシリテーターを派遣

【小野寺】金野さんは川崎まちづくり協議会(以下「まち協」)の会員として、依頼があった川崎町内の自治会に出向き、自治会カルテの作成に係る話し合いのお手伝いをしてきましたが、活動を始めたきっかけはどんなことでしたか?

川崎まちづくり協議会 議員/ファシリテーターもどき 金野和則 さ

 

【金野】最初、川崎の自治会連絡協議会から「26の自治会で“自治会カルテ”をつくることになった」と連絡を受けたんです。自治会内の現状と課題を皆で共有し、自治会長が変わっても引き継げるようにということでね。それを聞いた私は、「自治会だけで作るのは大変だろうな。自分たちに何かできないかな」と思い、まち協の会員4人が“ファシリテーターもどき”として自治会に入ってみることにしたんです。 

【小野寺】実際に依頼があったのは、12の自治会でしたね。4人で回るのは大変だったかと思います。

【金野】大変でしたが、自治会に入ることで地域の方の生の声をたくさん聞けましたし、前にいちのせき市民活動センターさんのファシリテーション講座を受けていましたからね。

【小野寺】12もの自治会から依頼をもらえたのは、口コミの効果でしょうか?

【金野】自治会長さんたちは自治会カルテを見て「これをどうやってまとめようか」と不安に思ったんじゃないでしょうか。回答は記述式ですし、頼れるところがあるならという気持ちで依頼をくれたんじゃないかと思います。

【小野寺】実際に話し合い支援に入ってみての感想はいかがですか?

【金野】一番よかったと思うのは、情報共有ができたことですね。話し合いの中で、雑談に近いローカルな会話もありますが、そういう小さな話題が重要な情報だったりするんですよね。

【小野寺】そういう会話は、まち協から派遣された第三者的なポジションの人が入ることで、遠慮なく話せたというところもあるんでしょうね。

【金野】それは絶対あると思います。自治会の方々だけじゃ、話しにくいことってありますからね。話し合いの中で、私から他の自治会の取り組みを紹介した時もありました。「所萱自治会では、月1回定例会を開いていて、皆が集まってるんですよ」なんて話題提供すると、「へ~!そんなことやっている自治会があるんだ。すごいね!」って驚かれますよ。

私と一緒にファシリテーターをした花ちゃんの自治会は世帯数も人口も少ないけど、運動会ではたくさんの人が参加して優勝しちゃうんだよね。「どうやって人を呼んでるの?」と聞くと「食べ物です」って。1,000円~1,500円のお弁当を出して、それで人が集まるみたい。  

 

 

石畑自治会での話し合いの様子 ファシリテーターが話し合い支援をしています

 

【小野寺】ヒントは身近なところにあるんですね。ある意味、ファシリテーターとして各自治会に行きながら、他花受粉をしているんですね。「ヨソではこうらしいよ」って。

【金野】区長会の場では「皆さんどうしてるの?」って聞きづらいでしょうしね。自治会同士で情報が共有されず、意外と知られていないことも多いようですよ。

【小野寺】話し合いで他の自治会の情報を出してあげるだけでも、地域の方にとっては大きいですよね。

【金野】ワークショップでは、自分が言った意見が文字になって記録されると安心感もありますよね。

【小野寺】最初に支援に入った砂子田自治会の自治会長さんが、まち協の皆さんの前で「ファシリテーターを派遣してもらってよかった」と言ってくれましたよね。その言葉を聞いた時に「川崎のこの機能はすごいな」と思ったし、まち協と自治会を繋ぐ本当によい仕組みだと思いました。

【金野】あの一言は私たちも本当に嬉しかったですね。

 

 

地域の認知度が高い!川崎まちづくり協議会

【金野】自治会を回っていて、「まち協って何?」という質問が一回も出なかったのは意外でしたね。

【小野寺】川崎の中では、まち協の存在が浸透しているんですね。

【金野】まち協を地域に広めたのは、平成26年度から実施している門崎小学校の朝仕事じゃないでしょうか。今までに5回実施して、門崎の方も薄衣の方も参加してくれましたよね。

【小野寺】あれは仕掛けがよかったですよね。門崎小学校の「登校日」にして、コッペパンを配ってラジオ体操をしたりしましたよね。

【金野】キャッチコピーを考えるだけでも時間をかけたよね。スポ少の子どもたちも親も来てくれたのですごく助かりました。

 

「草、ぼうぼう 今日は門小 朝仕事」で配布したコッペパン

(川崎まちづくり協議会のFacebookより転載)

地域の情報を協議会にフィードバック

【金野】話し合いの後、私たちでできることはすぐ動きました。例えば、「通学路に看板が一つもない」という話が出た時は、うちの事務所に来た交通安全協会薄衣分会の方が「余っている看板があるから対応するよ」とすぐに看板を設置してくれて、それを見た方は「あれ、この前話した看板がもう設置されてる」って気づいて、「まち協ってすごい!」「交通安全協会薄衣分会ってすごい!」って思ってくれたかなと思います。あとは国道沿いに立っていた「スリップ注意」の看板が邪魔だという意見が出れば、すぐに支所が動いてくれて県の担当課の方が2~3日で移動してくれました。

【小野寺】それはすごいですね。ほかに僕がいいなと思ったのは、12の自治会の話し合いで見えた共通課題を、まち協の全体会の場にフィードバックするという仕組みです。その共通課題は川崎のまちづくりビジョンに反映したし、課題改善に取り組まなければならない項目が見えてきましたから。

【金野】その仕組みは私たちもいいなと思っています。話し合いの後、私たちは話し合いで使った模造紙を持ち帰って内容を整理してから自治会に返し、自治会で作ったカルテは自治会連絡協議会を通じてまち協に提供していただきました。このように、動きや情報を協議会の中で共有する仕組みができていることが大事だと思います。自治会カルテづくりの支援で始めたファシリテーター派遣ですが、これからも地域から要請があれば支援ができるよう、まち協としてファシリテーターを増やしていきたいですね。

 

 

┃基本情報

【川崎まちづくり協議会(川崎市民センター)】

住所:〒029-0602 一関市川崎町薄衣字諏訪前7-1

電話:0191-43-3112 FAX:0191-43-3273

 

 

 

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