一関市の6次産業化を考える

対談者 いわいの里ふるさとづくり研究会/いわて大東屋 代表 佐藤公一 さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

福島県の桑商品たちに刺激をうけて誕生した「いわて桑物語」

 

【小野寺】最近はよく「6次産業化」という言葉を聞きますが、実際に6次化ができるのかどうか、実際に挑んでいる方にお話を伺ってみようということで今回の対談を用意させていただきました。作物を作るだけではなく加工するための設備等にちゃんと資金投資をする覚悟がないと6次化は難しいと思っていて、公一さんが行っている、農商工連携が確実な第一歩なんだろうなと感じています。

 

いわいの里ふるさとづくり研究会/いわて大東屋 代表 佐藤公一 さん

 

 

【佐藤】俺は「一人農商工連携」と言っているからね。

【小野寺】まず、団体についてお聞きしますが「いわて大東屋」を立ち上げたのはいつですか?

【佐藤】いわて大東屋の前に、今から10年前に立ち上げた「いわいの里ふるさとづくり研究会(以下「研究会」)」が先です。私は前の仕事を退職した後、実家がある大東に戻り「ふるさと管理サービス」という体力・労力がいる農作業のお手伝いや、廃屋の管理を行う事業を行っていました。活動を始めて2年目になる頃、岩手県や県南振興局、JAなどが一緒になり桑の葉をパウダー加工しようとする取り組みがあったんだよね。一関には桑の葉があるし、桑の葉の良さは地域から情報を聞いていたし。その矢先、私の弟から「福島で桑の葉を使った焼酎がある」と聞き、すぐに二本松市東和町まで買いに行ったんです。行ってみたらビックリ、桑の葉の焼酎のほかにパン、羊羹、クッキーといった色々な商品が店に並んでいて。それを見て私は夢・野望が湧いてきてね。私はこの通り「おしょすい」を知らないから、その日店番をしていた役場職員の方に「なんで桑の商品がこんなにあるの?」と聞いてみたんです。すると「ここは桑の量産地帯なので、その桑の葉を利用して地域おこしをしている」と聞きました。加工はどうしているのか尋ねると「石巻の工場に外注している」と聞いて、早速、大東に帰る途中に、その工場に寄り「自分も桑の葉を持ちこみたい」と工場の社長さんにお願いしたら了解してくれました。原料の桑の葉は、地域の方から80kg(軽トラ一台分)を提供いただき、それを石巻の工場に持ち込んで、できあがったのが最初。荒茶と桑の煎茶をつくり分けてもらったけど、私はその時本当に嬉しかったですね。

 

 

農商工連携で基礎づくりから

商品化を目指している桑を生地に練りこんだ乾燥素麺(手前2つ)

 

【佐藤】私は全国各地に行きお茶を飲みましたが、手前みそですけどやっぱり自分のお茶の味が一番いいですね。それは私の技術ではなく、一次加工(蒸したり乾燥させて荒茶・煎茶にする加工)・二次加工(パウダー化)の技術なわけですが。

【小野寺】一次加工、二次加工は外部に発注しているんですね。

【佐藤】そうです。そこで加工してもらった粉をパック詰めして私が売っています。だから「6次産業じゃない」と言われればその通り。6次化の定義から外れているからね。自分で工場をもつ手もあるけど、工場を建てると人を雇わなきゃならないし、常に8割から9割の稼働率じゃないと商売になりませんから。それに建設にはかなりの資本金も必要ですしね。それなら私は全部外注した方がいいかなと。で、“自分で売るためには”という出口が「いわて大東屋」だったわけさ。いわゆる販売部門ね。

【小野寺】製造部門が研究会で、販売部門がいわて大東屋で、うまく流れをつくったということですね。

【佐藤】そうそう。俺は人と話すのが大好きだったし、基本的に楽しみながらやってます。やはり6次化するとエリアが狭まるし、関わる人も限られてくるから、地域おこしには少し足りないと思います。一人農商工連携というけど、加工だけでも商品によって関わる人たちが多く、それぞれの産業の基本ができてくるから、それが地域おこしにつながるでしょ。地域づくりで起業するには、まずは自分が成功しないことには皆さんにやりましょうと言えないからさ。これから本気を出しますよ(笑)

 

強みと強みのかけ算

【小野寺】地域では「産業がない」とか「仕事・働く場がない」という意見が多いけど、自ら作り上げていこうという機運は、まだまだ少ないじゃないですか。だから公一さんのように、自ら動いている人を少しずつ盛り上げていかなければならないと思うし、実際に自分の成功体験なくして、よその人は真似しませんからね。一関市の主要産業は農業ですが、果たしてそれが6次化まで可能か?といったらどうでしょうか。コミュニティ・ビジネスの視点では、マーケットは小さくなってしまいがちだけど、農商工連携と考えれば、それぞれが強みを活かして、成長していけると思うし、広がりが持てるはずです。聞こえは6次化の方がいいかもしれないけど、現実味を考えていくと、農商工連携の方がビジネスチャンスですよね。

 

トレードマークの麦藁帽子をかぶっていただきました

 

【佐藤】そういうこと。一関市は農商工連携が一番やれるところじゃないかなと思いますよ。農商工連携を推進するには、一関では一次産業も二次産業もそろっているから。農と加工がコラボレーションすればいいだけじゃない。

【小野寺】お互い強みを発揮する「強みの掛け算」と表現しましょう(笑)無理に6次化すると苦しくなっちゃうと思んです。かといって新しく農業組合や法人を立ち上げてやっていくにしても、結局は人の集まりで、資金はどうするのか?といったら会費とか個人の出資でやっていかなきゃいけないけど、限度があるし。

【佐藤】農商工連携の先に出口をつくらなきゃならないけど、現場と連携先を繋ぐコーディネーターのような人が必要だと思うよ。それは田舎の生産現場がどれほど大変かがわかる地域の人だといいね。

【小野寺】いわゆる営業的な役割なんだろうけど、一番地域に近い存在の人が必要なわけでしょう。役所とか商工会ではなく、地域内にいる人で、背景とか説明ができる人が欲しいわけですよね。

 

【佐藤】地域おこしに必要なのは「笑顔と元気と支え合い」だと私は言っているよ。笑顔をつくるにはお金が必要。元気になるには健康ではないとだめ。健康になるために桑茶があるよね。支え合いというのはこんな風に語れる仲間がいるということさ。夢は見るものではなく叶えるものですよ。

 

┃基本情報

【いわて大東屋】

住所:〒029-0602 一関市大東町鳥海字上野97-3 

電話:0191-74-3555

FAX:0191-74-3555

 

 

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