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若者の「自立」支援

~「自信を育てる」ための連携~

いちのせき若者サポートステーション 外観写真

いちのせき若者サポートステーション 副センター長 沼倉麻友さん

東京都出身。結婚を機に夫の故郷である一関市へ。子育てが落ち着いてからは、市内の支援学級にて先生たちのサポートをする学校サポーターとして6年従事。その際の出会いが縁で平成25年より「いちのせき若者サポートステーション」の立ち上げスタッフに。前職での経験も糧にしながら利用者に寄りそった支援を行っている。真柴在住。

対談者 いちのせき若者サポートステーション 副センター長 沼倉麻友さん   

    

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

「地域若者サポートステーション事業」は39歳までの若者の就労と職場定着をバックアップする厚生労働省の支援事業です。当地域においてはNPO法人レスパイトハウス・ハンズが受託し「いちのせき若者サポートステーション(いちサポ)」として一関市のほか近隣6市町村を対象地域として、若者が社会に踏み出す支援をしています。

小野寺 就職支援と言うとハローワークやジョブカフェのようにこれまでも間口は広かったですが、「いちサポ」との違いは「保健」と「福祉」の絡み。今まで就労にそれらが関わるようなことはなかったのに、保健と福祉を絡めて「ちょっと自信がない人のための就労支援の場」が設けられてしまう時代になったということですよね。

 

沼倉 様々な個性を持つ人にも昔は社会の中に選択肢があったので、どこかでその個性を活かすことができたのですが、その選択肢が少なくなり、それが生きづらさにつながり、余計に社会に出られないという悪循環が生まれています。

 

小野寺 ちょっと前の時代は仕事の幅が多くあり、みんなで協業していたんですよね。それがなくなり、むしろいわゆる「普通の人」でもできない仕事が増えてきたという現状があります。パソコンも文字入力できれば良いという時代じゃないように。

 

沼倉 繰り返しで単純だけど、飽きずにミスなくやってくれるような人が能力を発揮できる場が少なくなってしまっているんです。そうすると自分はダメな人間だと思ってしまって…。

 

小野寺 便利な時代の弊害ですよね。今は何か一つだけをやっていれば良いという仕事がない。マルチタスクで同時進行に物事を動かさなければいけない職種が多くて。だから就職活動と言ってもひと昔前とは全然違うんだと思います。そもそもの仕事の中身が変わってきているので。そこに適合できる人は多くはないですよね。

 

沼倉 人手不足と嘆く企業が多いですが、実態は「欲しい人材が来てくれない」という意味合いです。求める人材としては「体育会系の部活のキャプテン」とする企業があれば、真逆の「縁の下の力持ちタイプ」とする企業もあったり、様々です。

 

小野寺 共通するのはバブルの頃のように高学歴の人を企業は求めなくなっていて、それよりもチームワークや、自分で考えて行動できることを期待している。だけど保護者の考えが変わっていないんですよね。特にバブル世代の保護者は。

 

沼倉 就職=企業の正社員になることだと思っている保護者は多いです。今はいろんな働き方や生き方があるという時代の変化に気づかないので、家族の中で応援してもらえず、動けなくなってしまう若者もいます。

 

小野寺 就職は職に就くと書くわけで、大工のように「職」に就くことも選択肢ですよね。今は就職活動というより入社活動。起業だって選択肢の一つ。

 

沼倉 利用者の保護者の多くは正社員にこだわりがちで。でも実は正社員よりもパートが良いという利用者は多いんです。中にはパートで採用され、働きぶりを認められて正社員にならないかという誘いを断り続けているという方もいるんです。彼らには「正社員になると責任が重くなり、仕事量も増え、そうすると通えなくなるかもしれない」という不安や、逆に「自分はこの仕事だけで十分満足」「パートの仕事内容で気持ちよく通えている」という感覚があります。なので頑張って正社員になった人が心の風邪で休職したというケースもあります。早期に適切なサポートをもらい、復職することができましたが…。

 

小野寺 「働き方改革」じゃなく「生き方改革」ですね。欲がない人も多い気がします。

 

沼倉 利用者の中には「親元を離れたい」「車が欲しい」「携帯電話が欲しい」という若者にありがちな欲が薄い人は多いです。スマホがなくても不自由しないし、親に文句を言われるのは嫌だけど、家にいれば生活に困らないし、「働く意味」を見つけられないでいます。

 

小野寺 最終的には家庭教育の問題だと思うんです。働く意味を含め「親はいつまでも生きてるわけじゃない」という当たり前のようなことを家庭内で教えられていないんじゃないかと。

 

沼倉 20年後、40年後の生活を想像して、保護者が働けなくなった時のことを考えてもらうと「そうなったら就職する」「その時になったら活動する」と、「今まで働いていなかったのに難しんじゃない?」ということが想像できないでいます。

 

小野寺 そういう人たちこそ、生活の中で一番長くいるのは家なわけで。難しいからこそ家庭教育は大切で、だけど各家庭には介入できない。せめてその大切さを地域や協働体などが啓発・啓蒙していかなければいけないと思うんです。同時に「助けてくださいと言うのが恥ずかしいことじゃないよ」という社会的な啓発も。

 

沼倉 一番偏見の目で見ているのは当事者たちだったりするので、必死に隠そうとします。本当は社会との関わりがない時期を少しでも短くしたいのですが。

 

小野寺 家でできないことを近所で、近所でできないことを班で、班でできないことを区で…と補完の仕組みがあるのが、家庭でその意味を教えないので、役が回ってきても受けない、それを見て育てばそれが普通だと思ってしまう。地域づくりと家庭教育はつながっていて、地域では助けたいと思っていても助けにくい状況になっています。

 

沼倉 確かに家族の適切な協力・支えがあると動き出せることが多いです。親がその子に興味を持ち、子どもが動くきっかけになることを探る。節目毎の保護者の対応で動き出す方もいます。20歳を機に印鑑をプレゼントし、「年金はどうやって払っていく?」などという対話をしていくうちに社会に出る気持ちになるようです。

 

小野寺 ただ動き出すのを待つのではなく、どう働きかけて、どう促すのかが大事ということですよね。

 

沼倉 収入が働く意味にはならない時代、社会の中の自分の役割、自分のことを認めてもらえるという「承認欲求」が働くことの意味とも言われます。そういう欲求こそ家庭の中や地域、学校など、集団生活の中で芽生えていくものなのでしょうね。

 

 

 

いちのせき若者サポートステーション

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電話 0191(48)4467

 

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