『みちのくワークショップフォーラム2018を10倍楽しむためのプレワークショップフォーラム』開催レポート

最終回となる今年の「みちのくワークショップフォーラム」は、さまざまなワークショップの手法を学べる本編を10倍楽しむために、WSF初回からファシリテーターとして参加してくださっていた稲村理紗さんをゲストに迎え、ファシリテーションの基礎についてじっくり学ぶプレフォーラムを開催しました。

第1部「ファシリテーションのベーシックスキル」 講師:小野寺 浩樹

第1部は、当センター長の小野寺が担当し、参加者同士の体験ワークも交えながら「ファシリテーションのベーシックスキル」を学びました。

 

①ファシリテーションとは

 ファシリテーションは、日本語にすると「促進」という意味。日本では、会議=ファシリテーションとなり、促す人をファシリテーターといいます。

 

『会議が変われば組織も変わる』

 日産自動車ではファシリテーターを養成し、部門ごとに会議を執行。それにより、スタッフたちのアイディアや要望が届きやすくなり、自分たちの意見が車という形になることでスタッフのモチベーションがUPしたという事例もあり、会議を変えるたけで組織の課題解決にもつながります。

 

②会議の思い出共有

これまでの体験で良かった会議と悪かった会議をグループごとに共有。

 


「悪かった思い出はすぐに書けるが、良かった思い出は難しい」という声が多かった様子。

まずは、参加者みんなが議論に参加できる場づくりをすることにより、共感をつくります。

 

③会議について考える

 総会のように承認を得ることが目的で議長進行するのでファシリテーターが入って意見を引き出したりする必要はありませんが、ワークショップなどの参加型会議の場合は、参加者からアイディアを得ることが目的なのでファシリテーターが議論(プロセス)に介入していきます。

 会議では、みんなが話し合いに参加し、みんなが納得することが大切です。話し合いの質は、コンテンツ(議題、データなど)×プロセス(参加者の緊張をほぐす、発言を促すなど)の掛け合わせが大切で、ファシリテーターはプロセスに着目し介入するので、議題に関する専門的な知識は必要ありません。(結論を出す場合は、ファシリテーターではなく参加者が決める)

 最近では「まちづくり=ワークショップ=付箋=ファシリテーター」という考えられることもありますが、付箋を使うことだけがワークショップではなく、あくまでも手法の一つであり、手法よりもしっかり意見を引き出すためにもファシリテーターを養成する必要性が高まっています。

 

④ファシリテーションのベーシックスキル

 ファシリテーションには「共有」→「発散」→「収束」→「共有」の4つのスキル(ステップ)があり、「最初の共有」では、何を議論するのか何を発言するのか分からない状態の参加者と会議の目的などを共有し、「発散」では参加者全員の気持ちを発言させることにより核心的な発見を見つけ、引き出していきます。「収束」は、発散の中から大事なポイントを見つけ整理し、まとめ、「最後の共有」で参観者の考えをまとめ、納得ができる合意形成を目指していきます。

 特に合意づくりには「発散→収束」のステップが大切で、ファシリテーターが主催者と参加者のクッションの役割を果たすこともあります。

 また、会議を開く前の「会議設計」が大切で、会議の目的や目標、やり方とスケジュール、時間配分、メンバーと役割分担、ルールや方針などを予め準備することでスムーズに進めることができますが、会議はナマモノなので、設計にこだわり過ぎず当日の雰囲気を見て柔軟な対応も求められます。

 ファシリテーターは先入観を持たずに傾聴することが大事で、「発言内容そのもの」と「背景にあるもの」両方を聴く必要があります。


参加者同士でペアになり傾聴の体験

 100%の合意形成は難しいですが、対立意見があれば、発言の背景を引き出し、なぜ対立してしまったのかメンバー間で理解し合うことに努め、対立したら諦めるのではなく、一歩二歩下がってどこなら合意ができるか合意点を探すことがファシリテーターに求められます。

第2部「まちづくりの現場あるある」 講師:小野寺浩樹×稲村理紗

 秋田市の市民活動支援アドバイザーとして10年間従事し、現在はフリーランスで東北を中心にまちづくりに関するワークショップのファシリテーターや研修講師として活動している稲村理紗さんと当センター長・小野寺で、地域に寄り添い、話し合い支援に携わっている2人だからこそ感じる“まちづくり現場あるある”について、トークしました。

 「ファシリテーションとの出会い」や「ビックリしちゃった現場」など様々なテーマについてお話ししていただきましたが、その中からピックアップしてご紹介します。

Q.ワークショップで意識していることや慣れていない人への対応

・地域の会議に入ると、年配の方は付箋を嫌がる傾向にあるため、代わりにグラフィックしていくなどの配慮をする。

・ワークショップが始まる前に不穏な空気を出している人がいたら声をかけ、安心感を持たせる。

・意見に対して大げさにリアクションしてみる。

第3部「話し合いを可視化、共有!“ファシリテーショングラフィック”の理論を学び実践する」講師:稲村 理紗

 最後は、稲村理紗さんによる話し合いを可視化し共有する「ファシリテーショングラフィック」を参加者の皆さんと体験しながら学びました。

 これからの日本は人口減少、少子化、超高齢化などの人類がこれまでに直面したことがない社会が待ち受けています。それに対応していくために、自分たちで地域づくりをし、今まで地域づくりに参加していない人たちも巻き込む工夫が必要となりますが、それに伴い、ワークショップなどで地域との対話が多くなり、多様な人や多職種の人が集まり言葉のギャップ(専門用語など)が話し合いで飛び交うので、それをグラフィック(可視化)することにより多くの人と共有することができます。

 グラフィックの利点は、共通認識を持て、安心感を与えることができ、グラフィックしたのを画像データとして保存することにより、記憶・記録にも残りやすいです。


基本的なペンの使い方や色の選び方から始まり、実際に話し合いをグラフィックしてみました

 「グラフィックは、現場(実践)でトレーニングを積み、自分でポイントを掴むことでスキルアップにつながりる。また、最初は発言を要約をするのが難しいですが、不完全でもいいからとりあえず書いてみること。もし、話し合いの内容などを聞き逃した場合は、参加者と確認をしながら「みんなで記録」するという気持ちで取り組むことが大切」と稲村さんから教えていただきました。

ご参加いただいた皆さん、稲村さんありがとうございました!

ワークショップフォーラム本編は12月8日開催です!(申込みはこちらから

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