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木造建築の技術と文化の継承

~‘骨組みを刻める大工’を絶やさない~

ナチュラルログハウスのふうぞ 戸田仕

ハンドカットログビルダー  戸田仕さん

昭和41年生まれ、福岡県出身。23歳の頃、自分の家を建てることを目的にログハウスの勉強を始める。関西、長野、静岡など、拠点を2~3年毎に移す中、平成7年に妻(イラストレーターの戸田さちえさん)の故郷である東山町へ。平成9年に「ナチュラルログハウスのふうぞ」を設立し、ハンドカットにこだわった建築を手掛けている。

対談者 ハンドカットログビルダー 戸田仕(とだまなぶ)さん   

    

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

ハウスメーカーによる建築が主流となってきた昨今ですが、国産丸太で、なおかつ「ハンドカット」にこだわった木造建築を手がけている戸田仕さん。ログハウスに主軸を置きながらも、古民家の改修・移築、水車やツリーハウスの建築など、木を使った工作物であれば、自らの学びの意味も込めながら「挑戦」を続けています。その信念となるものをお伺いしました。

小野寺 今でこそリノベーションなど、古民家の移築・改修が流行りの言葉になっていますが、その前から古民家の改修を手がけていたというのがすごいなと。

 

戸田 僕は岩手に来るまで古民家に触ったことはなかったんです。それなのに初めて依頼された古民家が築100年以上、80坪程のもはやつぶれそうな物件で。猫が10匹以上棲み付いて、床も落ちたような状態。圧倒されてしまって、最初僕にはできないとお断りしたんですが、しばらくしてから施主さんに改めて頼まれまして。僕に経験がないことを分かった上で頼んできたとなれば、悩みながらも腹を決めてやることにしたんです。

 

小野寺 古民家の難しさというのはどこにあるんですか。

 

戸田 単なる解体ならガシャガシャと機械でできるけど、移築・改修のためには壊し方が重要で。平成14年頃なので僕は当時40歳前。知り合いの大工さんに解体を手伝って欲しいと声をかけましたが、60歳以下の大工さんはみんな古民家の解体を経験したことがないと断られて。ようやく見つけたのが江刺の80歳の大工さんでした。年齢的に作業は厳しいので、下から口だけで指導してもらうことで引き受けてもらって。

 

小野寺 古民家だと茅葺屋根だと思いますが、どう改修したんですか。

 

戸田 消防法にも絡んできて、排気設備を作るなどの指導が入ったので屋根の形はまるっきり変えました。骨組みを作り替えて、排気部分を設けて。柱部分も4割は腐っていたので新しくしたりと、新築よりもお金がかかったんじゃないでしょうか。施主さんも周りからは反対されたようですが、強い想いがあったようで。僕も正直、この古民家に向き合うのが精いっぱいでお金のことは頭になかった(笑)

 

小野寺 ツーバイフォー工法などが広まる中、戸田さんは日本古来からの木造建築をどのように見ておられますか?

 

戸田 古民家が嫌だという人は、寒いとか、辛い思いをしてきている。大型ハウスメーカーの密封された家が快適なのは確か。今の家は外壁で防水し、暑さ寒さはエアコンなどお金のかかるもので対処するけど、この辺の古民家は軒の長さや採光の取り方など、それなりに工夫がされているわけです。そういう構造も含めて古民家を残したいという人はほとんどいないですし、リノベーションも早く言えば見せかけのものも多く、居酒屋の梁などもよく見たら樹脂でできているなんてことは多いですよ。

 

小野寺 時代が便利になりすぎて、すぐにインターネットなどにあげるけど、できあがったものだけですもんね。刻み方、組み方、どういう風に技術を継承されたのかは紹介されることが少ない。見た目だけの問題で、本質をとらえていないですよね。

 

戸田 だから僕も住みやすさよりも技術の継承という点で古民家の移築・改修に関わっています。今は古民家じゃなくても、骨組みを刻める大工さんがいないんです。99%は機械によるプレカットだから。僕は全部ハンドカットにこだわっていますが、インパクト一台あれば大工さんになれてしまう時代、とにかく技術の継承がなされていかないというのが寂しいというか。

 

小野寺 すごく共感します。今伝えないと途絶えてしまうものが多いですよね。

 

戸田 継承する気持ちがあっても、技術職だから危険も伴うしある程度我慢して覚えないといけなくて、それに耐えられる子が少ないんです。だから昔の師弟制度みたいな感じではなく、その気になって教えれば2~3年で芽が出る子もいるから、建築が面白いというのを見せたくて。ツリーハウスもその一つ。

 

小野寺 ツリーハウスは異色ですよね。トムソーヤの世界(笑)

 

戸田 そう、浪漫の世界ですよね(笑) ちなみに、自分の土地にある木で家を建てるというのが僕のスタイルなんだけど、岩手県は木がたくさんあるのに、高くなるからと外材を買ってしまう。木を伐り出す場所によっては安く済む場合もあるのに。コストのことを考えれば、日曜大工が好きな人もいるし、ハーフビルドとしてお手伝いはするから半分自分で建てたらどうかと、そういう提案もしているんです。いろんな窓口を開けていて、どんな体制でも建てる気さえあれば僕はお手伝いしますよ、と。

 

小野寺 孫子のために植えたであろう木も、切られずに残っている。中央に基準が行きすぎなんですよね。メディアからの影響を受けすぎて、この辺の雰囲気には合わないような家を建ててしまったり。

 

戸田 木は家を建てた後も収縮をするので、反ったり割れたりする事があります。今はそれがクレームに発展したりするので工務店も怖くて合板や集成材を使ってしまうのです。好きでそういうものを使っているわけではないはず。

 

小野寺 昔は自然の材料を使うから当たり前だったはずだけど、今の人はずっと今の状態が続くと思ってしまうんですよね。

 

戸田 面倒くさいんです、木は。だけど基本的に使えない木はなくて、使おうと思えば使えるんです。現に僕の家は家を建てる場所に生えていた南部赤松を切って、その木で建てました。

 

小野寺 戸田さんのようなマインドを伝えていかないと技術の継承にはならないですよね。

 

戸田 技術の継承はマニュアル的に書き残すようなものじゃなく、現場で見せて、現場で一緒に動くことが第一だから、現場がないと機会がないですよね。

 

小野寺 農業技術も一緒で、種蒔けば良いって問題じゃなくて。ただ、今は価値に気づく時代にもなってきているし、チャンスだとは思ってます。

 

戸田 古いモノを見直す時期になっていますからね。現場をくれる施主さんには感謝してます。

 

 

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