二言三言

一関市の魅力と造形教育

対談者 造形おじさん(幼児造形指導員) 菅原順一さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

50年ぶりの郷帰り

【小野寺】本日は取材を引き受けてくださりありがとうございます。菅原さんは「造形おじさん」という名前で活動していらっしゃいますが、菅原さん自身のことや活動についてお伺いしていきたいと思います。

造形おじさん(幼児造形指導員) 菅原 順一さん 

 

【菅原】僕は宮城県の気仙沼市生まれで、山形大学の美術科を卒業後、中学校や短大、保育園・幼稚園で美術や造形を教える仕事をしていました。退職し昨年磐井町の実家に戻ってきましたが、一関に住むのは50年ぶりになります。都会を離れ一関でのんびりとしたスローライフを楽しもうと思っていたのに、こちらに来てからも様々な人達との出会いがあり、その繋がりからだんだんスローライフではなくなってきました。

【小野寺】こっちに来てから、どんな方との出会いがありましたか?

【菅原】たくさんの出会いが今も続いていて、それぞれが繋がっています。こぎん刺しの山崎さんの展覧会場となったてんぽろ山荘の三浦夫妻、紹介してくれた佐惣珈琲豆店夫妻、和紙の人形作家・木住野さん、舞踏家のミミさん、今年の全国母親大会(岩手)の中央舞台装飾を依頼された鈴木まきこさんたち、そして「新垣勉 おしゃべりコンサート」を企画した吉田恵子さんとか。新垣勉さんのコンサートでは、舞台の横断幕作製の依頼があり昨年招待されたんだけど、こんな取り組みが6年も続いていたことに感動しました。市民からカンパを集めて中学2年生をコンサートに招待するこのコンセプトには感心です。学生たちの真剣な態度にも感激したし、最後の全体合唱「翼をください」が自然に2部合唱となり新垣さんの声と混ざり合う、これは感動でした。僕は神奈川の川崎に住んでいたんだけれど、人口が100万人を超える大都市ではこうした企画は作りにくいし、エリアが広すぎてまとまらない。

【小野寺】“市民のカンパで運営している新垣勉さんのコンサートのような企画は、100万人規模の川崎では作りにくい”というのは、一関ぐらいの規模だからこそ、こういうことができるんでしょうか。

【菅原】もし川崎でこれをやろうとすると、企画を立てた組織が、自分達の関わりのある人達に呼び掛けてやったとして「どこまで協力を広げ、どれだけの人を集約できるか」、それが多分課題になると思うんだよね。都市があまりにも巨大すぎて、まとまりをつくるのがかなり難しいんじゃないかな。

 問題は都市の人間関係で、大人と子どもとの関係をこのような発想で企画するのは、ある程度まとまりのあるサイズのまちだからこそ生まれるもので、巨大都市では、そういう発想にならないというところじゃないかな。しかも中学校は無数にあるわけだから全校は招待できないし、絞るとしてもどのように?という話にもなるでしょう。

【小野寺】一関市では中学校数が決まっているから、それも実施できる条件になっているのかな。

 

大都市と一関の生活を比べて

【小野寺】一関に来てみて実際どう感じていますか?

【菅原】一関は僕の故郷でもあるから、ある程度知ってるつもりだったけど、実際に住んでみると今まで知らなかったことがたくさん!まちのつくりもコンパクトで全体が見えるし、観光地に隣接してるし、音楽も美術も、様々な場所で様々な人たちが様々な活動を自主的に繰り広げている。一関という地方都市だからこそやれる活動がたくさんある。

都会では、映画一本見るためにも駅までバスに乗り、電車を乗り継ぎ、映画館で整理券を受け取り、開演時間を待ち、やっと見て同じ行程で家に戻る。何をするにしても時間のロスが多い。実家に戻ったら映画を見るにも家から2分、新幹線の駅から家までは12分、どこへ移動するにも渋滞も時間のロスもない。大都市では考えられない生活がここでは実現している。

【小野寺】確かに時間の使い方は大きく違いますよね。

 

 

【菅原】そして、僕の家の庭にも小さな畑を作ってるんだけど、東京だとこんなスペースはまず作れない。ここでは自分たちが食べる分の野菜を自分たちで作る人が多く、しかも「買った野菜よりうまいものを作ろう」と皆頑張るんだよね。「苗や土作りは、こうでなきゃいかん」とか~(笑)。野菜は次々にできて、自分たちだけでは食べきれず、隣近所や友達に分け与える。しかもその時々の旬の野菜を持ってきてくれるから、おいしいものが食べられる。お花もいつもいただいて途切れることがないし、本当に嬉しいよ。

【小野寺】頂き物に関しては、食わず嫌いの物もあるけど「せっかく貰ったから食べてみようか」と思いますよね。お店で買うものはつい自分の好きなものばかりになりがちだし、お金を払ってまで嫌いなものを買わないけど、頂いた物から興味が広がるというのも魅力なんでしょうね。

【菅原】山菜や、鹿・熊の肉など、珍しいものが次々に手に入る。おもしろいね。もっと早く一関市に来ればよかったよ。

 

菅原さんが大学生の時に制作した彫塑(ちょうそ)作品。

卒業の時に寄贈し50年近く一関文化センターの中に飾られています。

造形を通じて身につく力

【小野寺】菅原さんは、現在一関市内の学童施設や老人介護施設で造形を教えているということですが、そのような活動や今までの造形指導を通して、どのよう

なことを感じましたか?

【菅原】僕は短大保育科の造形の教員で幼稚園や保育園でも造形を教えてきたんだけど、幼児の造形指導は幼児特有の指導方法が必要になる。小さい子どもの場合は「〇㎝で切ってね」などという指示ができないから「三本指の幅で線を引いて切ってね」とか「手のひらの大きさまで粘土を伸ばしてね」って、自分の身体を使って指示するんだよね。最も大きな問題は、月齢差の問題。同じ3歳児でも4月生まれの子と3月生まれの子では発達が違い、それなりの配慮が必要になる。

【小野寺】そう言いますよね。4月に生まれた子と、1~3月に生まれた子では全然違うらしいですよね。

【菅原】1年近く発達の違う子がひとつのクラスに混在するわけで、小中学校での月齢差はほとんど問題にはならないのに、理解力の幅も身体能力も違う幼児の指導は、造形指導も、その配慮がなされなければ上手くはいかない。

【小野寺】なるほど。

【菅原】子どもが自立していく過程で、幼児の造形はとても大事で、生活能力の基礎がつくられる時期でもある。でも小学校や中学校の美術教員養成課程はあるのに、幼児の造形を専門にして育てるような教育機関はない。長年、子どもの造形に関わってきた僕達からすると、小学生になる前の幼児の造形こそ大事にすべきで、子ども達の基本的な生活能力の分厚さみたいなものは、小学校にいってから頑張ろうったってかなり無理があると思う。幼児の時の発達に見合った表現活動やモノを作り出していく生活経験はその子の生き方に関わると言っていい。日本はそこがかなり遅れていると言ってもいいかもしれないね。

 

菅原さんの造形は、子どもから高齢者まで簡単に作れて楽しく遊べる工夫がいっぱいです。

 

┃菅原順一さんへの連絡先

 電話:0191-23-9012(自宅)

 e-mail:sugawara.junichi@gmail.com

 

紙面で紹介できなかったお話は「こぼれ話」としてブログでご紹介しています。

 

 

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