毎月さまざまなテーマで地域づくりについて考えていくコラムです。

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第36話(idea 2022年3月号掲載)

今月のテーマ

地域運営の落とし穴⑳

「『地域文化』の継承」は、誰が、どうやって?

 本誌の「自由研究」では、地域の歴史や文化ネタを取り上げており、地域のみなさんに調査協力をいただきながら誌面を作成しています。我々は専門家ではないので、市民目線で気になったことを調査しているだけなのですが、時々、良い意味で専門的な指摘をいただくこともあり、大変ありがたいことだと受け止めています。

 

 いま、こうして‘指摘してくれる’ということは、‘地域の歴史や文化を語れる人がいる’ということですが、5年後、10年後……と、時間の経過とともに、そうした人たち(多くは超先輩方なので)はいなくなってしまいます。つまりは‘地域の歴史を語る、語れる人がいなくなる’ということであり、そうした状況が訪れることを、我々は危惧しなければいけません。各地域に存在した「史談会」や「郷土史研究会」なども、高齢化や会員減少により解散している今、今後、地域の歴史をどのように語り継いでいくのか?ということが気がかりです。

 

 幸いにして、上述の史談会や郷土史研究会などが主要な地域の歴史は書籍等にまとめています。しかし、「まとめているから大丈夫!」ということはなく、‘本にまとまっていることが全て’ではありません。通説を覆すような史料が思わぬタイミングで見つかることもあります。また、歴史は偏った視点で記録されることがあるため、「別の視点から考えるとどうなの?」というモノも多々あります。本誌「自由研究」はそうした疑問を素材にすることも多いので、訊ねる人がいなくなると困るな……と思ったり。

 

 「郷土史」だけでなく「文化」も同様です。「そんな古いことにこだわって……」という声や、「多様化・多様性」という考え方に支配され、地域性が失われています。はぁ、困ったことです。

 

 その反面、近年は「郷土芸能」への関心の高まりがあり、若い世代の参加も増え、継承としては順調のように見えます。そうした流れを見ていると「郷土芸能の魅力ってなんだろう?」と思わず考えてしまいます。「魅力は何か」と尋ねたら、きっと「舞い終えたときの達成感」「みんなの喜ぶ姿が忘れられない」「装束や道具、受け継がれてきた歴史を感じるから」などが挙げられるのではないかと思います。

 

 ちなみに、「郷土芸能」は本来、「無病息災」「五穀豊穣」「家内安全」「疫病退散」など、その地域で“安全に安心して暮らせるように”願い、祈ることのあらわれです。それは‘地域づくりの原点’と言っても過言ではないでしょう。

 

 話を戻しますと、残念ながらすべての郷土芸能の継承が順調かというとそうではありません。やはり後継者がなく「俺たちの代で終わりだ」というものもあります。それは団体活動だけではなく、イエ(家)の継承も。

 

 「失いたくない」という気持ちがあっても、現実的には継承できない可能性を消しされないので、今後、私たちは前述の諸先輩方がそうしてきたように「記録する」という行為を優先的に行うべきでしょう。将来、どのような形で扱われるかは分かりませんが、記録しておかないと‘消滅’を待つだけです。消滅してしまうと地域の歴史を失います。

郷土芸能に参加(センター長小野寺(写真中央))
何を隠そう、「郷土芸能に若い世代が参加するようになった」の事例張本人は筆者(センター長小野寺(写真中央))。

 地域の歴史や文化を記録(継承)する際に大事にしなければいけないのは、‘マインド’の部分だと思います。自分たちが担ってきたという思い出(苦労話も面白いんですけど)だけでなく、‘そもそもの成り立ち’‘本来の目的’など、核となることを「言語化」することに注力して欲しいところです。

 

 ただし、注意していただきたいのは、歴史や文化の重要性を訴え、保存に取り組む動きを「行政」に頼りすぎること。郷土芸能などの地域文化は神事と関連することが多く、政教分離の観点で行政では取り扱いが難しい分野です(当センターでも痛い経験あり)。裏技のように、最近では、集落や氏子組織等で取り組んでいた郷土芸能も「〇〇保存会」という名称で団体化しています。

 

「風土風習」ではなく「文化財保護」という文脈の視点・活動ですね。

 

 とは言え、‘マインド’を大事にしながら地域の特性を残す、記録するためには、行政ではなく、「地域」や「市民活動」の領域で取り組むのがベストだと思っています。

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