「支障木」を「シンボルツリー」へ

~庭木・敷地木管理のお手伝い~

TREESUPPORT木助 佐々木恭平 一関

TREE SUPPORT 木助 佐々木恭平さん(上の写真)

青森県黒石市生まれ。平成25年、結婚を機に一関市へ。妻の実家である牧場業(養老馬預託)を継ぎ、普段は牧場作業に従事しながら、平成30年頃から依頼があればツリークライミングの技術を用いた支障木等の剪定、伐採作業に応じています。

 

対談者 TREE SUPPORT 木助 佐々木恭平さん   

    

聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺浩樹

観賞用としてのみならず、家や敷地への防風機能や境界機能としても植えられ、持ち主や庭師等によって管理されてきた庭木・敷地木。ライフスタイルの変化やそれに伴う価値観の変容、高齢者世帯の増加なども重なり、管理のできなくなった庭木への困りごとを抱える人も増えているように感じます。そのような「身近な樹木の困りごと」相談に対応をしている佐々木恭平さんにお話しを伺いました。

小野寺 そもそも何がきっかけでツリークライミングの技術を取得したんですか。

 

佐々木 青森時代に働いていた観光施設で、新たな観光コンテンツとしてツリークライミングを検討していて、お試しで講座に参加したんです。あくまでもアクティビティとしてのツリークライミングで、楽しいとは思いましたけど趣味として手を出すには道具代がかかりすぎるし、その時はそれで終わっていました。一関に来て牧場内の木を使って何かできないかと考えていた時に、たまたま「日本空糸㈱(以下、空糸)※」さんと出会い、初めてツリークライミングが本来は樹木を管理するための技術だったことを知りました。

 

※一関市萩荘に事務所を構え、ロープアクセスの技術で各種調査・点検等を請け負う

 

小野寺 単なる「遊び」だと思っていたものに「仕事」としての役割があったんですね。

 

佐々木 はい。それで改めて興味を持ち直し、まずは牧場内の木にロープで登り(=ツリークライミングの技術)枯れ枝等の剪定練習を始めました。いざやってみるとイメージ通りにいかないことも多いのですが、それを次の課題として練習を続けるうちにどんどんのめり込んでいって。 

 

小野寺 それが「木助」に発展したきっかけは何だったんですか。

 

佐々木 空糸さんが北上展勝地で請け負った特殊伐採の現場に誘ってくれて。その時にこの技術による樹木管理の需要と有効性を実感したんです。

 

小野寺 実際、どのような需要が多いですか。

 

佐々木 これまでにあった依頼では屋根にかかった枝の処理が多いです。それまでは家主でも管理できていたものが、木が大きくなりすぎて、自力では管理しきれず、かつ高所作業車が入れないような場所の作業依頼ですかね。それから、同様の場所で桜の天狗巣病も多いです。

 

小野寺 確かに、そういうケースの時にどこに頼んだら良いか分からず放置してしまう人も多いでしょうからね。

 

佐々木 昔は庭師のほか「空師」と呼ばれる職人さんがいたのですが、地域からそうした職人さんがいなくなりつつあります。「お願いしていた庭師さんが他界してしまって困っていた」という相談も多いです。

 

小野寺 「木助」は庭師でも空師でもないんですよね?

 

佐々木 どちらかというと空師に近いですが、目指しているのはアーボリストの技術を使ったスタイルです。アーボリストは日本ではまだあまり知られていませんが、高い木でも安全に、かつ自然な樹形を守るような管理をする人たちで、欧米では普及しています。単純に伐採ではなく、木を生かす、ケアをすることに重きを置いています。木が好きというのが大前提ですね。

 

小野寺 つまりツリークライミングの技術だけではなく、樹木に関する知識がないとできないということですよね。

 

佐々木 はい。樹木に関する知識は正直に言うと猛勉強している最中です(笑)たまたま義母が造園業者で植物にも詳しいので、アドバイスをもらいながら活動しています。 

 

小野寺 最近では改めて手入れをするより、管理ができないがために、完全に伐採してしまおうと考える人も多い気がします。 

 

佐々木 そうですね。特に昔は活躍していたはずの「いぐね」が、手入れをしないことで日が入らない暗い空間を作り出してしまったり、屋根に落ちた杉の葉が腐れの原因になったりと、厄介者のような存在になってしまっています。それが、枝打ちをしたことで光が入るようになったり、落ち葉の数も減り、再び敷地木としての存在価値が高まるだけではなく、土地の活用そのものを見直すきっかけになることもあって。

 

小野寺 地域に入ると、電線にかかりそうな支障木をどうしようという話題もよく聞きますが、木助でも対応可能ですか?

 

佐々木 もちろん可能ですが、作業箇所が電線の真上や処理した木が電線に当たる可能性がある状態の場合、電線を保護するカバーの設置を専門業者に依頼しなければならず、それだけで15万近くかかってしまいます。なので、できるだけそうなる前に手入れをすることが大切です。

 

小野寺 なるほど。街路樹なども管理が大変と聞きますが。

 

佐々木 個人的には一関の街路樹はもっと本来の樹形に近づけてあげて欲しいと思っています。今は道路や歩行者、近隣住民とのトラブルを避けて、のびのびと成長させてもらえていない状態に見えます。仙台のような大きな都市でも街路樹と共存し、むしろ街路樹を光のページェント等のように活用しているわけですから、一関でもできると思うのですが。

 

小野寺 市内には同じような技術で活動している人もいるんですか?

 

佐々木 ほとんどいないと思います。日本でも増えてはいますが、まだほんの一握りなので、こういう技術があるということを広めて、もっと市内にもシンボルツリーを増やしたいです。管理されずにほったらかしにされていた木や、天狗巣病などの病気によって「見たくない木」になってしまっていたような木が、手入れをしたことによって、逆にシンボルツリーのような存在になっていけば嬉しいな、と。

 

小野寺 産業構造の変化により、昔はあったけど今は廃業している仕事が庭師や空師と同様にあります。それが社会の隙間を深め、課題化していると思っているので、木助のような隙間を埋める取り組みがより一層必要だと感じました。

 

佐々木 隙間を埋める存在になっていけるよう、牧場業の傍らでなかなか参加できずにいる講習会等にも参加して技術を高めたいですし、あとはとにかく現場をこなすことかと思うので、お気軽にお声がけいただければ嬉しいです。

 

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