毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第44話(idea 2022年11月号掲載)

今月のテーマ

地域運営の落とし穴㉘ NPO=コミュニティビジネス

※ここで言う「NPO」は、広く市民活動団体全般を指し、「NPO法人」のことだけを指しているわけではありません。

高めるべきは「心意気」と「専門性」

 NPOという存在が時間の経過とともに‘社会の担い手の一人’とされるようになりました。一方で、「コミュニティビジネス」「ソーシャルビジネス」という横文字と同系列に並べられ、‘NPO=コミュニティビジネス’というイメージも。間違いではないと思いますが、個人的には違和感があるのです。

 

 「コミュニティビジネス」とは、課題解決の手法にビジネスの視点を持ち、課題解決と同時にコミュニティの再生や新しい雇用の創出、地域経済の活性化を狙うものです。地方の企業が掲げる企業理念は、「地域のために〇〇」「地域の〇〇を課題として」というものが多く、コミュニティビジネスに通じるものがあります。全国展開する大手の企業もCSR活動(企業の社会貢献活動)に取り組んでいますし、さらに今はSDGsの観点から、持続可能な社会のために地域の課題解決に積極的になり、コミュニティ(地域課題)やソーシャル(社会問題)の分野でも活躍が目立ちます。つまり、何もNPOだけがコミュニティビジネスを担う存在ではないのです。

 

 むしろ、もともと経営経験があったり、起業志望の人であればまだしも、ビジネスに不慣れなNPOや市民組織が「コミュニティビジネス」と謳っても、ビジネススキルが伴っていなければ成立しません。 NPOをたちあげる=ビジネスに絡めるのではなく、まずはボランタリーな活動から取り組んでいき、そこからビジネスとしての芽が出る要素があればコミュニティビジネスに発展させれば良いのであって、無理をする必要はないと思っています。

 

 最近のNPOは、補助金や助成金ありきになっていて、市民公益の気持ちから遠ざかっているように感じることが。社会課題に対する新たなプレーヤーの誕生に期待する気持ちの表れなのか、従来の事業支援の助成金だけでなく、設立支援の助成金も増えてきています。しかし、設立後に自立できるか未知数の部分も多く……。

 

 収支を生まなくても動かさなければいけない「公共事業」同様、NPOも収支ではなく、「課題」があるから活動します。もちろん何をするにも資金は必要ですが、心意気(=覚悟)が必要ではないかと思うのです。持ち寄りの会費を原資に、身の丈に合った活動からスタートし、経験を積み重ねながら事業の必要性に重みをもたせていく。そんな心意気を持った‘コテコテのNPO’は、ボランティア要素が強く、美徳を優先します。コロナ禍で食糧支援を必要とする人たちのために身銭を切って食糧を集め、自分の生活が苦しくなったりすることもありますが、市民セクターの動きは、非常に面白いです。熱い思いをもった市民らしくていいじゃないですか。とは言え、組織としての活動なので、運営のルールコンプライアンスの順守(≒マネジメント)は絶対!という部分はあります。

 

 収支を生むか生まないかで判断するなら、今はNPO法人のほかにも様々な法人格があるので、そちら(一般社団法人等)を選択した方がいいでしょう。起業しやすさの理由でNPO法人を選択する時代ではなくなりました。

 

 NPOは、地域や社会の課題をキャッチし、その課題に対して専門的なノウハウやスキルを持っていることが強みであり、事業規模の大小を問うものではありません。むしろ事業規模が小さくても、企業などとタイアップや連携を図りながら課題解決していくことが、双方の強みを生かすことになるので、効率的と考えます。ちょっと前の時代は、様々な部署(部門)を抱えた「自己完結型」の企業も多くありましたが、今は、自己完結型よりも「事業連携」をする「パートナーシップ型」が増えてきているように感じます。それぞれが専門領域を高め、連携することにより成果を最大限に引き出していく「協働型の社会」です。NPOも事業規模ではなく、「専門性」を高め、協働型社会の一員として頑張っていきましょう。

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