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(idea2018年9月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。
前月号でご紹介した「大根神社」に引き続き、今回は厳美地区にある「温泉神社」を特集します!厳美の温泉を守る神様かと思いきや、それだけではありませんでした。戦国武将との関わりや昔行われていたユニークな年中行事などもご紹介します。
住所:一関市厳美町滝ノ上331(厳美渓から徒歩3分)
右:稲荷神社
(温泉神社から徒歩5分)
須川温泉神社
(須川温泉の露天風呂から見ることができます)
温泉神社は、「須川温泉神社」「稲荷神社」「三戈神社」の3社を合祀(ごうし)(※1)してできた神社です。
須川温泉神社は873年に須川岳(栗駒山)の山頂に造営されましたが、雪深く険しい坂道に参拝者が苦労したため、明治2年に麓の稲荷神社に社殿を置き遥拝所(ようはいじょ)(※2)に。明治17年には三戈神社(今の住所)に場所を移し、名前を「温泉神社」に改正し法人登記しています。
現在温泉神社には、須川温泉神社の身体健康の神様、稲荷神社の商売繁盛の神様、三戈神社の戦の神様の魂が祀られています。
(※1)合祀にはいくつかの種類がありますが、温泉神社の場合はそれぞれの神様の魂を分けて祀っているため、温泉神社には3つの神社の神様がおり、須川温泉神社と稲荷神社にもそれぞれの神様がいらっしゃいます。
(※2)遠く離れた所から神様を拝むために設けた場所のこと。
当時の三戈神社には、戦の勝利を願って、藤原三代、伊達政宗、茂庭周防守が参拝したともいわれています。境内にある樹齢400年余りの「エドヒガン(桜)」(写真:左)は、伊達政宗がこの地域一帯に植樹したエドヒガンのうちの1本とされ、平成13年に市が天然記念物に指定。昔は「種まき桜」とも呼ばれ、桜の開花が農作業の時期の目安にされていました。
本殿の右手にある社務所(写真:右上)は午前5時に開扉します。毎朝6時45分に宮司の茂庭さんが和太鼓を叩きながら神様に祝詞を奉納(写真:右下)。祝詞の奉納は365日行い、地域には太鼓の音が響きます。
豊作祈願として、毎年5月2日には春祭り、10月17日に秋祭り・八十八夜(納涼祭)を開催。
上の写真が撮影された昭和55年当時(最盛期)の秋祭りには、盆踊りや灯篭流し、お神輿や芸能人のステージが行われ、道路には出店が並び、会場を埋め尽くす程の客が市内外から押し寄せたそう。
昔は1月の「温泉神社どんと祭」では、自宅の恵比須様や大黒様、近所の家の人におしろいを塗る「花咲かせ」が行われていたという記録も。
皆さんの地域にはどんな‘気になる神社’がありますか?ぜひ一度、調べてみるとおもしろい発見があるかもしれません。