これからの「地域と学校」の在り方を考える

対談者 一関修紅高等学校 教諭 清田 博美 さん

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺 浩樹

 清田博美先生は‘地域に根付き信頼される学校’を目指して、生徒と一緒に地域に出てどんどん活動の場を広げています。清田先生が思い描く「学校と地域の繋がり」や、生徒への想いについて伺いました。

体操や恩師から学んだこと

【小野寺】まずは清田先生ご自身のことについて伺っていきたいと思います。清田先生は一関市のご出身ではないそうですが、こちらに来られたきっかけや経緯について教えてください。

 

岩渕典仁さん 車いすラグビー 元日本代表監督

一関修紅高等学校 教諭 清田 博美 さん

 

【清田】僕は京都市伏見区の生まれなんですが、父親がJRA(日本中央競馬会)に勤めていたり、親戚も皆、競馬関係の仕事をしていました。僕も小さい頃は騎手になりたくて、体幹を鍛えるために体操を始めたんです。高校は体操が強い京都の洛南高校に入学し、3年の時にインターハイで優勝しました。そして順天堂大学に進学し、京都府の教員試験に合格して、伏見工業高校に赴任したんです。そこで、ラグビー部の監督をしていた山口良治先生と出会いました。ドラマ「スクール☆ウォーズ」の主人公のモデルにもなった有名な先生です。僕は3年間、山口先生の下で教育の原点を教わり、山口先生を訪ねてきた色々な方と出会う機会もいただきました。

 

【小野寺】そんな経緯があったんですね。山口良治先生と言えば、全国から色々な方が会いにいらっしゃったんじゃないでしょうか。

 

【清田】ええ。社長、芸能人、政治家の方などたくさんの方が先生を訪ねてきました。そういう方と話す中で、ものすごく僕の価値観が広がりましたね。そして次に紫野高校へ転勤し、そこでは体操部を担当しインターハイ出場までいきましたが、教え子が3人、全日本チャンピオンになったんですよ。卒業後はラスベガスのシルク・ドゥ・ソレイユで活躍している子もいますし、新体操の曲に興味を持ち、今は月9ドラマやアニメの作曲家になった子もいます。体操から興味を広げ、違う世界に行くっておもしろいでしょう。

 

【小野寺】それはすごくおもしろいですね。

 

【清田】そんな中、岩手(前沢)に住んでいた家内の父親が亡くなり、急きょ帰ることになったんです。申し訳ない気持ちもありながら公立高校の先生を辞め、家内と子どもと一緒に岩手に来ました。少し休職期間を置いてから、もう一度先生の採用試験を受けようと思い、いくつかの高校に電話して履歴書を持っていったんです。そうしたら一関修紅高校の体育の先生がたまたま僕と同じ順天堂大学の出身で「何かあったら宜しく」と話したんです。数か月後、その先生が教頭先生に上がられて、体育の先生の席が空いた時に、僕に「先生をやってみないか」とお話をいただいたんです。

 一関修紅高校に来てから「私学はどうあるべきか」と考えました。公立高校は転勤がありますが私学はないですし、地域に根付き、地域に信頼される学校づくりを想像したんです。地域の方が学校に来て生徒に声をかけてもらえるような、地域も生徒も先生もワクワクして幸せになれるような、賑やかな学校にしたいと思いました。

 

地域と学校の関わり方を考える

【清田】生徒の力量をつけたいと思いまして、幼児教育コースでは月に1回陸前高田市に行き体操を教える活動をさせてもらっていますし、本校の武道館でも体操教室を開いています。

ライフデザインコースでは、今度年配の方の体操指導を始めようと思っています。孫のような歳の生徒に体操を教わったらきっと長生きするでしょう!それをきっかけに介護の仕事を目指す生徒も増えるかもしれませんしね。なので、もし地域で「年配の方向けに体操教室をやりたい」というような話があれば、できるだけ協力させてもらいたいと思っています。

 

【小野寺】それはすごいですね!

 

【清田】生徒の力量を高めるだけでなく、そういう経験の中で、思いやりや気遣い、挨拶の仕方などを覚えて、運動や勉強以外で得意なことや、生徒の良いところを見つけていければと思っています。

 

【小野寺】最近よく「地域と学校の連携」と言われるんですけども、学校も地域も、お互いにどう関わっていけば良いかわからないんだと思います。なので、その接点をどう作っていくかがポイントかと思っていて。今は従来の学校教育を求めている時代ではなくなってきていますし、何でも「地域と」という時代なので、地域は学校に求めることを示していってほしいし、学校側はもっとオープンになってもらいたいですね。学校だとどうしても勉強や成績ばかり意識しがちですが、地域に出たり、色々な人と繋がりを作ったりすることも大切で。一関修紅高校さんでは、コミュニケーション能力と人との関わりを強く作られてきているなと思いますし、積極性を感じますよね。

 

バルーンフェステイバル 一関 修紅高校

「一関・平泉バルーンフェスティバル」で出店したブースの様子。このほか、「リレー・フォー・ライフ」や「全国わんこもち大会」など、多様な地域イベントに参加・協力しています。

 

【清田】ありがとうございます。「一関修紅高校に行くとおもしろい」とか「楽しい」って思ってもらえるようになりたいですね。それに「この地域をどうしたい」とか「学校をこんな風にしたい」とか、色々なところで思いや夢を語りたいし、ほかの学校や地域や人を巻き込んでいきたいです。

 

【小野寺】もっと色々なところと連携体制をとっていきたいですし、そういう構想がどんどん固まっていけばいいですよね。

 

【清田】まずは一歩を踏み出すことですよね。悔いは残したくないので。

 

 

【小野寺】清田先生ご自身が、楽しみながらやっているのも良いですね。お話を聞いて、我々も頑張らなきゃいけないなって思いますよ。

 

バルーンフェステイバル 一関 修紅高校

‘自立’は「助けて」と言える力

【清田】今の子ども達の一番の課題は、「自立」だと感じています。「自立」は全部一人でやるということではなく、「助けて」と言える力ですよ。

 

【小野寺】それは大人でもそうだと思います。すぐに「できます」「大丈夫です」と言っちゃうんですよね。

 

【清田】「助けて」が言えないから、他の人も助けようとしない。「助けて」は雑談の中から気づくこともできると思います。何気なく「そういえばあの子どうなったの?」から始まり「こうしよう」「ああしよう」って話が発展したり。だからコミュニケーション能力は大事だと思うんですよね。

【小野寺】教育の場面では、自分の意志を言わせなかった環境がしばらく続いていたじゃないですか。インプットばかりで、子どもに教えては「何でわからないんだ」「理解しろ」と言うけれど、「どこがわからないのか教えて」という習慣はなかったんですよね。

 

【清田】「何を言えばいいんだろう」って構えちゃうと何も言えなくなりますからね。

 

【小野寺】子どもも大人もそうなんですが、意見や考えを引き出せないとコミュニケーションもとれないし、何を考えて求めているかもわからないし。意見を聞くことで初めてニーズの模索になるので、やはり「自立」もコミュニケーション能力も必要なことだと思いますね。

 

【清田】それを培うためにも、地域に出たり色々な人と接することは良い経験になると思うんですよね。そういった課題に向き合いながらも、これからも生徒と共に自分も常に挑戦し成長し続けたいです。昨日の自分より今日の自分ですね!

 

 

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