毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第17話(idea 2020年8月号掲載)

今月のテーマ

地域運営の 落とし穴①

 今が「時代の転換期」であることは、行政、地域ともに周知の事実であり、「変わらなければいけない」という意識も芽生えてきています。国や市の施策を見ても、従来とは異なる仕組みを作っていたり、自治会などの地縁組織においても「このままではダメだ」「なんとかしたい」という声は頻繁に聞こえますが、なかなか改善に向かっていません。変わる勇気が出ない、いや、どう変わっていいか分からないというのが正直なところでしょうか。

 

 「自治会」は私たちの日常の生活において重要な役割を担い、「生活の場としての地域」を維持していくためには必要不可欠な組織です。高齢化社会においては「地域の結びつき」が頼みの綱となります。しかし、その昔に築き上げた仕組みや関係性をそのままにしていいか?というと、気を付けなければいけない点があります。

 

 当センターでは、自治会長たちの情報交換による学びの場として「自治会長サミット」という企画を開催しています。自治会運営について創意工夫のアイディアが出され、なるほどと関心することが多いのですが、その創意工夫のアイディアを時には「ローカルルール」という言い方をしたりします。当初は良かれと思ってできたであろうローカルルールも、改めてその良し悪しを考えなければいけない時期ではないか?という意見もチラホラ。 

 

 そこで今回は、改めて自治会運営のルールについて考えてみます。

「自治会」への加入は義務???

 自治会に加入しない世帯が増えてきたという話題を当市内でもよく耳にします。自治会加入問題については、全国的に話題になっており、判例もあるようです。以下は「独立行政法人国民生活センター」による「暮らしの法律Q&A」で紹介されている、自治会の退会について(自治会の退会を申し出たものの、自治会側が応じてくれなかったことによるトラブル)の判例とその解説です。

 自治会は、地域住民が、豊かで住みよいまちづくりを目指して、地域における様々な問題解決に取り組むとともに、住民の連帯意識の向上に努めている任意の団体です。あくまでも任意の団体なので、加入を強制することはできません。判例でも、自治会は「会員相互の親ぼくを図ること、快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること、会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団であり、いわゆる強制加入団体でもなく、その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないのであるから、被上告人(自治会)の会員は、いつでも被上告人に対する一方的意思表示により被上告人を退会することができる」とされています(最高裁平成17年4月26日判決)。

最近では、未加入世帯の増加のみならず、未加入にもかかわらず、防犯・防災活動や地域美化活動による利益を享受する「ただ乗り住民」も自治会が抱える重大な問題ですが、自治会の歴史が長くなればなるほど暗黙の了解も多くなり、そもそもを説明する機会を作っていないことも、未加入世帯や「ただ乗り住民」が発生する原因の一つかと思います。自治会の目的、それぞれの取り組み内容や利益享受について改めて確認し、みんなが納得するひと手間をかけることが自治会という住民自治チームの形成を促します。

さて、当センターにも以下のような相談が寄せられたことがあります。

両親が亡くなり、月に数回、誰も住んでいない実家の掃除に来ています。

その時に自治会費の徴収に来られたのですが、住んでいないのに自治会費は払わなければいけないのでしょうか?

 


 亡くなった両親が自治会に加入していたため、不在になってもその家が自治会の一員として考え続けられていたのだと推測できますが、上述の通り自治会は任意団体であり、誰も住んでいない家にも自治会費を求めるべきか否かは、自治会内での議論で決めるものであると思っています。

 老々介護、高齢者の独居世帯が増えている今、このような課題は、どの自治会でも考えられ、ご近所トラブルになりかねません。その昔に決めた暗黙のルールで押し通すのではく、時代の転換期の今、必要な仕組みを改めて模索すること、そして、自治会内で「合意形成をすること」が求められます。

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