染色の会

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令和4年度「日形秋祭り」での同会の展示

令和4年度「日形秋祭り」での同会の展示

基本情報

(idea 2024年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

 一関市日形市民センターを拠点とし、草木染を通じた交流を楽しむ。平成5年4月、社会教育団体として登録することを機に団体化(それ以前から有志で活動)。現在の会員数は7名。

 

TEL:090-5554-8591(会長・千葉)

「生きがい」そして「生きる力」に

「宝物の場所」でお金をかけず

 「茜の根を掘りに山に行ったはずが、ワラビ採りに夢中になってしまって。初めてワラビを見て、山で食べたお昼は美味しかった!」そう笑顔で振り返るのは、令和5年度から「染色の会」の会長を引き継いだ千葉雅子さんです。

 

 夫の実家がある花泉町日形に平成24年に移住した千葉さんは、移住後数年して「参加してみないか」と同会に声をかけられたことがきっかけで、会員となりました。東京育ちの千葉さんにとって、自然豊かな日形での生活は新鮮で、稲が成長する姿や、「大地があって野菜が作れる」という「当たり前」のようなことに、今もなお感動しているとか。

 

 そんな感動をさらに高めるのが、同会が行う「草木染」。同会のモットーは「自然のもので、お金をかけず」であり、基本的に自生する身近な植物を染料にします。

 

 「春になると、材料がたくさん出てきます。お墓参りで山に行っても、ついつい材料を探してしまう。習性と化してますよね」そう笑う千葉さんに、他の会員たちも頷きます。

 

 以前に東京の知人にお土産として自分で作った草木染の作品を渡したところ、草木染の魅力に目覚めただけでなく「宝物の場所に住んでいる!」と、羨ましがられたとか。一般的なテキストにそって草木染をしようとすると、経費が少なからずかかりますが、日形という土地柄を最大限に活かすことで、30年以上活動が続いています。

繭細工から始まり、布への染色へ

 茜、古代米(葉)、ナツハゼの実、桜の枝、ヨモギ、ツキミソウ、コスモス……と、使用する材料をあげていくとキリがありません。そうした材料について「どこにでもある植物であり、(草木染を)やるかやらないかの違い」と、同会の前会長で、会員からは「先生」と慕われる小原澄子さんは微笑みます。

 

 小原さんが草木染を始めるきっかけとなったのは、約40年前に当時の花泉町が開催した繭花の講習会。養蚕が盛んだった日形では、養蚕農家から「出荷できない繭の処分が大変」という声があり、「処分するのであれば」と、受講者の中から希望者が集まり、趣味の一環として繭細工を続けていました。

 

 30年程前、その中の一人が各地域の女性が集まる事業に参加する際、お土産として草木染のハンカチを持っていくことに。それがきっかけとなり、繭ではなく布への染色に取り組み始めました。

 

 玉ねぎや紅花からスタートした草木染も、身近な植物を摘みながら、独学でレパートリーを増やしていき、様々な色が出せるように。また、藍は畑で育てることで、生藍染めも行います。日本三大紬・黄八丈で使用されるコブナグサも採取できるとのことで「なんでもあるのよ」と会員一同、恵まれた環境に感謝します。

草木染を通して、広げ、深める人生観

 会として会員が集まるのは、およそ2か月に1回(冬場は活動なし)。普段は各自で草木染を楽しみ、会で集まるときにも、手作りの漬物や総菜、お菓子などを持ち寄り、料理に関する情報交換や、「人生の勉強」をすることが多いのだとか。

 

 90代の小原さんから得る人生の教訓は大きく、草木染についても「『自分の世界』がもてるものであり、例え家族がいなくなって自分ひとりだけの暮らしになってしまっても、お散歩に行って、材料を摘んできて、染めてみる。『そういう何かがある』と思うだけで気持ちが楽」と、小原さんの生き方や考え方から、会員が人生観を広げていく場にもなっています。

 

 令和5年10月には日形市民センターが主催する「藍染め体験教室」にて、講師を務めた同会。放課後子ども教室での子どもたちへの体験指導などは過去にも経験していますが、一般の大人に向けての教室は初めて。男性の参加者もいたり、同会会員にとっても刺激になったと言います。

 

 教室の中で小原さんは「今は手軽に服が買える時代ですが、昔は着古したものを染色し直して着用するなど、着るものを大事にし、染色も身近なものだった」「庭で摘んだ草木から色が出る不思議さ。染めには水も必要。自然ってありがたい。草木染ができる私は幸せ」と、日々の暮らしを大切にし、感謝する気持ちも伝えます。

 

 同じ材料で同じ作業をしても、同じ色は出ないという草木染。大人になっても、「ままごと」のようなワクワクを味わいながら、それぞれの人生観を深めています。 

あなたにとって「草木染」とは?

会長

染色の会会長 千葉雅子さん

ちば まさこ

千葉 雅子さん

「スーパーで売っているたくあん漬けの素が美味しくて、東京の友達に送ったら喜ばれた」と、移住者ならではの視点で日々の生活を楽しんでいます。

 

A.自然とのふれあい

前会長(指導者)

染色の会前会長(指導者) 小原澄子さん

おばら すみこ

小原 澄子さん 

夫婦で約40年前に日形に移住。「公民館(市民センター)は私のためにあるんじゃないかと思う」と笑い、市民センターを最大限に活用しています。

 

 A.ままごとあそび


photo gallery

体験教室の成果品

体験教室で作った作品

令和5年に開催した「藍染体験教室」で参加者が作った作品は、日形秋祭りにも出展され、来場者の興味を誘いました。

 

桜染ができるまで

桜染ができるまでの工程

桜色は、桜の小枝から抽出します。小枝を煮だした抽出液に布を入れる作業を、好みの色合いになるまで繰り返します。

 

刈生沢での作業

滝渓流公園を利用し染色した時の写真

地元・刈生沢の滝渓流公園の野外炊事場を利用して染色をしたことも。宮城県在住の会員もおり、おしゃべりも楽しみです。 

何の植物で染めた?

植物で染色した作品たち

一番上がアオイ(花は赤)、2段目右が紅花の茎、左がウルシ、3段目は右から紅花、ムラサキの根(紫根染め)、藍。

 


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