シニア活動と地域づくり

対談者 一関市シニア活動プラザ 所長補佐兼相談員 佐藤公基さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹 

シニアの社会貢献を考える

【小野寺】まずはシニア活動プラザさんのあゆみについてお聞きしていきたいと思いますが、はじめに設置の経緯について教えてください。

【佐藤】シニア活動プラザは、60歳前後の退職者の社会貢献活動を応援するということで平成25年に設置されました。団塊の世代と呼ばれる方々が現役を終え、地域で何もしていない方が増えてきた状況の中、第二の人生をどのように充実したものにするか、その支援拠点としてつくられました。

【小野寺】では、3年間やってみての率直な感想をお聞かせください。

 

一関市シニア活動プラザ 佐藤公基さん

 

【佐藤】実際、「皆で何かやろう!」と旗を上げても、「社会貢献」という言葉の敷居が高いせいか、講座やセミナーにはあまり人が集まりません。今までずっとやってきた仕事を辞めてホッとしたのに、またムチで叩かれるのかと言う方もいますし、それよりも自分の生活を豊かにしたり今までできなかったことに挑戦したいという方が多いようです。

【小野寺】現役時代は、自分の家族も支え会社も支え、尚且つ地域を支えてきたので、もうそろそろいいかなという気持ちはあるんでしょうね。それは少なからず理解できるかなと思います。

【佐藤】一関では私のように地方公務員を退職すると地域の役を頼まれる方もいますので、そういう背景もあるんですよね。社会貢献というのは何も大きいことだけじゃなくて、年をとっても健康であれば病院にも介護施設にも行かず、公的税金を使わないということなので、それでもう社会貢献になると思います。なので、最近では不健康にならないための講座を開いたりもしています。去年からは「健康麻雀」というのをやっていて、日頃外出が少ない方や女性からも「やりたい」などの声をいただき、人気の講座になっています。将来的にはこのほかにも色々なものを仕掛けていきたいと思ってます。

 

健康麻雀を楽しむ皆さん

 

【小野寺】新しいコミュニティをつくるのは集まるきっかけの第一歩ですね。今まで会社や地域との付き合いしかなかったところから、自分の趣味や興味関心のあることで集まり会話ができて、笑顔になれば元気になるし、麻雀をすることで手先を動かすので心身共に健康な状態をつくるということですね。

【佐藤】体験の中で人と会って「ありがとう」「今日会えてよかったね」「楽しかったね」と言われれば嬉しくなって気分が高揚するし、それが精神的によくて健康寿命の増加にもつながればいいかなと。

 よく踊りや歌の発表会では、普段腰が曲がっているおばあちゃんでも、舞台に上がってスポットライトを浴びると、腰がシャンと伸びるんだよね。出番が終わって舞台から降りるとまた腰が曲がるんだけど(笑)ああいう時の高揚感が大事なのかなと思うし、そういう体験を意図的につくっていければと思います。

【小野寺】心身共にの「心」は、きっとそういう部分なんですね。

【佐藤】あとは、好きなことで集まった方々を隣同士でつなげてその場をコーディネートする方や、講座で知ったことを周りに伝えたり、地域に持ち帰って活用してもらうサポーターのような方を増やしていきたいですね。

【小野寺】素晴らしいですね!どちらかというと個人のやりたいことを引き出していくのが生涯学習の視点で、コーディネーターとか横軸の人、サポーターを育成していくのは社会教育の視点になっていくと思うんですが、生涯学習の側面も持ちながら社会教育を支援していくところは強みですよね。

「同世代」という安心感が壁をなくす

【小野寺】今地域では、「世代間・人との交流が薄くなってきている」とか「活動に出てこない」という課題があるんですが、人の心理としていざ交わろうと思うと一歩引くような抵抗感があると思います。そこの一つのキーワードとして「同世代」があるんですよ。同世代が集まるのであれば、共通の話題もあったり過ごしてきた背景が似てるので「あの時こうだったね」なんて分かり合える安心感があると思うんですよね。

その集まりの場をつくって本音を引き出すには、我々20~50代のセンタースタッフだと年代の壁や抵抗感を少なからずもたれると思うんです。

【佐藤】確かに違うだろうね。

【小野寺】なので、シニア活動プラザさんが各地域に出張して、活動に出てこない60代~70代の人たちの対策を考えるワークショップを一緒に見ていただけると地域としてはありがたいんじゃないかと思うんですよね。

昔の青年会をもう一度復活させたい

【小野寺】今の70~80代の方は、人が集まって「何しようか」「あれしようか」っていう活動が賑やかだった時代を経験している方達なので、「あの時こうだったから、今もう一回やってみようか!」という“やれる気づき”をつくって、その部分で地域との連携がとれていくとおもしろくなると思います。

【佐藤】昔は青年会があって、活動にしても一つのものに対して行うのではなく網羅的な活動をしていたからね。火が付けば変わってくるかもしれないね。

【小野寺】シニア活動プラザさんに、その火付け役になってほしいんですよ。実は今、「青年会ОB会」みたいな感じの活動を復活させたいって思いがあるんです。地域から要望やリクエストがあれば、青年会経験者が「昔の青年会はこうだった」って語る場を用意して、「もう一度青年会を復活させたい」なんて話が出ればそのOB会をつくって、動きが活発になってきたところで区長さんや自治会長さんが協議会とつないでくれると、一気に地域の活動の幅が広がるんじゃないかと期待しているんです。その一端をシニア活動プラザさんで担っていただけるとおもしろいなって。

【佐藤】老人クラブじゃなくて、青年会ОB会みたいな名前でね。いいかもしれない。そんな組織ができれば、今私たちがやっている健康麻雀やスマホ教室が地域版でできるようになるかもね。スマホを使いこなせば、地域の情報交換が活発になったり、活動がぐっと広がるよね。

【小野寺】どの地域にも、意識の高い方はいますから。老人クラブより自由度が高い青年会OB会をつくるのは、ある種の起爆剤になると思います。この先30年くらいは高齢化社会が続くと思いますが、その時代を支えていくにはやはり青年会OB会とか老人クラブの力が大きいですよ。もし地域から「青年会OB会をつくりたいんだけど、同世代として一緒に考えてくれますか?」なんてリクエストがあれば、ご協力していただけますか?

【佐藤】それはもちろん!それがシニア活動プラザの役割の一つだと思いますので、リクエストがあれば私たちも積極的に関わっていきたいと思います。

基本情報

【一関市シニア活動プラザ】

 住所:〒021-0881  一関市大町4-29 なのはなプラザ3F   

 電話:0191-31-3118

 ホームページ:http://www.ichinoseki-shakyo.com/senior/

 

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