(idea 2022年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

二言三言 143/115129

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「情報」の「価値」と「権利」

~IT社会で求められるリテラシー【後編】~

ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)審査員補の那須浩修さん

「仮想空間」の中における交流が進みつつある現代(イメージ)。  

イラスト:佐藤大輔

那須 浩修さん

 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)審査員補。大学卒業後、複数の大手企業にて情報セキュリティ等に関するシステムエンジニアとして従事。令和元年に早期退職すると、同年6月から令和4年5月末まで「地域おこし協力隊」として地元一関市に着任。岩手県商工会連合会の「エキスパートバンク」に情報セキュリティの専門家としても登録、活動中。昭和39年生、一関市大東町出身(在住)。

対談者 那須浩修さん   

 

   

聞き手 いちのせき市民活動センター  センター長 小野寺浩樹 

 「情報」に溢れる昨今、情報を正しく取り扱うための「情報リテラシー」が私たち一人一人に求められています。さらには「IT」も急速に発達していく中で、ITを正しく活用する「ITリテラシー」も必要に。情報セキュリティ関連の事故も少なくない中、私たちは何を意識し、ITの流れにどこまで「適応」していくべきなのでしょうか?(2回シリーズの後編)。

 

<前編はこちらから>

小野寺 「情報リテラシー」の考え方を確認した上で※1、いよいよ「IT」そして「ITリテラシー」の話題に入っていきますが、「関係ない」と思ってこのページを飛ばしてしまう人も少なくない気がします(笑)

 

※1 情報誌『idea』8月号(本対談前編)参照

 

那須 ITって知らず知らずのうちに生活に入ってくるものなんです。情報を取得して、加工・保存、伝送するための科学技術がITですから、携帯電話がスマホになって、LINEやフェイスブックなどのSNSを使うようになったように、もはや多くの人がIT技術の恩恵に触れているわけです。

 

小野寺 スマホが受け入れられなかった世代も、気づけばスマホデビューしてますもんね。

 

那須 そう、無視したくても、いずれそれが標準になってしまえば、取り残されるだけです。

 

小野寺 那須さんは「情報セキュリティ」分野の専門家ですが、「IT」と「情報セキュリティ」はどう関連しますか?

 

那須 IT、要はインターネットが扱うのは「情報」です。安易に扱ってはいけない情報がたくさんあるわけですが、その意識がないのと、ITを正しく理解しないまま「使い方」だけを覚えて使っている人が多いので、個人情報などを出してしまうんですよね。

 

小野寺 ITを理解しないと、犯罪に巻き込まれることもあれば、加害者になることもある…。

 

那須 ITはものすごく発達してしまったので、理解することが難しい。そのせいでリスクもわからなくなってしまっている。有効に使おうとすればいくらでも有効利用できるし、悪用しようと思えばいくらでも悪用できる。だから「ITリテラシー」が必要なんです。

 

小野寺 リスクを知らないままITを使い続けることにリスクがあるので、正しい知識・理解(=リテラシー)が必要、と。

 

那須 重要なのは、リスクはITの発達とともに変わっていくということ。IT技術の発達に合わせてリスク管理の方法も見直さなきゃいけない。だから企業や行政においてはIT関係を扱う人はリスクマネジメントをしっかりやるべきなんですが、地方だとその意識が希薄。なんでかと言うと大手企業からの下請けだったり、大手企業に委託してしまっているから。

 

小野寺 確かに「大手企業がやってくれているから大丈夫じゃない?」という感覚はあるでしょうね。

 

那須 リスクマネジメントは自ら考えないと意味がないんです。「言われたから、言われた通りにやってます」はリスクマネジメントとは言えないんです。

 

小野寺 これは全ての業界に関係することですよね。我々まちづくりの業界にも。「IT業者じゃないから」ではなく、IT業者じゃないからこそ、ITリテラシーを高めて、リスクマネジメントをしなければいけないということですよね。情報を扱わない業種なんてないですから。

 

那須 「デジタル田園都市国家構想※2」を国が進めていますが、地方でもそれぞれの地域に合ったITサービスを行いなさいよ、首都圏とのIT・デジタルサービスの格差をなくしましょうよという内容。でもこれって住民にもITリテラシーが備わっていないと意味のない話で、今までITを意識していなかった人たちにいきなり「どうぞ」と言われても何の恩恵もない。

 

※2 岸田内閣の看板政策の1つであり、第205回国会の岸田文雄首相による所信表明演説において表明されたもの。

 

小野寺 確かに。でも実際のところ、我々市民レベルは、「IT」と言ってもSNSくらいしか意識できない気も……。

 

那須 IT業界では、SNSはもはや古いものになっていますよ(笑)今の主流は「メタバース」。簡単に言えば「仮想ビジネス」です。この「仮想ビジネス」と、「暗号資産」が今後の大きなキーワードでしょうね。

 

小野寺 イメージできません(笑)

 

那須 「あつまれどうぶつの森※3」というゲームが流行しましたが、あれも広義にはメタバースという人もいます。要は仮想の空間の中で、人々が交流したり、金融取引が行われ、ビジネスが発生するということ。

 

※3 任天堂が2020年に「ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)」対応ソフトとして発売したゲーム。

 

小野寺 それならイメージできますが、我々の実生活には関係してこない気もします。

 

那須 「仮想」というのは実は昔からずっとあるものです。違うのは、「仮想(バーチャル)」と「現実(リアル)」が交わり始めているということ。「暗号資産(仮想通貨)」は、無形のコインと言えますが、形がない上に発行主体や管理者もいないんです。そこに価値を持たせるのが「ブロックチェーン※4」という仕組みです。

 

※4 2009年に取引が開始された「ビットコイン」を支える技術として開発された「取引の公明な記録を残す」ための仕組み。改ざんが非常に困難で、多数の参加者に同一のデータを分散保持させる「分散型台帳技術」とも呼ばれるが、明確な定義はなく、開発者の詳細も定かにはなっていない。

 

小野寺 管理者がいないというのは怖い。気軽に手を出せるものではない気が……。

 

那須 そう、大事なのは「納得してから手を出す」こと。理解しにくいから詐欺にも狙われるんです。とにかくITは「関係ない」「これで十分」と思っていても、業態を変えながら入ってくるんです。そこには仕掛け人もいるけど、根底は皆さんの欲求・要求。メタバースも、コロナ禍でリモートでできることへの欲求が増した。それで仮想空間に対する技術が開発され、後から法整備がついてくるという流れ。

 

小野寺 消費者が望んだ展開とは言え、リアルな世界がますますないがしろにされ、家から出ない人も増えそうですね……。

 

那須 それも含めて「ITリテラシー」を高めようということ。

 

小野寺 技術を開発するのも人、情報を扱うのも人。だから人としてのマナーとかモラルとか、結局はそういうのが重要になると思うんですが、そこが追いついていない気がして。情報や人とのコミュニケーションの在り方、超えてはいけない境目とか、「IT教育」ではそういう部分を忘れちゃいけないのかなと感じます。

 

〈前編はこちらから〉

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