毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第14話(idea 2020年5月号掲載)

今月のテーマ

制度が壊す地域の絆

シニア層の「やりがい」・「生きがい」・「働きがい」

  「生産年齢人口」が総人口を上回るペースで減少していることから、一億総活躍社会の実現に向けた国の対策により、高齢者も活躍する社会が求められています。少子高齢化が及ぼす社会課題と向き合うべく、昨年より働き方改革も進められ、多様な働き方の実現労働力不足の解消などを目指しています。

 最近では、コンビニやファストフード店で働いているシニア層を見かけるようになりました。ちょっと前の時代では、コンビニやファストフード店は学生アルバイトなど若い人が働くイメージが強かったのですが、時代の変化、というか、「高齢者の働き方の変化」と捉えられる場面でもあります。シニア層がレジでオンライン決済に対応している姿を見ると素直にすごいなと感じることも。

 「労働力不足の解消を高齢者が担っている」という捉え方をされがちですが、実は「シニア層の能力」を買っての採用という一面があるようです。シニア層は、社会経験が長く、一般常識や人との接し方をある程度心得ているという理由のほか、コンビニやファストフード店も高齢者の利用者が増えているため、若い店員よりもシニア店員の方が、中高年層の気持ちを理解しやすく、より良い対応ができるのでは、という期待がされているのだとか。たしかに遠くのスーパーに行くより、近くのコンビニの方が、高齢者にとっては移動の負担も少なく、安心して買い物ができる環境となりつつあるのかもしれません。

 働くことが「生きがい」になる高齢者もいますが、全員が必ず就労しなければいけないということでもありません。働くだけでなく「社会参加」も生きがいの一つボランティア活動サークル活動自治会活動などへの参加は、これまでは定年後の主流の取り組みでした。ボランティアやサークル活動は、自分の好きなことに挑戦することで「生きがい」に、自治会活動は、地域内の見守り活動や、世代間交流として地域の子どもに昔遊びを教えたり、シニア層の「やりがい」になると同時に、健康増進にも一役買っています。

「生きがい」のある生活 ≒ 「豊かな生活」

一関市社会福祉協議会 菅原敏

 高齢者がやれる範囲で「役割」を持ち、それが「評価」される。「評価」されることにより「生きがい」が生まれ、「豊かな生活」を送ることができようになる……と、ポジティブにつながっていきますが、

「豊かな生活」を創り出す「役割」や「生きがい」「評価」がはく奪されたらどうなるでしょう?

「豊かな生活」とは反対に、「生きる目的」「目標」「希望」がなくなってしまうということです。

 毎日の目標がなくなってしまうとどうなるか?

家に閉じこもり、料理をしない、掃除をしない、布団もたたまないなど、生活習慣が乱れるだけでなく、仲間がいない(できない/会わない)、挨拶をしない(会わない/会いたくない)など、人や地域とのつながりが薄くなっていき、孤独死を生んでしまうような状態が起こりうるかもしれません。

 「支えあいと制度の関係」も大切な考え方です。例えば、一人暮らしのおばあちゃんが地域にいるとします。地域の人たちは「あのおばあちゃんは一人暮らしだから」と、毎日気にかけていましたが、ある日からデイサービスを利用するようになりました。そうした途端に地域の人たちは、「あのおばあちゃんも福祉サービスを使うようになったから安心だ」と言って気に掛けなくなるんです。

 制度を利用することは決して悪いことではありません。しかし、制度を使うことで「安心感」が生まれ、気に掛けることをしなくなってしまう。制度があることで「地域の絆」を壊すことだってあるんです。ここで言う地域の絆とは、「見守り」「支えあい」のことです。何気ないことすらしなくなってしまうリスクが制度を使うことに潜んでいることもあります。

  人は誰でも、何らかの「生きがい」を持つことで、人生の価値や意味を見い出そうとします。広辞苑によれば、生きがいとは「生きるはりあい。生きていてよかったと思えるようなこと」と定義されています。つまり、人にとって「生きる価値や意味」を与えるものである、と捉えることができます。何を生きがいと感じるかは人によって様々であり、一概に定義できるものではありませんが、「ふ」だんの「く」らしが「し」あわせである地域づくり(第13話参照)を進めていくことに間違いはないでしょう。

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