(idea 2021年12月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

二言三言 143/115129

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生活における「便利」の価値基準

~東京生活60年以上の夫婦に学ぶ一関【後編】~

開拓整備の拠点として自作した作業小屋
開拓整備の拠点として自作した作業小屋

花泉町日形在住 近藤紀子さん・正信さん

 地方で第2の人生を送るため、東京都中目黒で生活していた平成20年に花泉町日形の桑畑跡地を購入。60歳の定年を迎えるまでは東京と一関を行き来しながら開拓を進め、平成28年に完全移住。住居はログハウスのキットを購入し、基礎以外はセルフビルドに挑戦。集落活動にも参加しながら、夫婦水入らずで日形での暮らしを楽しんでいる。

対談者 花泉町日形在住 近藤紀子さん・正信さん   

   

聞き手 いちのせき市民活動センター  主任支援員  佐々木牧恵

 一関市の「移住定住」に関する情報を発信するWEBサイトに記載された当市の魅力は大きく3つ。「文化と美しい自然が共生するまち」「都会からのアクセス」「充実したインフラ(豊かな教育環境、安心の医療施設、充実した商業施設)」。果たして実際に当市への移住を決めた人の「決め手」となったものは一体何なのか、そしてそこから見えてくるものとは?            

 

佐々木 東京へのアクセスが良いということ以外に、移住の決め手となったものはありますか。

 

紀子 当初は千厩も検討してたんですけど、交通が日形に比べると不便なのと雪が多い。住所を書くのに花泉は簡単だし、字面がキレイ!

 

正信 当初から条件の一つにしていたのが「雪が降っても屋根の雪下ろしをしない場所」。年を取ると雪下ろしの事故が多いので。東北で屋根の雪下ろしをしなくて良い里山となると、限られてきますよね。

 

佐々木 確かに、一関は移住者にはハードルが低いのかも。特に花泉は雪が少ないですしね。字面の良さは盲点でした(笑)

 

紀子 花泉は本当に穴場よ。土地も物価も高い宮城県の隣なのに、土地がものすごく安い!

 

佐々木 この土地はどうやって見つけたんですか?

 

紀子 インターネットに出ているのをたまたま見つけて。当時は花泉なんて知らないし、樹木葬で馴染みのあった「一関」で検索してました。でも一関は情報発信が地味よ。宣伝が下手。

 

正信 移住を促進するWEBサイトも、東京のデザイン会社と一緒に作った方が良い。リモートでできるんだから。

 

紀子 要は発想が逆なのよ。受入れ側のイメージではなく、行きたい側のイメージで見せないと。地方に移住者が求めるのはやっぱり自然環境なんだから。

 

佐々木 そう言われて当市の移住に関するWEBサイトを見ると、確かに視点が違うのかも…「充実した商業施設」とも謳われてますが……(苦笑)

 

紀子 充実した商業施設を望む人は都会で暮らすわよね(笑)

 

正信 僕はIT関連の仕事をしていたけど、昔から地方でテレワークをしたかった。都会は人がごみごみしているし、環境は悪いし、街の中もお店の中もガンガン宣伝や音楽がかかっていてうるさい。地方でテレワークをしたい人は絶対にいるけど、受け皿が整っていないですね。

 

佐々木 コロナ禍でそうした動きがあるとは言いますが、地方在住者としては半信半疑。本当にそんな需要あるのかな?と。

 

正信 ITや事務系のサテライトオフィスのようなものは充分需要がありますよ。本社は東京で、月1~2回出社すれば良い。新幹線で簡単に出社できる。

 

紀子 狙い目はのびのび子育てをしたいという世代じゃない?

 

正信 今はリモート対応の学習塾もたくさんある。マンツーマンの指導がリモートで地方にいながら受けられるわけだから、教育レベルを東京レベルにできるということ。

 

佐々木 自然豊かな地方で暮らしながら、教育はリモートで東京レベル……。なるほど……。

 

紀子 あとは定年直後の元気な中高年よね。私たちもそうだけど、定年直後に移住すると、移住先では十分若手に入る。仕事もしていたわけだから、ある程度のことには対応できるし。

 

佐々木 集落の即戦力ではありますね。ただどうしても、中高年層の移住だと「一代で終わり」というイメージが……。

 

紀子 でも子ども連れで移住してきても、多くの子は18歳くらいで地域を出るし、子どもが戻ってくるとは限らないでしょ。そうであれば、中高年層の移住者が同じような移住者につないでいくのも良いのかなって。

 

佐々木 確かに、子どもを増やすことが目的ではなく、最低限の集落機能を維持していくためにある程度の人口が欲しいのであって、即戦力の中高年の方が良いという考え方も頷けます。

 

正信 僕たちは本当に即戦力。退職して間がないので体力も気力も十分だし。

 

佐々木 今はお元気に車も運転できるから良いですが、運転できなくなった時への不安はないですか?

 

紀子 東京の都心でも今は移動販売が来るの。地方にいても都心にいても、交通の足問題は変わらない。ただ都会は人数が確保できるからコミュニティバスなどが出しやすいというだけ。それにここで暮らしていると忙しくて弱れないわよ(笑)東京で暮らしていた私の両親は認知症になってしまったけど、ここではお年寄りも本当に元気。

 

佐々木 お二人からは暮らしそのものを楽しまれている感じが伝わってきます。

 

紀子 私ね、「変わっている」と思われたくて仕方ないの。「あの人変わってるからしょうがないよね」と、そのまま受け入れて欲しい。新参者だからって変に馴染もうとすると、お互いに無理しちゃうから。

 

正信 うちはお風呂と暖房は薪。シャワーは太陽熱温水器。台所と小型湯沸かし器のガスは自分でガス屋さんに持って行って充填してもらう。そうするとかなり割安になる。

 

紀子 「しみったれ」なのよ私たち。わざとそういうことをして楽しんでるの。

 

佐々木 実はそういう暮らしに憧れている地方在住者は多いと思うんです。できる環境に暮らしていながら、ご近所の目を気にしてできないとか。変に格好つけずに「地方暮らしならではの楽しみ」をもっと発信したり、実践すべきなのかもしれません。

 

紀子 移住者の先輩で都市部に家を残したままこちらに家を建てた方がいます。空き家もうまく活用すれば2か所居住する人もいると思います。こっちは「遊び場」として活用していくとか。

 

 

正信 移住奨励金のようなものを決め手にする移住者は少ないと思いますよ。現に僕たちも一関への移住を決めてから知りましたからね(笑)

 

 (2回シリーズの後編  ★前編はこちら)

※近藤夫妻の開拓の記録を綴ったブログ

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