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(idea2021年3月号掲載)※掲載当時と現在では情報が変わっている可能性があります。

仕事の流儀「葉たばこ」~後編①~

 かつては盛んだったはずが、今となっては希少になりつつある「お仕事」やその技術等を調査する「仕事の流儀」シリーズ。県全体で見ると最盛期の3割程度にまで従事者が減ってしまった「葉たばこ農家」。煙草の善悪とは関係なく、一つの「産業文化」の記録として「葉たばこ」に関するあれこれをご紹介!前編(2020年7月号)では当地域における葉たばこの歴史をご紹介しましたが、今月・来月号では葉たばこ農家さんの1年をご紹介します。 ※記載内容はあくまでもセンター独自調査の結果です。

当地域と葉たばこ

 

 慶長年間~元和年間(17世紀前半)にたばこ耕作が始まったとされる当地域。昭和30年には、県立藤沢高校に「たばこ科」が設置(昭和38年廃科)され、昭和40年には当地域にも6千6百戸を超す葉たばこ農家が。しかし、後継者不足をはじめ様々な要因により、全国的にも昭和41年をピークに作付け面積は減少し、令和2年時点での当地域の葉たばこ農家はわずか69戸。そのうちの68戸が東磐井地域です(前編でご紹介した内容から抜粋)。

 

 葉たばこ栽培全盛期には集落単位で組合を設けて作業の効率化を図っていましたが、生産者の減少に伴い、徐々に組合の範囲が広域になり、現在当地域には2組合のみになってしまいました。葉たばこの育苗は手間がかかるため、組合での共同作業が望まれます。生産者の減少は組合の存続にも関わる切実な問題なのです。

 

 ちなみに葉たばこの栽培は「たばこ事業法」により「日本たばこ産業株式会社(JT)」との「売買契約」を元に行われ、契約農家には葉たばこの種子がJTから無償で配布されます。

 

そもそもの「葉たばこ」

 

植物としての「タバコ」は「ナス科タバコ属」に分類されます。その中に複数の品種があり、日本においては大きく「在来種」「バーレー種」「黄色種」の3つに分けられます。当地域にもかつて「東山葉」と呼ばれる在来種が銘葉として高値で取り引きされていましたが(前編参照)、当地域含め東北では現在バーレー種が主です(西日本では黄色種が主)。

 

 バーレー種は葉肉は薄く、チョコレートの様な香りの中に爽快な刺激を伴い、香料がなじみやすいのが特徴です。

 

 種まきから収穫、乾燥、出荷までには8か月以上の月日がかかり(以下の表が当地域でのおおよそのスケジュール)、大変なイメージも大きいですが、近年は機械化も進み(JTからの補助もある)、安定した収入が得られる作物でもあります。

 

〈参考文献〉

 

JTグループ.「たばこの基礎知識『栽培』」https://www.jti.co.jp/tobacco/knowledge/process/materials/index.html(参照2021-2-8)

 

 

野田葉タバコ生産組合の作業スケジュール

 今回、密着取材を引き受けていただいたのは、大東町大原で葉たばこ農家(水稲、野菜栽培も)を営む菅原五三男さん。また、五三男さんが所属する大東町の「野田葉タバコ生産組合(昭和46年設立)」のみなさんにもお世話になりました!

野田葉タバコ生産組合 菅原五三男さん

 

 

 

 

 

 

 

 

菅原五三男さん

昭和28年大東町興田生まれ。海員高等学校卒業後は貨物船の船乗りとなりますが、26歳で結婚し、大原に婿に入ったことで専業農家へ。


密着!葉たばこ栽培

 種まき移植

 

 葉たばこ栽培の流れはもちろん、葉たばこ農家さんたちが長年の経験をもとに培い、受け継ぎ、改良をし続ける「仕事の流儀」をお届けすべく、当センタースタッフが約1年をかけて市内の葉たばこ農家さん(菅原五三男さん夫婦&野田葉タバコ生産組合)に密着取材してきました!

 そこには愛煙家でも知らないであろう多くの手間暇や、一つの「農産物」としてプライドを持って栽培にあたる農家さんたちの姿がありました。※葉たばこ農家=愛煙家ではなく、たばこを吸わない生産者さんも複数います。

 

葉たばこの種
葉たばこの種 直径0.5mm

 

 

 

 

 

 

 

 

直径0.5mmと、タバコの種は極小!約12,000粒でようやく1gになる細かさなので、苗床で育苗してから本畑に移植します


手作りの種まき機
手作りの種まき機
水に混ぜた種
手作りの種まき機での作業の様子

 種まきの方法に関しては、その細かさゆえ、各組合で様々な工夫がされており、今回取材した「野田葉タバコ生産組合(大東町)」では、組合員が開発した手作りの種まき機を使用。水に混ぜた種を特製種まき機(ホースに等間隔で穴をあけたもの)で吸い上げ、組合員が協力して蒔いていきます。

 

 契約栽培のため、作付け本数は決められており、10aあたり2525本苗箱1つに400~500個の種が蒔かれるので、苗箱にすると10aあたり6枚。同組合は14戸の組合員で661aの作付なので、398枚もの苗箱を育苗します。

 

三枚のシートをかけた育苗箱
煙草神社のお礼に願掛けする様子

 

 

 

種まき後は保温のためにシートをかけますが(写真⑦)、発芽温度が23℃と高めなので、合計で3枚のシートをかけていきます。現在は機械で温度管理をしていますが、昔はボイラーなどで人が常に見守らなければいけなかったので、休むことができなかったのだとか。

 

 

 

 

作業の最後にはハウス内に祀っている「煙草神社」のお札(千厩の「煙草神社」から授かったもの)に願掛けすることも忘れません。


一週間で発芽した様子
定植前の畑の準備の様子(肥料散布)
定植前の畑の準備の様子(マルチング等)

 

 

蒔いた種は約1週間で発芽

 

各組合員のもとに苗が配布されるまでの間は、組合ハウスの土地主である佐藤さんご夫婦が水やり等の管理を行います(水やりの度にシートは着脱)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その間、各農家では定植先の畑準備(肥料散布、マルチング等)に勤しみます。

 

 


各生産者に苗が配布
各生産者が苗をトラックで運ぶ様子

 

 

 

 

種まきから16日後、各生産者に苗が配布されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの畑の面積に応じた苗箱の数を、各自のトラックで運びだします。


菜箸を使い間引きする様子
ポットに移植する様子

 

密着させていただいた五三男さん宅では24箱を自宅敷地内のハウスへ。各農家ではこの苗をポットに移植していく作業が始まります。

移植した苗

 

 

 

間引きをしながら、菜箸等を使い、ポットに1本ずつ移植していく作業は根気が必要……。移植が完了した苗はハウスの中で5月上旬までさらに育てていきます。

 

 

【次号へつづく】

↓実際の誌面ではこのように掲載されております

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